この記事をまとめると

■ホンダN-BOXが3代目へとフルモデルチェンジ

■キープコンセプトとしているが、よりデザインが洗練されている

■最先端の機能などを取り入れており、ワンランク上の軽自動車となっている

新型N-BOXは変わってないように見えてデザインが素晴らしかった

 3代目となるN-BOXのスタイリングが公開された。標準系のそれは、見事なまでのキープコンセプトであり、N-BOXらしさを維持したまま最新モードにアップデートしたことが実感できるものとなっている。

 実際、骨格ベースでいうと2代目から大きくは変わっていないように見える。ホイールベースにしても規格のなかでギリギリまで長くなっているといえるし、非常にコンパクトなエンジンによって実現したフロントオーバーハングの短さもN-BOXらしいシルエットにつながっている。

 従来からN-BOXのパッケージは軽自動車としては最大級に効率的といえるものだった。それゆえにスタイリングがキープコンセプト的になってしまうのも自然な流れだ。

 とはいえ、標準系・カスタム系ともにスタイルにアップデートを実感できるのはなぜだろうか。秘密のひとつは灯火類のデザインにあると感じる。

 標準系でいえば、N-BOXの伝統といえる四角の中に丸目を収めたデザインは共通だが、バイビームのLEDヘッドライトを囲うようにポジション&ターンランプが配置されている。このデザインは人の瞳が持つバランスを研究したということで、なるほど表情豊かなフロントマスクになっているのも納得だ。

 さらに、ヘッドライトをサイド側から見るとNのロゴがさりげなく置かれているといった遊び心も感じられる。ちなみにNのロゴはほかにも各所に隠されているので、探してみるのも面白そうだ。

カスタムは高級車のような佇まいと機能を持つ

 後ろ姿のイメージに大きく影響するテールレンズにも強い意志が込められている。2代目N-BOXでは、テールレンズを左右に膨らませてみせることでワイド感を演出していたが、新型では一転してフラットな形状になった。スッキリとしたシルエットのまま下まで降ろし、バンパー部分で広げることで車体全体の踏ん張り感を表現しているのが新型の特徴だ。

 テールレンズの意匠は標準系とカスタム系で共通。カスタム系では伝統に則り、クリアレンズとなっている。いずれにしてもポジションランプが点灯した状態で、グラデーションが効いているのは印象的。高級感のある光の作り込みは、新型N-BOXが丁寧にデザインされてきたことを感じさせるディテールだ。

 そして、カスタム系のフロントマスクもライティングの印象が強い。

 左右のポジションランプをつなぐようにフロントグリル上部にライティングを置くことで強い一文字の光を実現。軽自動車の常識を超えた品格と高級感を漂わせている。

 カスタム系のヘッドライトユニットは、ホンダが初めて採用したダイレクトプロジェクション式LEDとなる。ヒートシンクをモチーフとしたLEDユニットをハイ/ローふたつ並べた様子は、レーシングマシンを思わせるもので、パフォーマンスを表現した瞳となっている。

 また、カスタム系では2代目に引き続き、フロントウインカーがシーケンシャルタイプとなっている。従来よりも光源を増やすことで、非常になめらかに光が流れる様子は必見。これまた軽自動車とは思えないハイソな雰囲気を実現している。

 さらに、カスタム系においてはインテリアにも光による高級な演出が加わる。ストーン調の樹脂素材で作られたオープントレー部分を、赤味がかったアンビエントライトで照らしているのは、まさに都市型のコーディネートといえるものだ。

 冒頭で新型N-BOXはキープコンセプトと記した。たしかに、ひと目でN-BOXとわかるスタイリングは、ユーザーに安心感を与えてくれる。しかし、キープコンセプトだからこそディテールにこだわることでレベルアップを実感できるデザインとなっている。それは、ここで注目したように丁寧に作り込まれた灯火以外の部分でも感じることができる。

 ニッポンのファーストカーを目指したという新型N-BOX、まさに恐るべきフルモデルチェンジだ。