浦和はFW興梠慎三の一撃で勝ち越し勝利【写真:Getty Images】

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仙台戦で2-1勝利、決勝弾の興梠「狙った位置にファーストタッチが決まった」

 浦和レッズのFW興梠慎三は、8日のベガルタ仙台戦で途中出場すると2-1の勝利を呼び込む決勝ゴール。

 浦和でのJ1通算100ゴールを達成したが、すべてにおいてチームの勝利を優先する姿勢を大槻毅監督も絶賛した。

 J1は2月末の開幕戦を実施した後に新型コロナウイルスの感染拡大により中断。その湘南ベルマーレ戦でゴールを奪っていた興梠だが、再開初戦となった4日の横浜F・マリノス戦では、シュートチャンスがほとんどなかった。そして、中3日のアウェーゲームとなったこの日はベンチスタートになった。

 試合が1-1で迎えた後半23分、興梠はFW杉本健勇との交代でピッチへ。そして同38分にその瞬間は訪れた。左サイドから途中出場のMF関根貴大が相手2人の間を通してFWレオナルドにパスを通すと、レオナルドも2人に挟まれた間を通して興梠へパスを送った。

 ワンツーを求める動きを見せたレオナルドがいただけに「レオもリターンが欲しかったと思いますけど」と話した興梠だが、「得意な左足で決められる形になったし、狙った位置にファーストタッチが決まった」と、レオナルドの走り込みとは逆方向にターン。そのまま左足でGKの動きの逆を突くように冷静にゴール右へ流し込んだ。

 2013年に鹿島アントラーズから移籍した興梠は、これが浦和でのJ1通算100ゴール目。これはクラブ最多記録を更新し続けるなかで、クラブ史上初の大台になった。そうしたメモリアルゴールだが、興梠は「そのゴール数を目標にやっているわけではなく、チームが勝つのが大前提」と話す。そして「100ゴールは自分だけが嬉しいことで、チーム全員が嬉しいのは勝つこと。全員で喜びたいというなかで自分が決めて勝つことができたのが良かった」と、あくまでも勝利を喜んだ。

 また、大槻監督も興梠について「レッズで100ゴール、素晴らしいと思う。今日はリスクを取って彼をあの時間に起用して良かった。あそこで取るのが興梠慎三だと。引き上げてきて彼におめでとうとロッカールームで言ったら、『チームが勝つのが一番』と。それが彼を表す全てだと思う」と、その姿勢も含めて絶賛した。

 この日の先制ゴールを決めたレオナルドは、今季の加入から出場3試合で4ゴールと得点力を見せているが、チームへの影響力という観点から見ても、浦和のエースは興梠だというのは間違いないと言えるだろう。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)