9回無死三塁で無得点 深刻な巨人の残塁数
原監督「あそこの場面で何とかしたかった」
勝つチャンスは十分にあった。
甲子園で行われた阪神-巨人の21回戦は、延長11回、マートンがサヨナラヒットを放ち、4-3で阪神の勝利。ゲーム差を3と広げた。一方巨人は7回表に阿部慎之助の2ランで一時は勝ち越したが、7回裏に2点を返され、同点となり、逃げ切ることはできなかった。
それにしても深刻である。この日の残塁数も10だった。初回は2アウト二塁のチャンスで阿部が三振。2回はノーアウト二塁も村田修一が空振り三振に倒れるなど無得点。4回こそ阪神先発の藤浪晋太郎の一塁悪送球で1点を入れたが、走者を2人残したまま。追加点を奪えなかった。
あと1本がまた出なかった。落胆の声が上がったのは9回表だった。
代打の堂上剛裕が気迫のヘッドスライディングで内野安打とした。代走の鈴木尚広が牽制悪送球を誘い、一気に三塁ベースに到達。ノーアウト3塁。外野フライでも、場合によっては内野ゴロでも1点だった。
原監督は「あそこの場面で、何とかしたかったというところだった」と話す場面で、立岡宗一郎、代打・高橋由伸、坂本勇人の好打者たちがそろって凡退。俊足の鈴木が本塁を踏むことはなかった。絶好機を逃したジャイアンツは、得点できずに敗れた。
阿部と村田にかかる期待、村田「混戦を招いた責任は感じる」
打てないのは今に始まったことではない。あと1本出れば勝てた試合はいくつもあった。今年の巨人はとにかく残塁数が目立つ。10個以上の試合が非常に多い。
例えば、2試合連続で完封負けを喫した8月26日、27日のヤクルト戦。巨人は初回からヒットを浴びせかけチャンスを作ったが、積み重ねたのは得点ではなく、残塁の数。2試合続けて11残塁。川相ヘッドコーチも「あと1本というところまで走者を出したのだが、チャンスで打でなければこういう結果になってしまう」と反省したほど。
26日は4番の阿部がチャンスで凡退し、3打数ノーヒット。6回までに毎回の9残塁。27日も初回にいきなり2残塁。5回には満塁のチャンスで村田修一が凡退。序盤の得点機をこれだけ失ってしまえば、投手にとっては苦しい。そして先発、中継ぎ陣にしわ寄せがいってしまう。ここで1発打ってほしい打者が期待に応えられていない。独走できずに、現在3位圏内を争う戦いに、村田は「混戦を招いた責任は感じています」と苦しみながら戦っている。
チームスタッフがチームの思いを代弁するように言った。「ウチはなんだかんだいって、阿部と村田のチームです。彼らが打たなければ、チームは負ける」。
阿部は復調傾向、村田は打点を挙げたここ10試合で9勝も…
実際にそうだ。村田に目を向けると、最近打点を挙げた10試合で9勝と勝利に結びつく。しかし、打点なしの試合も多く、その対象となる10戦は38試合までさかのぼらなくてはならない。4打点や5打点をマークする試合もあるが、0打点の試合も多く、勝負の9月に入ってからは4試合で1打点と厳しい戦いが続く。
阿部は復調傾向にあり、10試合で4本塁打。9月に入ってからも5打点を挙げ、阿部のホームランなどの踏ん張りで前夜の阪神戦も接戦になった。不振も多く、例年のような活躍ができないことから、ファンからは苛立ちの声も上がるが、原監督は我慢の起用を続けてきた。
村田も同様。夏場までスタメン落ちや打順降格などあえて、目に見える形で叱咤してきたのも、この終盤に力を発揮してもらいたかったからだ。
首位と3ゲーム離れ、4位・広島の足音も近づいてきたが、阿部の状態は良くなってきている。あとはこれをどこまで維持できるか。村田が最後の意地を見せられるか。まだ上位チームと対戦する試合を残している。巻き返すチャンスは十分にある。残塁数を解消するしか、巨人が勝つ手段はない。
