ドコモ収益下落でわかった「新料金プラン」キャリアは7年間続いた「割賦販売」を終了すべき

写真拡大

10月31日、NTTドコモの2014年度上期の決算において話題を集めた「音声定額」が大きな失敗だったことが判明した。
NTTドコモが2014年度上期(2014年4月〜9月)の決算説明会の内容は、通期の営業利益業績予想は、当初の7500億円から6300億円と、1200億円もの大幅な下方修正をしたのだ。

今回の下方修正の影響は、今後どうでてくるのか?
ケータイ販売を8年、一時期は販売店経営も行っていた筆者の考察で見えてきたものとはこれだ。

「今後、キャリアは、『割賦販売』を終了すべき」

●選ぶことのできない新料金プランで失速
他社を圧倒する話題となった「カケホーダイ プラン」で苦戦に追い込まれたというNTTドコモ。
この厳しい内容の理由が、6月から提供している新料金プラン 通話し放題の「カケホーダイ プラン」に対する予想外の契約数が影響しているという。

NTTドコモは、新料金プランの契約数が予想外としているが、実は、予想外でもなんでもない。
9月以降のケータイ購入者は、新料金プランの契約以外では、月々の利用料金割引を付けないこととしたのだ。
そう、従来の780円や980円のプランの人は、新しいスマートフォンに機種変更すると「カケホーダイ プラン」になり、大幅に割高となってしまうのだ。

販売店は新料金プランしか勧められなくなる。既存のユーザーは、割高になるので機種変更を控えてしまう。最大の原因はここにあると睨んでいる。ちなみに、他社では期間限定とはいえ、旧料金プランの状態で機種変更ができるように対処しているのだ。

つまり、新料金プラン「カケホーダイ プラン」への移行を強制的したことが、大きな失策となったのだろう。
しかしながら、いまさら「カケホーダイ プラン」をやめます、というわけにもいかない。するとどうなるのか。

そう、経費削減で経営を健全化してくるだろう。

●今後、さらにインセンティブ利用での値下げは難しくなる?
スマートフォンやフィーチャーフォンといったケータイ販売において、重要な要素が「販売奨励金(インセンティブ)」である。
ケータイ販売を行っているお店で契約することで、キャリア側から販売代理店へ販売奨励金(インセンティブ)が支払われるというものだ。

この制度を利用して、ケータイの販売代理店は、月末や週末に一括いくらといった販売キャンペーンや、割賦販売を行って販売数(契約数)を伸ばすことができる。

ところが、今回の下方修正の影響で、コスト削減から代理店のインセンティブ削減の実施が予想される。
すると、販売店は、スマートフォンやケータイを販売しただけでは儲からなくなる。
代理店としては利益を維持するため、多数のオプション加入をユーザーに求めるようになるだろう。現在でも店舗によっては多数のオプション加入を勧めるところがあるが、今後はさらに拡大しそうだ。

その影響は明らかだ。ユーザーは多くのオプションに加入させられる店では買いたくなくなる。
ユーザーはオプションプランではなく、ケータイの契約で店に足を運んでいるのだから。

したがって、安易にインセンティブ削減すると、逆効果になる危険が大きい。キャリア側は経費を削減したい。現在はそう、そのはざまの状態なのだ。
代理店が儲かる仕組み、売りたいと思わせる仕組み、それをつくることが急務だろう。

しかしながら、歳末や月末の「ケータイ新規一括0円、キャッシュバック」といったインセンティブ利用の販売は、ケータイ販売を不健康にしていると言っても過言ではない。

それでは、どうすればいいのだろうか。

●SIMフリー+安い通信料金の時代に備えて いっそ「割賦販売」をやめてみてはどうか
インセンティブの高い、安いで市場がおかしくなるのであれば、インセンティブを「ゼロベース」にしてしまってもよい。そのうえで提案したいものがある。

現在、日本でおこなわれているケータイ販売の多くが「割賦販売」である。
2年間(24カ月)同じケータイを使うことを前提に、金利ゼロパーセント、月々の通信料割引により、実際の負担額を減額するという売り方である。

この販売方法は、2007年、ケータイの本体代金が高騰する対策として開始された月々の基本料金が値下げされる「分離プラン」が元となっている。しかしながら現在は、本体だけでなく、料金プラン、パケット定額プランも高くなっている。
それらすべて月々の「利用料割引」で割安にしてあるのだ。

2007年にスタートした割賦販売は、すでに7年が経過。そろそろ業界全体が見直す時期にきているだろう。
いっそのこと、キャリアによる割賦販売をやめてしまうのはどうだろう。

今、スマートフォンはAppleのSIMフリー版iPhoneのように、通常の値段で買ってもらい、割安な料金プランを提供する時代へとシフトし始めている。
割賦販売をやめれば、一時的な利益減少になるかもしれないが、結果としてケータイ市場の健全化につながる。さらに割賦販売での買い替えサイクルの長期化という課題も解消するだろう。そもそも、割賦で買いたいという人には、クレジットカードなどで分割を組むほうが健全だ。

スマートフォンは、「本体販売」と「回線(通信)契約」を切り離す時期にきている、と思われる。
現在、家電量販店ではSIMフリースマートフォンの販売数が、急速に増えている。今後、大きな市場になるとも予想もされている。

それまでに、「本体販売」と「回線(通信)契約」を分離してしまほうが、勝ち組になれる可能性は高いだろう。
そのうえで、全国に網羅された安定した電波エリア整備や、通話し放題、そして来春より予定されている「ドコモ光」といった武器も光ってくるに違いない。

そのリーダーシップとして、業界最大手のNTTドコモに手をあげてほしいものだ。
布施 繁樹