90年代末に日本でLinuxブームが起きたころ、「日本でデスクトップLinuxを普及させるためには、オフィスソフトと年賀状ソフトと優れた日本語処理プロセッサが必要だ」と云われていた。現在、オフィスソフトについては、OpenOffice.orgが、日本語処理プロセッサについてはATOK for Linuxがある。しかし年賀状ソフトについては、これといったものが無かった。2004年頃にOSバンドルでリリースされたネイティブアプリがあるが、ほとんど普及しなかった。
しかし、2008年末になってから、Adobeの配布するクロスプラットフォームのアプリケーション実行環境  Adobe AirのLinux版がリリースされ、時期を同じくして、同環境で動作するフリーの年賀状ソフトが登場した。今年登場したアプリの中でもイチオシなツール「プリントマジック」である。



たかが年賀状ソフトと馬鹿にしてはいけない。パソコン普及期の頃から、年賀状作成というのは重要なインセンティブだったのである。特に年配者の中には年賀状を作るためにパソコンを買ったというユーザーも多い。「年賀状なんてワープロソフトで作ればいいじゃん」と言われれば、そのとおりなのだが、住所録の差し込み印刷を設定して、文字配置を整え、文面のデザインを考えて年賀状を作成するには、初心者には少々敷居が高い。

Linuxユーザーは、一般にPCスキルが高いため、年賀状作成についてワープロソフトで作れはするが、一部のオフィスソフトマニアを除いては、楽に作れた方がよいのは間違いない。
Linuxユーザーだけではない、Macユーザーにとっても年賀状作成は長らく軽視されてきたジャンルである。現在は定番のMac版年賀状作成ソフトが販売されているが、できれば無料で作れた方がよいのは間違いない。

そんなユーザーにとってぴったりなのが、「プリントマジック」である。

年賀状ソフトの基本機能はほとんど備えており、無料でありながら、オリジナルフォントも10種類提供されている。文字や画像などの素材配置は全てマウスのドラッグで自由に行える。

新しい素材(イラストやテンプレート、フォントなど)の追加や、プログラムに変更があった場合は、最新ファイルをインターネットを通じて自動的にアップデートされるので、常に最新の状態で利用できる。

今後は、はがき作成だけはなく、オリジナルイラストカードの作成やオリジナルTシャツイメージの作成など、新しい機能を続々と搭載予定。新しく搭載された機能はオンラインアップデートで自動的に反映されるとのことなので、今後の機能拡張が楽しみなツールである。

(編集部 真田裕一)

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