有鄰館の前を試験走行する電リキ車(17日、群馬県桐生市で)

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 低速電動バスを製造する「シンクトゥギャザー」(群馬県桐生市)と自動車部品製造「正田製作所」(同)が共同で、電動人力車「電リキ車」を開発した。

 動力としてモーターを備え、車夫が進行方向の制御と速度調整を行う。観光での利用が期待されており、レトロな街並みが残る桐生市の人気スポット・桐生新町重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)で21日から、観光客を乗せて実証実験を行う。(栗村政伸)

 電リキ車は、車輪が付いた6人乗りの客車部分を、モーターとバッテリーがセットになった電動ユニットで引っ張る仕組みだ。ユニットに接続した持ち手部分のスロットルとブレーキで発進と停止操作を行う。

 最大時速は約3キロに設定されており、5度程度の勾配でも上り下りできるため、女性でも楽に扱うことができる。1回約2時間の充電で、約10キロ走行できる。京都などの観光地を走る人力車をイメージして「電リキ車」と名付けた。

 昨年、シンクトゥギャザーに電動アシスト付きの馬車の開発依頼が寄せられたことがヒントとなり、開発に着手。同社の宗村正弘社長(74)が中心となり、今年1月から約4か月で形にした。宗村社長は「ゆっくりと街中を見物する観光用はもちろん、荷物の運搬に使うなど汎用(はんよう)性が高く、幅広いニーズに対応できる」と太鼓判を押す。

 実証実験は、重伝建地区のメインストリート・本町通りで実施。国指定の重要文化財「桐生天満宮」から、江戸時代などの蔵群で知られる「有鄰館(ゆうりんかん)」までの約750メートルを約30分かけて往復する。市内のボランティアガイドも同乗し、街の歴史を紹介する予定だ。

 実証実験を前に、17日には試験走行が行われ、車夫を務めた群馬大大学院理工学府2年の高見沢理玖(りく)さん(23)は「ありそうでなかった車両が注目を浴び、桐生にたくさんの観光客が来るようになれば」と汗を流した。宗村社長は「ビジネスとして成立し、桐生の活性化につながるようにたくさんの人に利用してほしい」と呼びかけている。

 実証実験は21日から7月26日までの土日曜日に実施し、時間は午前10時〜午後4時。乗車料金は大人が2000円、小学生が1000円、幼児は無料。問い合わせはシンクトゥギャザー(0277・55・6830)へ。