愛知県警察本部

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 カンボジアを拠点とする特殊詐欺事件に関与したとして、愛知県警は16日、タイ国内で拘束されていた男を日本に移送し、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕した。

 県警は現地の詐欺グループに資金を提供する「オーナー」だったとみて、組織の実態を調べる。

 捜査関係者によると、逮捕されたのは佐々木裕介容疑者(38)。昨年2月、仲間と共謀してカンボジア北西部ポイペトの拠点から茨城県つくば市の30歳代女性に警察官を装って電話をかけ、現金3140万円を詐取した疑いが持たれている。

 ポイペトの拠点は、詐欺の電話をかける「かけ子」のグループが複数あり、中国や韓国、インドなどから集まった数百〜1000人ほどが活動していたとされる。現地当局は昨年5月、このうち日本人グループの男女29人を拘束。愛知県警はその後、かけ子の勧誘役らも逮捕し、押収したスマートフォンや供述などから、佐々木容疑者を特定した。

 佐々木容疑者はカンボジアの拠点には常駐していなかったとみられ、滞在先のタイの首都バンコクなどから現場指示役だった中国人らと連絡を取り、詐欺拠点の維持に必要な資金などを提供したり、詐欺の手口を指南したりしていた疑いがあるという。

 佐々木容疑者のグループによる日本国内での特殊詐欺被害は昨年2〜5月に約14億円に上る。県警は佐々木容疑者がオーナーとして詐取金の3〜4割を得ていたとみている。

 県警は今年4月に佐々木容疑者の逮捕状を取り、警察庁を通じて連絡を受けたタイ警察が今月5日、同国内で佐々木容疑者を拘束していた。県警は現地で身柄引き渡しを受け、16日、羽田空港に向かう航空機内で逮捕状を執行した。愛知県内に移送後、本格的な取り調べを始める。

 タイ警察によると、佐々木容疑者は過去2〜3年の間に、タイやカンボジアのほか、マレーシアや中国、ベトナムに頻繁に渡航していたという。