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サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会のグループF第1戦で日本がオランダと2-2で引き分けたことについて、中国人作家でスポーツコラムニストの張佳瑋(ジャン・ジアウェイ)氏は「漫画ではこんな展開にはならなかった」との論評記事を発表した。

15日に行われた試合は、後半5分にオランダがファン・ダイクのヘディングシュートで先制するも、同12分に日本が中村敬斗のミドルシュートで同点に追い付く。同19分にはサマーフィルのゴールでオランダが勝ち越したが、同44分に途中出場の小川航基のヘディングが鎌田大地の頭に当たってゴールに吸い込まれ、再び同点に。スコアはそのまま動かず、2-2の引き分けで終わった。

張氏は、「三笘薫も南野拓実も遠藤航もいない。それでも日本は2度のビハインドを追い付き、勝ち点1をもぎ取った。漫画ではこんな展開にはならないだろう」とし、まずオランダについて「試合開始からそれほど積極的には前に出なかった。アンカーのデ・ヨングがビルドアップの方向を決め、左にガクポ、右にサマーフィルが配置された。開始3分もたたないうちに、マレンがペナルティーエリア内でボールを収め、強引に反転して強烈なシュートを放ったが、鈴木彩艶が好セーブで阻止した。見応えのあるプレーだったが、オランダが流れの中でこれほど良い形を作れたのは、結局この場面だけだった」とした。

日本については、「3-4-2-1のフォーメーションは非常に独特だった。3ラインの距離が近く、縦方向の深さは浅い一方で、横幅を広く取りながらコンパクトさを維持していた。前田大然は常に迫力十分で、ボールを持つと左サイドの中村敬斗が素早くオーバーラップ。2〜3人による素早い連係で前進した。鎌田大地も左サイドへ流れて数的優位を作り出していた」と分析。「この試合の日本のMVPは鎌田と中村だったと思う。鎌田はボールを収め、配球し、時にはセンターバックの位置まで下がって、まるで(元ドイツ代表MFの)クロースのような役割をこなしていた。中村は左サイドで躍動し続けていた」と評した。

また、「日本は裏への飛び出しやポジションチェンジ、オフ・ザ・ボールの動きが非常に積極的で、なおかつボール保持にもこだわっていた。日本のポゼッション攻撃を見ていると、まるでテレビゲームのプレイヤーのようで『今日また新しい方法を覚えたから試してみよう。前と同じやり方じゃだめだ』といった感じだった。唯一の問題を挙げるなら、少し丁寧すぎることだろうか」とし、前半に中村が放った惜しいシュートを挙げ、「このシュートがあったからこそ、中村は(後半のゴールにつながる)感覚をつかんだのかもしれない」と推察した。

張氏は、「ボール支配率では日本はオランダに及ばず、鈴木彩艶の好セーブに何度も助けられた。また、クーマン監督が守備的になりすぎるのが早く、フラーフェンベルフやサマーフィルを下げた(のも悪手だった)。そうした意味では、日本が2-2に追い付けたのは幸運な面もあっただろう」としつつ、「それでも、試合を通して日本の戦いぶりは実に筋が通っていた。秩序立って、規律正しくサッカーをしていた。オランダが左右へ大きくボールを動かしても、日本はチーム全体が連動して完璧に対応していた」とたたえた。

そして、「オランダの伝統的な強みは、優れた陣形維持と組織的なポジショニングにある。しかし、この日の日本はそのオランダを相手に陣形の維持とスペースの圧縮でほとんど自由を与えなかった。戦術理解や組織力という点に関して言えば、日本のプレーにはほとんど非の打ち所がなかった。伊東純也と中村はスピードと機動力を武器にオランダ守備陣を苦しめ、相手にファウルを犯させる場面も少なくなかった」と絶賛し、「東アジアのチームが欧州の強豪と真正面から渡り合い、堂々と攻め合って好ゲームを演じる光景を見るたびに、やはり感慨深いものがある」と記した。

張氏は最後に、日本のサッカー漫画「キャプテン翼 最強の敵!オランダユース」に言及し、「作中で主人公の大空翼を欠いた日本はオランダと対戦し、第1戦は0-6、第2戦は0-7と大敗。そして第3戦で大空翼が復帰すると、日本は10-1で圧勝する」と紹介。「この展開は作者・高橋陽一先生のサッカー観に少々独特な部分があることを示しているが、同時に1980年代当時の日本サッカーが抱いていた幻想でもあった。エースがいなければオランダに惨敗し、エースがいればオランダを圧倒できる。そしてそのオランダは、なお強豪として描かれている」とした。

その上で、「今の現実の日本はどうか。今日は南野、三笘、遠藤を欠いていた。『キャプテン翼』で言えば、大空翼、岬太郎、日向小次郎を同時に欠いているようなものだろうか。それでも、日本はオランダと2-2で引き分けた。日本はまた一つ、漫画の題材になりそうな試合を生み出した。日本が想像の世界ではなく現実のピッチでオランダと互角に渡り合えるようになったというのは、なんとも感慨深い話である」と結んだ。(翻訳・編集/北田)