上白石萌音 菊田一夫演劇賞受賞 選考理由の2作は「かけがえのない経験」 大賞は「大地の子」
第51回菊田一夫演劇賞授賞式が10日、都内で行われ、女優の上白石萌音(28)が出席した。伝統の演劇賞で、演劇舞台で優れた業績を残した芸術家やカンパニーを表彰する。
「ダディ・ロング・レッグズ」「千と千尋の神隠し」の演技が評価され、菊田一夫演劇賞を受賞。「公演初日の舞台袖くらい緊張している。全ての方々、お客さまに感謝しています。幼い頃から演劇が大好き。ダディ・ロング・レッグズのジルーシャは初演の時からずっとやりたいと思っていた役で、高校生の時から再演の度に足を運んで、DVDもすり切れるほど見ました。今作の日々はかけがえのないものになると思います」と喜びを口にした。
「千と千尋〜」の海外公演については「文化の違いから来る反応に驚いたりした。反対に国境を超えた人の普遍性にも触れてうれしくなったりする。海外スタッフの方の働き方に影響を受けることもあって、この経験を大切にしたい」とこちらも貴重な体験であったことを強調した。
大賞には「大地の子」上演関係者一同が満場一致で選ばれた。原作は山崎豊子さんの小説で、中国残留孤児の陸一心(ルー・イーシン)の波乱の半生を描く。受賞に際しては、主演の井上芳雄(46)の手紙も読み上げられた。
同作には妹の上白石萌歌(26)も出演しており、授賞式では姉妹がそろい踏みした。萌歌は「大地の子に関わった全ての方に贈られる賞ということで、いろいろな人の顔を思い浮かべた。演劇というのははかなくて、形のないもので、終わればなかなかお目にかかる機会がないことも多い。改めてこの場で再会できて、喜ぶことができたことがうれしい」と感慨に浸った。
「これからも演劇というとても泥くさくて、とても美しい営みに憧れを抱きながら、日々祈りを込めてお芝居に参加していきたい」と意気込んだ。
大地の子は妹萌歌以外にも萌音が「恩師」と慕う栗山民也氏が演出を手がけている。それだけに萌音も「大地の子は幕が開いた瞬間に涙が出ました。どれだけのものを背負っているのか。どれだけの祈り、願いを込めてここに立っているんだろうと思った。演劇の凄さに殴られた感覚があった。今日この場所で拍手が送れてうれしい」と受賞を喜びながら、絶賛した。
