NBAファイナルのチケット価格が歴史的暴騰…日本から現地観戦する場合の想定費用も算出
昨年下旬に開幕したNBA2025-26シーズンも、残すところはNBAファイナルのみとなった。今年は昨年の王者を撃破したサンアントニオ・スパーズと、東地区を破竹の11連勝で駆け上がってきたニューヨーク・ニックスが激突。1999年のNBAファイナルを再現したこともあいまって、熱量はピークに達している。
何より、ニックスが27年ぶりにNBAファイナルへ戻ってきたことで、マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)の入場料は、もはやスポーツ観戦の水準を超えている。アメリカの二次流通チケットサイト「TickPick」によれば、ニックスが本拠地で迎える第3戦の再販最安値は4247ドル(約68万円)、第4戦でも3728ドル(約59万円)となり、さらに第6戦までもつれた場合は4917ドル(約78万円)が必要になる。MSG開催分のチケット代は、NBAファイナル史上最高水準となり、歴史的にも異例の価格帯となった。
キャブスを“スウィープ”して歓喜に湧くニューヨーク[写真]=Getty Images
同じファイナルでも、サンアントニオ側は様相が大きく異なる。「TickPick」は、スパーズ本拠地の第1戦を1149ドル(約18万円)、第2戦を1310ドル(約21万円)、第5戦を1656ドル(約26万円)でそれぞれ案内。もちろん十分に高額だが、MSGの全3試合と比較すると、ニックス本拠地の観戦はスパーズ本拠地での観戦の約3.5倍で推移している。
どれほど天文学的な数字なのかは、過去が物語っている。オクラホマシティ・サンダー対インディアナ・ペイサーズのカードとなった直近のNBAファイナル2025は、「TickPick」において平均購入価格が1147ドル(約18万円)だったことが報じられている。また、歴史的高値圏となった2024年のボストン・セルティックス対ダラス・マーベリックスも、一時は両会場で4000ドル(約64万円)超えとなったが、これは一時的な高騰であり、最終的な実勢価格はかなり落ち着き、シリーズ平均は約1660ドル(約26万円)となった。
◆■なぜチケット価格が高騰しているのか
高騰の理由は明快である。ニックスファンの球団に対する熱狂度はリーグでも指折りで、ファイナル進出は実に27年ぶり。最後の優勝となれば1973年にまで遡り、ファンはこのチャンスを圧倒的な声援で後押ししたいと鼻息荒く意気込んでいる。
また、MSGは世界でも有数のアリーナとして知られ、NBAに限らず、興行のチケット代は高価になる傾向がある。そこにニューヨークという市場そのものが高所得者層と観光需要を抱えていることも上乗せされ、実際にイースタンカンファレンス準決勝の第3戦でも、平均再販価格は1956ドル(約31万円)となっていた。
熱狂的なニックスファンで知られる映画監督のスパイク・リー[写真]=Getty Images
『Forbes』は、今年のNBAファイナルの金額がどれほどのものか、強烈な比較例を挙げている。最も安い第4戦の3728ドルは、マンハッタンのワンルーム平均月額家賃3374ドル(約54万円)を上回り、第6戦のチケット代であれば、2024年の米国平均婚約指輪価格5200ドル(約83万円)の大部分を賄えると指摘。米国の平均住宅ローン支払い2329ドル(約37万円)や、新車ローン平均748ドル(約12万円)と並べても、常識的な月次支出を軽く超えているのだ。
スパーズの本拠地初戦と、ニックスの本拠地初戦のチケット価格差は約50万円。もし同じNBAファイナルの観戦でも、サンアントニオであれば、4つ星の高級ホテルに宿泊し、ワインディナーとヘリコプターでの上空ツアーを組み込んでもお釣りが来る。
◆■日本から現地観戦に行くなら…
では、日本から観に行く場合はいくら必要か。
第3戦をMSGで観戦するために、5泊7日のツアーを組むと過程した場合、ニューヨークまでの直行便が往復で約35万円、MSG周辺の3つ星ホテルが最安値で1泊約1万5000円、空港からマンハッタンまでのタクシー代が往復で約3万円。ここに第3戦のチケット代約68万円が上乗せされると、総額は110万円(5泊想定)を超える。
だが、2025年のニューヨークの平均ホテル宿泊料は1泊300ドル(約5万円)以上とされており、1日の食事代も旅客の場合は切り詰めても1日1万円は見越しておきたい。すなわち、観戦旅行を満喫するのであれば、最安値の座席でさえ150万円前後の用意が必要になるのだ。
NBAファイナルでもMSGは熱狂の渦となるか[写真]=Getty Images
なお、MSGでのファイナル第3戦、ニックスベンチ裏の座席の現在の販売価格は1席10万7599ドル(約1716万円)となっている。ニックスのファイナル復帰は、単なるお祭りや贅沢の域を遥かに凌駕している。
文=Meiji
【動画】1999年当時の映像…ニックスの伝説的優勝シーン
