羽月氏は配信で「仲間だと思っていた人から逮捕後に連絡はなかった」と明かした(羽月氏のXより)

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指定薬物「エトミデート」(通称「ゾンビタバコ」)の使用により医薬品医療機器法違反の罪に問われ、拘禁刑1年・執行猶予3年の有罪判決を受けた元広島東洋カープの羽月隆太郎(はづき・りゅうたろう)氏(26)が5月28日、TikTokで生配信を行った。

配信で羽月氏は、チーム内で自身を含む6人が同一人物から「ゾンビタバコ」を入手していたと明かし、飲めない酒を飲まされるなど「パワハラ」とも受け止められる行為があったとも語った。

「6人が同じ人物から購入していました」

羽月氏はプロ7年目の2025年に打率.295、チーム最多の17盗塁を記録するなど好成績を残していた。

しかし、春季キャンプ直前の今年1月27日に逮捕。翌日に球団から「野球活動停止」の処分を受け、2月17日に起訴された。同24日には球団が「契約解除」を発表している。

そして5月28日の生配信で、羽月氏はチーム内の薬物入手について踏み込んだ。

「この人物と関わりがあったカープ選手についてですが、私を含め6人が同じ人物から購入していました」(羽月氏)

自身のほかに5人の選手が同一人物から入手していたと述べたものの、具体的な名前は明らかにしなかった。

SNSでは「実名を公表してほしかった」の声も…

羽月氏は逮捕された当初、容疑を否認していた。だが、その後は供述を一転させ、5月15日の公判では「周囲に吸っているカープ選手がいました」と証言していたという。

否認した理由について、羽月氏は配信で次のように説明した。

「最初は自分1人で背負おうと考えていました。宮崎でのキャンプが始まるまで、私が使用した経緯やそれを使用する他の選手について話をしなければ、警察がキャンプに行って、他の選手に捜査を行うまでの時間を稼ぐことができるだろうと思っていたのです」(羽月氏)

同僚を守るための否認だったとの趣旨だが、「仲間だと思っていた人たちから逮捕後に連絡はなかった」とも吐露。こうした配信に対し、SNS上では「いっそ実名を公表してほしかった」「名前が出せない時点で信憑性は0」といった声があがっている。

選手らの薬物購入やパワハラ行為を不特定多数に向けて述べた羽月氏の配信内容は、刑法230条が定める名誉毀損罪の構成要件との関係が問題となりうる。「構成要件」とは、犯罪が成立するための原則的な条件をいう。

名誉毀損罪は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者」を3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すと規定する。

「公然と」とは、不特定または多数の人へ情報が伝わりうる状態を指す。「事実の摘示」は、真偽を証拠で確認できる具体的な事柄を示す行為であり、「バカ」などの主観的な評価は含まれない。「名誉」は世間の評価や名声といった社会的評価を意味し、本人のプライドなどの感情は対象外とされる。

注目されるのは、氏名を明示しなくても、第三者が前後の文脈から対象者を特定できる場合には成立しうる点だ。さらに名誉毀損罪は、摘示した内容が真実か否かにかかわらず成立しうる。

民事上のリスクも

一方で、刑法230条の2は、構成要件を満たしても処罰されない特例を定めている。違法性が阻却(排除)されて犯罪が不成立となるには、(1)公共の利害に関する事実であること(公共性)、(2)目的が専ら公益を図ることにあること(公益目的)、(3)真実であることの証明があること(真実性)――の3要件をすべて満たす必要がある。

刑事責任とは別に、民事上の責任を問われる可能性も残る。

名誉毀損は、民法709条が定める不法行為にあたりうるためだ。仮に名前を直接挙げていなくとも、第三者が対象者を特定できる程度の情報が含まれていれば、損害賠償を求められるリスクは消えない。

羽月氏は28日の配信後、自身のXを更新した。

「本日は、多くの方にご視聴いただきありがとうございました。今回の件で、ご迷惑ご心配をおかけした全ての方々に、改めて深くお詫び申し上げます」とつづったうえで、「明日も同アカウントにて配信する予定です」と予告している。羽月氏が今後何を語るのか、注目される。