「令和ロマンの元担当」灘・東大卒のエリートが吉本興業を選んだ“意外な理由”「労働への嫌悪が…」
――勉強漬けの日々にストレスはなかったのですか?
駒井:そもそも小学校の時から県内で越境通学をしていたので、ずっと地元の友達がいなかったんですよ。中学もその延長って感じだったので、特に不満はなかったです。でも、中3になって学校行事に参加するのが楽しくなってきて、高校に入ってからは文化祭実行委員をやったりしていました。中2までのコツコツ勉強した分の貯金を切り崩しつつ、成績は緩やかに下がっていって……そのまま高校3年まで逃げきった感じです(笑)。
駒井:高校に入ってからなので、周りの同級生に比べるとかなり遅かったはずです。昔から見本になるきょうだいがいなかったせいか、「数年後こうなる」とイメージするのがヘタだったんですよね。でも、自分の成績だったら、京大か東大は行けるかな〜とは思っていました。実家はあまりお金があるとはいえなかったけど、僕は一人っ子だから、きっと親は出してくれるはず! それなら、せっかくなら東大に行っておこう! みたいな感覚でした。
――東大ではどんな勉強をしていたのですか?
駒井:1、2年は文科1類で法学系を学んでいました。これも特に確固たる目標があったわけではなくて、文系の中では賢いとされているところだし、せっかくなら行っておこう理論です(笑)。3年生からは教養学部を専攻していました。
◆「労働への嫌悪が…」東大生が吉本興業を選んだワケ
――卒業後は吉本興業に就職。なぜ吉本を選んだのでしょうか。
駒井:僕は「あの企業に行きたい」という希望が何もなかったんです。かといって大学院に行ってまでまだ勉強したいとも思えなかった。少人数の学部を選んでしまったがために周りからの情報も何もなくて……。辛うじて3年生の時にインターンというものがあることを知って、「ちょっと向いているかも」と思ったコンサルティング会社のインターンに行ってみたんですよ。でも、これがまったく面白くなかったんです。
――コンサルの仕事に興味が持てなかったのでしょうか?
駒井:というよりも、労働そのものへの嫌悪が……。たぶん向いてはいたけど、やりたくない。コンサルが嫌なのではなく、あの時は単純に働きたくなさすぎた!(笑)。
――本末転倒じゃないですか(笑)。
駒井:もしもその時に吉本のインターンに行っていたら、入社しなかったかもしれないです(笑)。
――それ以降はどんな就職活動をしたのですか?
駒井:僕はビールが好きだからビール業界に行こうと考えたのですが、好きな銘柄の会社以外は受けませんでした。鉄道も好きだけど、好きな鉄道会社しか……。こういう感じの就活だったので、大人に甘さを見抜かれて、受けたところは全部落ちてしまいました(笑)。そんな中で後輩から「お笑い好きなら吉本を受けたらいいのでは?」と言われたんですよ。考えたこともなかったけど、それはアリだなと思ったんです。「東大から吉本って、普通ないやろ。面白いやん!」って。そういう意味では、吉本は第一志望だったんですよね。
――そして見事、吉本に入社となったわけですね。
駒井:ちなみに、僕が他社に落ちまくって後がなくなっていた時、吉本はまだ一次も始まってなかったんですよ。ちょうどコロナ禍でいろいろと混乱していたらしいです。第一志望の吉本だけ可能性があるという奇跡的な状態(笑)。なんとか無職で卒業するのを回避できました。
<取材・文&撮影/もちづき千代子>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama

