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投資信託選びに迷った際、「ランキングを参考にする」のは有効な手です。しかし、「人気商品だから」と安易に購入するのは要注意。実は、投資信託には持っているだけで引かれ続ける「信託報酬」があり、たった数%の違いで「推しのライブS席」や「海外旅行」に行けるほどの差額が消えてしまうのです。本記事では横川楓氏の著書『散財さんのお金の増やし方』(三笠書房)より一部を抜粋・編集し、投資信託を選ぶ基準となるポイントを解説します。

「S&P500かオルカンか」だけじゃない…「投資信託ランキング」も参考に

今の日本では「S&P500かオルカンのどちらか」といった風潮が強いのですが、絶対にその二つのうちのどちらかでなければいけないわけではありません。ただそう言うと、今度は一気に「何を買えばいいかわからない」と悩みますよね。

そこで、どんな投資信託がいいかを見るには「投資信託ランキング」が参考になります。

いろいろな媒体がランキングを公表していますが、ここでは参考として、投資熱が非常に高まっていた「2025年2月」頃の売れ筋ランキングを見てみましょう。

[図表1]投資信託売れ筋ランキング 出典:みんかぶ売れ筋ランキング

毎月3万円が「3,660万円」に!? 雪だるま式に増える〈複利〉の仕組み

表の中に「利回り」という言葉がありますが、これは要するに「投資したお金が1年間でどれくらい増えたか」という成績表のようなものです。

銀行の預金金利が「0.2%」前後と言われている時代に、表の中には「30%」や「40%」なんていうとんでもない数字が並んでいますよね。

100万円預けていたら、銀行なら千数百円しか増えないのに、投資信託なら30万〜40万円も増えた計算になります。
ただし、この数字はあくまで「直近の成績」です。投資の世界は値動きが激しいので、来年は下がるかもしれません。一般的には「年5〜7%」くらいあれば御の字だと言われています。

それでも、銀行に眠らせておくよりはずっと期待できますし、さらに投資には「複利」という最強の味方がいます。
複利とは、「増えた利益が、さらに利益を生んで雪だるま式に増えていく」仕組みのことです。

たとえば、あなたが100万円を年10%の利回りで運用できたとしましょう。すると、1年目は110万円になります。

では2年目は? 120万円ではありません。利益を含めた「110万円」の10%なので、「121万円」となるのです。この複利の力は、年数を追うごとに効果を発揮します。

たとえば、「毎月3万円、利回り7%の投資信託に投資する」場合のシミュレーションを考えてみましょう。

まず、もし毎月3万円を、投資に回さず現金のままコツコツ貯金し続けた場合、10年続ければ360万円、20年続ければ720万円、30年続ければ1,080万円です。

それが、利回り7%の投資信託を毎月3万円分買い続けた場合、10年で519万円、20年で1,563万円、30年で3,660万円になります! すごい差ですよね……!

それに、「毎月3万円」であれば、投資に回せる人もそれなりにいると思います。30歳から30年間毎月3万円を投資する。もうこれだけで、老後の資産が確保できちゃうかもしれません。

早く始めれば始めるほど、複利の効果が期待できます。ちなみに私自身も、大学生のころから投資を始めています。

「推しのライブS席に行けたのに…」甘く見ると痛い目を見る〈手数料〉

「じゃあ、ランキングの中で一番利回りが高いやつを買えばいいじゃん!」と思いますよね。でも、そうとも限りません。

表の右端の「信託報酬」を見てください。これは要するに「手数料」のことです。「報酬」と書いてあるので「お金がもらえるのかな?」と思うかもしれませんが、逆です。運用してくれるプロに対して、私たちが支払う「報酬」、つまり「利用料」のことなんです。

「えっ、投資するのに手数料がかかるの?」と驚いた人もいるかもしれません。

銀行にお金を預けても手数料なんて取られませんが、投資信託は「プロやシステムに運用を代行してもらう」サービスなので、持っている間はずーっと、毎日チャリンチャリンと手数料が引かれ続けるんです。

では、どのくらい手数料が引かれるのでしょうか?

ここで、ランキング表に戻って、王道の1位・2位(信託報酬が0.1%以下)と、3位以下(信託報酬が約2%)を比べてみましょう。

「たった2%程度の違い」と思うかもしれませんが、これを甘く見ると痛い目を見ます。

たとえば、あなたががんばって投資を続けて、資産が「100万円」になったとしましょう。手数料「0.1%」の場合、年間にかかるコストは、わずか1,000円です。ランチ1回分ですね。

一方で、手数料「2.0%」の場合、年間にかかるコストは2万円! その差、1年で1万9,000円です。

1万9,000円あれば何ができるでしょうか? 好きなアーティストのライブのS席チケットが買えるかもしれませんね。欲しかったブランドの洋服も買えるかもしれません。それが、ただ商品選びが違ったというだけで、何もせずに消えてしまうのです。

しかも投資は20年、30年と続くもの。資産が300万円、500万円と増えていけば、この差額もどんどん広がって、何十万円という、海外旅行に行けるくらいの差になってしまいます。

横川 楓

経営学修士(MBA)/ファイナンシャルプランナー(AFP)

やさしいお金の専門家

推し活経済評論家