マンションの管理費と修繕積立金で「月4万6000円」に…年金生活で払い続けられますか? 売却も検討すべきでしょうか?
管理費・修繕積立金「月4万6000円」は高い? 最新データから見るマンション維持費の現実
マンションに住み続ける限り、住宅ローンの完済後も発生し続けるのが「管理費」と「修繕積立金」です。今回の月額4万6000円という水準は、現在のマンションにおける一般的な維持費と比較すると、負担が大きい部類に該当する可能性があります。
国土交通省が公表している「令和5年度マンション総合調査」の結果によると、1戸あたりの月々の修繕積立金の平均は1万3378円、管理費の平均は1万7103円です。
この平均値と比較すると、月4万6000円という金額は平均の約1.5倍に相当します。特に、総戸数が少ないマンションや共用施設が充実している物件などでは、維持管理にかかる費用が分散されにくく、1戸あたりの負担額が大きくなる傾向が見られます。
まずは、ご自身の住んでいる物件の維持費が、地域の相場や築年数などに対して適正かどうかを客観的に把握することが第一歩です。
年金生活で「月5万円弱」の固定費は赤字のリスク大! 老後の平均的な家計収支を確認
年金生活の中、住居費だけで毎月5万円近い支出がある状況は、老後の家計にとって大きなリスクといえます。
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における実収入は月平均25万4395円、消費支出は月平均26万3979円となっており、非消費支出も合わせると、平均的な世帯でもすでに毎月4万2434円の不足が生じています。
もし、ここから管理費・修繕積立金として4万6000円を差し引くと、食費や光熱費、医療費などに回せるお金は大幅に制限されるでしょう。月額4万6000円の維持費を継続して負担するためには、一定の貯蓄余力や安定した収入が求められます。
これらの条件が十分でない場合には、他の生活費を圧迫し、生活水準に影響が及ぶ可能性もあるため、慎重に検討する必要があるといえるでしょう。
「修繕積立金」はさらに上がる可能性も? 限界を感じる前に「売却」を検討すべき3つの判断基準
注意したいのは、現在の「月4万6000円」が上限ではないかもしれないという点です。年数経過とともに積立金を段階的に値上げする「段階増額積立方式」を採用している場合や、建築資材の高騰、人手不足の影響などにより、今後も積立金が上がる可能性があります。
以下の3つの基準に当てはまる場合は、早めの売却を検討すべきタイミングと考えられます。
(1)修繕積立金のさらなる値上げが予定されている。
(2)建物の老朽化が進み、バリアフリー対応が不十分である。
(3)今売れば住み替え費用を確保できる。
管理費や修繕積立金が相場より高い水準にある物件は、買い手にとっても負担感が大きく敬遠されることが多いため、売却価格を押し下げざるを得ないリスクや、売却に時間がかかるリスクがあります。そのため、「高すぎて払えない」といった限界に達してから売却を検討しても、希望する価格で売却できない可能性があるのです。
「住み続ける」か「手放す」か。納得のいく老後の住まい選びで、安心のセカンドライフを
管理費・修繕積立金が月4万6000円となる場合、年金生活においては家計に継続的な負担を与える要因となる可能性があります。まずは、自宅がいくらで売れるのか、正確な市場価値を確認してみましょう。
仮に一定の売却益が見込める場合には、維持費の抑えられる中古マンションへの住み替えや、利便性の高い賃貸住宅への移行など、住居費を見直す選択肢も検討できます。これにより、固定費をコントロールしながら生活の安定性を高めることが可能となるでしょう。
重要なのは、過度に支出を切り詰めることではなく、現在の資産を踏まえて無理のない生活設計を行うことです。早い段階で選択肢を整理し、将来の見通しを立てておくことが、安心した老後につながると考えられます。
出典
国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要 別紙2 3.調査結果概要 (2)マンション管理の状況、(3)建物・設備の維持管理の状況(3~5ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2025年-(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
