“世帯年収650万円”で住宅ローン「4500万円」を借入! 住宅ローン控除で「24万5000円減税」と思ってたら、実際は“16万円ほど”でショック…「全額使い切れなかった理由」とは?
住宅ローン控除が目減りするのはどんな時?
住宅ローン控除の控除額は、年末時点の住宅ローン残高に、一定の控除率を乗じて算出されます。現在の控除率は0.7%で、住宅の性能区分ごとに控除対象となる上限額が決まります。主な住宅区分と上限額は以下の通りです。(新築の場合、子育て世帯・若者夫婦世帯を除く)
控除額は所得税から差し引かれ、控除額が所得税額を上回る場合は、差額が住民税から差し引かれます。住民税から控除できる上限額には決まりがあり、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(上限9万7500円)までです。
このようなルールのため、所得税額が少なく、住民税からの控除額の上限を超えてしまう場合に、住宅ローン控除を全額使えなくなるケースが発生します。
注意したいケースの1つが、収入合算で住宅ローンを借り入れる場合です。収入合算には複数の形があり、契約形態によっては住宅ローン控除を受けられる人が異なります。
例えば、主債務者のみが債務者となる形では、住宅ローン控除を利用できるのは主債務者のみです。夫婦の収入を合算して審査を通した借入額の割には、ローン契約者の所得税額が小さくなりがちなため、注意が必要といえます。
どれくらい住宅ローン控除が目減りする?
実際に住宅ローン控除を使い切れなくなるケースを具体的に試算してみましょう。試算条件は次の通りです。
・夫の年収:450万円
・妻の年収:200万円(配偶者控除なし)
・給与所得控除:134万円
・社会保険料控除:67万5000円(年収の15%と仮定)
・基礎控除:88万円
・住宅性能:ZEH水準住宅
・住宅ローン控除額:24万5000円(ZEH水準住宅上限の3500万円×0.7%)
これらを前提に計算すると、課税所得は160万5000円、所得税は8万250円です。次に住民税からの控除上限額について試算します。前年分の所得税の課税総所得金額等も変わらず約160万5000円だったと仮定すると、5%相当額である8万250円が、住民税から控除できる上限額です。
所得税8万250円と住民税からの控除額8万250円を合計すると、16万500円が実際に控除できる金額となり、住宅ローン控除額24万5000円との差額、8万4500円が控除しきれなくなります。
実際の住宅ローン控除額を把握して資金計画を立てよう
住宅ローン控除は、年末残高に応じて算出されますが、所得税と住民税の金額によっては全額を控除できない場合があります。例えば、夫婦で収入合算を利用して住宅ローンを組む場合でも、契約の組み方によって住宅ローン控除の対象者は異なります。
例えば、主債務者だけが債務を負うケースでは、住宅ローン控除を受けられるのは主債務者に限られるため、控除額を全額使い切れないことがあります。今回のケースでは、理論上の控除額24万5000円に対し、実際に使えたのは16万500円となり、差額8万4500円が目減りする計算となりました。
住宅ローン控除の仕組みを正しく理解して、実際の控除額をふまえて資金計画を立てることが大切です。
出典
国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士
