日本ツアー優勝経験者のスカパンが単独首位発進を切った(撮影:鈴木祥)

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<台湾ホンハイレディース 初日◇12日◇ザ・オリエントゴルフ&カントリークラブ(台湾)◇6720ヤード・パー72>通なゴルフファンのなかにはヌック・スカパンという名前を憶えている方も多いのではないだろうか? かつて、日本ツアーでもプレーしていたタイの28歳だ。2019年には下部のステップ・アップ・ツアーで年間4勝を挙げ、賞金ランク1位に輝いた経験も持つ。その選手が、108人中アンダーパーがわずかに5人というタフなコースで躍動した。

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「ショット、パット、すべてが良かったわ。特にキャディとのコミュニケーションがうまくいって、言われた通りのプレーができた」。2位の金澤志奈に2打差をつける7アンダーの単独首位という結果とあって、その表情は満足そう。会心だったのが、後半の12番パー4。ピンまで残り150ヤードからの2打目を7番アイアンで打つと、それがそのままカップインするショットインイーグルを記録した。「So Happy! Amazing! Unbelievable!」。ビッグプレーに感嘆の声が止まらない。スカパンは18年から日本ツアーに参戦。最後に日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の試合に出場したのは、コロナ禍で統合された20-21年シーズンの「ゴルフ5レディス」(21年9月)だ。21年の最終プロテストでは最終ラウンド途中に首痛のため棄権。原則として正会員以外はQTを受けられないため、JLPGAの出場資格獲得はかなわず。この時のことは「コロナも影響した。そのころは何もうまくいかなかった」と振り返る。そして、日本を離れた。新天地に選んだのが、台湾ツアーだった。今年が3年目のシーズンで、この試合にも台湾ツアーのシード選手として出場している。現地の生活にも慣れ、「とても楽しい! タイの選手もたくさんいるし、一緒に外食をして過ごしたり、楽しんでいる」と、笑顔も弾ける。ただ、今でも“日本ツアー復帰”も熱望している。今回はJLPGAとの共催で、優勝すれば日本ツアーメンバー資格も付与されるため、大きなチャンスになる。「日本の食事が恋しいわ。好きなものは多いけど…特にうなぎが大好き」と話す親日家にとって、その権利は大きなモチベーションになっている。初日は頭ひとつ抜け出したが、強風が吹き、傾斜の強いグリーンが並ぶコースで油断は大敵。それは重々承知している。「この大会に出て3年目だけど、最近2年間はオーバーパーで終わっている。毎日、アンダーパーが出せれば最高よ」。“ご褒美”はその先に待っている。台湾での漢字表記は『布薩巴甘』 。日本勢に負けるわけにはいかない理由がある。(文・間宮輝憲)
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