パワーユニットは名機の予感!プジョー3008GTハイブリッド【日本版編集長コラム#69】
EV版も導入され結果的にタイムリー
前回レポートしたシトロエン・ベルランゴからの乗り換えたのは、『プジョー3008GTハイブリッド・アルカンターラ・パッケージ』である。
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車名のとおり1.2L直列3気筒ターボ+モーターのマイルドハイブリッドだが、2月12日にEV版『E-3008』の日本導入も発表され、結果的にタイムリーな話になった。ハイブリッドが日本導入されたのは昨年7月で、その際も様々な形でレポートしたが、残念ながら個人的には試乗できていなかった。

取材車のプジョー3008GTハイブリッド・アルカンターラ・パッケージ。 平井大介
2列シートの『3008』と3列シートの『5008』は、現在プジョーのフラッグシップにあたる。先代よりもサイズはひと回りもふた回りも大きくなっており、比較すると実車の印象は『かなり成長したなぁ』というものだ。参考までに全長4565mm、全幅1895mm、全高1665mmとなる。
しかし、プジョーは昔から小さなエンジンと大きなボディを組み合わせてきたイメージがあるので、個人的に違和感はない。また、乗り込んでみるとコクピットは意外とタイトで、座った感じは先代を思い出させるものだ。
ステアリングが小さくメーター位置の高いプジョー特有の『iコクピット』は、周囲で好き嫌いが分かれているが、個人的にはしっくり来るので、これだけでプジョーを選ぶ理由になると思っている。
ひとつだけ気になるのは、メーターのグラフィックが手前と奥の二重になっていること。これを意識すると少し酔いそうで、なるべくその存在を忘れるように走ることにした。
まさにプジョーの面目躍如
そんな小径のステアリングは相変わらず操作がしやすく、こんな大きなボディでもコーナーで想像以上に鼻先がキレイに入っていくのが美点。足まわりもよく粘り、まさにプジョーの面目躍如である。
車重は1620kgと決して軽くないが、重そうで重くなく、排気量のわりに軽快に走る印象だ。いい意味で速度感が少なく、高速道路での走行は安定感がある。シートの座り心地もよく、長距離移動は得意と断言できる。

プジョーのiコクピットは、小径ステアリングと高い位置のメーターが特徴。 平井大介
しかしながら、プジョーとシトロエンで奇想天外なデザインと言えば後者と相場が決まっていたが、現代のプジョーもなかなかに個性的。ライオンの爪をイメージさせるデイライトや室内の素材感は、ストレートに書けば好きな部分だ。
ドライブモードによりテーマカラーが変わる室内のイルミネーションも好印象で、気になるのは、なぜかアップル・カープレイの画面で文字の大きさが小さいこと。近くを見る時だけ老眼鏡を使用する筆者の視力では、夜間の視認性に難ありであった。
あとは、リアワイパーが装着されないのも気になった。テールラインはだいぶ傾斜しているので必要ないという考えだろうが、長い目で見ると惜しい気もする。
クルマに鞭を入れてもタフに走る
さて、1.2Lとなるガソリンターボエンジンだが、マイルドハイブリッドということで、16kWのモーターを組み合わせる。
駆動用バッテリーは48V/897.9Whで、システム合計最高出力は107kW(145ps)。トランスミッションは6速デュアルクラッチオートマチックで、燃費は19.4km/L(WLTC モード)を記録する。今回は高速道路を中心に走行したが、燃料が半分くらいで航続可能距離は490kmを示し、満タンにしたところ890kmまで上昇した。

ボディカラーはインガロ・ブルーで、価格はオプション別で558万円。 平井大介
パワー感はちょうどよく、クルマに鞭を入れても、タフに走ってくれる印象だ。EVモードもあるが、全体的に静かなこともあり、エンジンとモーターの切り替わりを意識せず自然体で乗ることができる。いい意味で、ハイブリッド感が少ないのだ。
ただ、ダウンサイジングターボ特有の癖として、トルクが落ち込んだ時からの立ち上がりでもたつきを感じる場面はあった。もちろんそれをモーターでカバーしているのと、このエンジン自体もミラーサイクル化など、昔に比べれば進化を重ねている。
『昔』とわざわざ書いたのは、個人的にこのエンジンに好印象を抱いてきたからだ。例えば、まだシトロエン名義であった頃のDS3はスムーズさとパワー感ゆえに、エンジンだけで欲しくなる理由になるほど、いいパワーユニットだなぁと思ってきた。
それがハイブリッドとなったことで弱点がカバーされ、前回シトロエン・ベルランゴで触れたディーゼルと共に、いよいよ名機と呼ぶに相応しい気がしている。……そう考えると、同じパワーユニットを搭載する他のプジョーも気になるではないか。
というわけで、この話は次回に続きます。
