高市首相はタブー「宗教法人への課税」に着手できるか 創価学会が震え上がる「強烈カウンターパンチ」
夏前のタイミングで
高市早苗首相は9日、自民党総裁として記者会見した。自民党と日本維新の会で合計352議席を獲得した民意を背景に「責任ある積極財政」や安全保障政策の抜本的強化といった重要な政策転換を進めていく考えを示した。主要政党がそろって訴え、国民生活によりダイレクトな形でインパクトがありそうな消費税減税については「国民会議」でスケジュールや財源などの課題の検討を進めていくとした。当然、財源に注目が集まるが、一部で秘策がうごめき始めたとの声も聞こえてきた。
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その秘策、創価学会はじめ宗教法人が震え上がるものだというのだが――。

自民と維新は衆院選の公約に「食料品を2年間に限って消費税の対象としないことについて検討を加速する」と記した。
「9日の会見で高市氏は、国民会議で検討を進めて少なくとも夏前には中間取りまとめを行いたいと述べました。財源については、特例公債の発行に頼らず補助金や租税特別措置の見直し、税外収入などによって確保する旨、説明しました」
と、政治部デスク。
低所得者より高所得者に
「国政選挙で各政党がポピュリズムに走り勝ちなのは古今東西を問いません。直近の例外として思い浮かぶのは2010年7月の参院選で、当時の菅直人首相は消費税率を10%へ引き上げる方針を唐突に打ち出して臨んだことくらいでしょうか。国民の強い反発を招いて民主党は大敗しました」(同)
今回の衆院選で主要政党は軒並み消費税減税を主張した。
「課題はかなり多いですね。食料品の税率をゼロにした場合に税率10%の外食産業へのダメージは大きいでしょうし、低所得者より可処分所得の多い高所得者によりメリットが大きいのも事実。減税期間を過ぎた後に再引き上げする際、それは“増税”とみなされるので猛反発は必至ですから国民に負担をお願いしづらくなる
でしょう。そして財源をどうするのか……。中でも財源の確保はなかなか大変と見られています」(同)
高市氏の経済指南役は税収の自然増でまかなえると見ているようだが……。
年に約5兆円
仮に食料品の税率をゼロとした場合、年に約5兆円の税収減が見込まれる。2年なら約10兆円で、その代替を見つけてくることができなければ財政悪化への警戒感が高まって債券市場で金利が上昇することにつながりかねない。実際、1月には指標となる10年物国債の利回りが一時 2.3%台まで上昇。これは1999年以来の水準だった。
金利が上昇すれば当然、国債の利払い負担が増大する。財務省は2026年度予算案で国債の利払い費算出に用いる「想定金利」を前年度の2.0%から3.0%へ引き上げた。国債の利払い費と元本償還費を合わせた国債費の支出が国家予算に重くのしかかり、借金だらけの財政をより逼迫させることになる。
「住宅ローンの固定金利や企業の借入金利の押し上げにもつながりますから、財務省はもちろん自民党内にも慎重派は少なくなく、高市氏が衆院選で圧勝したからといって強引に進められるテーマではなさそうです。“私は何としてでもやりたいんだけど……”と首相としての立場とは別に個人的な思いを吐露するあたり、自信のなさの表れだと見られてもいるのです」(同)
永田町で出回っている
「そうは言っても手をこまねいているわけには行かず、党内と連立を組む維新との間で合意形成を図り、野党各党とも意見をすり合わせる必要があります。そこでも財源は大きなハードルとなりそうですが、ちょうど良い額の財源があるという話が永田町で出回っています。宗教法人への課税です」(同)
現在、宗教法人への課税は法人税、固定資産税などが免除されている。お布施や寄付に税金はかかっていない。
「仮にすべての宗教団体に対して“課税免除を解除”した場合、年に4〜5兆円の税収が見込めるとの試算があるそうです。確かに今回の“食料品の税率ゼロ”を埋められそうな金額ではあります」(同)
降ってわいたように見えるこの財源論だが……。
「どうしてこの話が出てきたのか。公明党が連立離脱し、立憲民主党と中道改革連合を結成して衆院選を戦ったという事実が大きいのです。高市氏は自民党総裁に選ばれた直後に公明に去られ、首相になれないかもしれないという重圧としばらくの間、戦うことになりました。そのことを苦々しく思っているのは間違いありません」(同)
電撃解散の背景にも
これまで公明が政権与党の一員だったため手を突っ込むことはできなかったが、敵として戦った後となれば、正面から堂々と宗教法人への課税問題に手を突っ込めるというわけだ。
「今回の衆院選で高市氏は自維の与党で過半数を勝敗ラインに据えましたが、自民で単独過半数というのが“裏テーマ”でした。電撃解散を決意させた背景には公明の連立離脱があり、不安定な政権運営を強いられたことへの意趣返しをどこかで……と考えても不思議ではないという見立てですね。加えて、麻生太郎副総裁や木原稔官房長官ら高市氏をかたわらで支える幹部は創価学会との関係をこれまで重視してこなかった人たちです。“課税免除を解除”にブレーキを踏むことは想像しづらいですね」(同)
宗教法人は、述べてきたような税制上の優遇措置や資産管理の面から節税の「隠れみの」として富裕層や超富裕層に利用される事例が指摘されている。マネーロンダリングや反社会的勢力の関与が取りざたされる事案も存在する。問題が多いことからも、財源づくりのための宗教法人課税は一定数の国民から支持や賛同を得られそうではある。
タブー扱いだった
もっともその一方、自民党にも長年、石原慎太郎氏を支援してきた霊友会や、かつては強固に支持してくれた立正佼成会など関係を深めた宗教法人が存在する。とりわけ自民と親和性の高い政治団体「神道政治連盟」のおおもとには宗教法人「神社本庁」も控えており、そこまで踏み込むことはできないのではないかとの見方もあるようだ。
ちなみに宗教法人と言えば、ついでながら忘れてはならない問題もある。選挙前に報じられた通り、高市氏自身にもまた、活動実態のない地元奈良の”謎の宗教法人”から3000万円もの多額の献金を受け取っていた”違法献金疑惑”が浮上していたのは記憶に新しい。
これまでタブーに近い扱いだった宗教法人への課税に「手を突っ込む」ことになれば、大きな摩擦が生じる可能性は高いが、歴史的大勝を力に着手することができるだろうか。
デイリー新潮編集部
