Image: NASA

シャトル時代のエンジンで再び月へ!

NASAは、アポロ計画以来となる月への有人飛行に向けて、完全使い切り型のロケットの打ち上げ準備を現在進めています。今回のロケットには、過去のNASAのミッションで使用された3基のロケットエンジンが使われているということです。

NASAは1月17日に組み上げが完了したロケット、スペース・ローンチ・システム「SLS」をケネディ宇宙センターの発射台へ移動させています。NASAは、早ければ来週2月6日にアルテミスIIを打ち上げる予定です。半世紀以上ぶりに宇宙飛行士が月周辺へと向かうことになります。

過去の功績を載せて

重量約2610トンのSLSには、4基のRS-25エンジンが搭載されています。そのうち3基は改良されたスペースシャトルの主エンジンで、残り1基は今回が初打ち上げとなります。これらのエンジンは、L3ハリス・テクノロジーズのエアロジェット・ロケットダイン部門が、1981年から2011年まで続いたNASAのシャトル計画のために製造したもの。各エンジンはすでに過去のシャトル計画で活躍していて、今回はNASAの新たな月への一歩を支えることになります。

エンジンの歴史

アルテミスIIでSLSロケットを打ち上げる4基のRS-25エンジンには、1981年の最初のスペースシャトルミッションで飛行した部品が少なくとも1つ含まれているそうです。コロンビア号がおこなったSTS-1ミッションは、再利用型宇宙船として初めての軌道飛行で、2日間にわたってシャトルシステムの試験が行われ、成功を収めめたものでした。

Image: L3Harris

RS-25エンジン2047とE2047は、2011年7月の最後のスペースシャトルミッションを含む15回の宇宙飛行を経験しています。また2023年9月に、アルテミスII計画でSLSのコアステージへ取り付けられた最初のRS-25エンジンであることも確認されています。

一方、E2059は、フロリダ州ケープカナベラルにあるケネディ宇宙センターから、ミシシッピ州南部のステニス宇宙センターまで、約71130キロメートルを移動した15基のRS-25エンジンのうちの最後の1基でした。

E2059は、2007年と2008年に国際宇宙ステーションへの2回のミッション、そして2009年のハッブル宇宙望遠鏡改修ミッションを含む、3回の飛行でスペースシャトル・アトランティス号を支えました。

スペースシャトル主エンジン2061も、2010年に行われたエンデバー号のミッションで国際宇宙ステーションへトランクウィリティ・モジュールとキューポラを届ける際に使用されました。これは国際宇宙ステーションへの32回目のミッションでした。

改修されたこのエンジンは、その後、シャトル計画で最後から2番目のミッションにも参加し、さらにエンデバー号として25回目で最後となる飛行にも使用されました。その際の飛行では、アルファ磁気分光器とExPRESSロジスティクス・キャリアが国際宇宙ステーションに運ばれています。

再び飛ぶことになったエンジンたち

この3基のRS-25エンジンは合計すると、過去に22回のミッションで使われてきたことになります。2022年11月にアルテミスIを打ち上げ、続くアルテミスIIとIIIでも使用されるSLSブロック1は、コアステージに4基のRS-25エンジンと、2本の固体ロケットブースターを備えています。

NASAは、再使用されたRS-25エンジンについて、エアロジェット・ロケットダインと合計4件の契約を結んでおり、その後は改良型で新たに製造されたエンジンへ移行する予定だということです。

最後にひとつ補足を。今回のSLSは完全使い切り型のロケットであるため、4基のRS-25エンジンは打ち上げからおよそ10分後、大西洋の海底に落下することになり、これが最後の任務となります。少し切ない気持ちになりますね。

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