「クルマ壊れた! JAFに電話」は大型車は対応外だった! 大型トラックならではのレッカー事情とは

この記事をまとめると
■大型トラックを牽引するための車両は特別な車両となる
■大型レッカーは一般的なレッカー車では対応できないサイズや重量の車両も牽引可能だ
■トラックを牽引するときはシャフト抜きをする必要がある
大型トラックってどうやって牽引するの?
故障してしまった大型トラックを同じような大きさのレッカー車が牽引している光景を見たことがあるだろうか? ただでさえ全長が長い大型トラックを、さらに大きなレッカー車で牽引する姿は圧巻という表現がぴったりだ。そして、もちろんだが重量がハンパないトラックを牽引するレッカー車は、一般的なレッカー車とは違い、特別な車両となる。

まず、大型トラックが故障してしまった場合、どうすればいいのだろうか。クルマ関係で困ったときは一般社団法人 日本自動車連盟、つまりJAFのロードサービスを使って引っ張ってもらえばいいのでは? と思うかもしれないが、話はそんなに簡単ではない。
そもそもJAFの利用約款によると牽引してもらえるのは、「自動車検査証に記載された車両重量が3000?以下であり、かつ最大積載量 が2000?以下の自動車であること。上記に該当する車両であっても、車両の総重量が、3000?超えている場合は、JAFの装備能力の制限により次のロードサービス(パンク修理、落輪・落込み・スタック時の救援、車両のけん引・搬送)をご利用いただくことができません」とあるので、大型トラックは残念ながら牽引はしてもらえない。
ではどうするのか? そこで登場するのが大型レッカーというわけだ。大型レッカーは、大型車両を安全かつ効果的に運ぶために設計されており、その頑丈なフレームや強力なエンジンは、数十トンにも及ぶ重量を支える能力をもっているため、一般的なレッカー車では対応できないサイズや重量の車両も牽引することができる。

そのレッカー車にはいくつかの種類があるが、フラットベッド型と呼ばれるタイプは、車両全体を載せることができる平らな荷台をもつので、牽引というよりは車体ごと荷台に載せて運ぶといった感じだ。そしてもうひとつ、一般的な牽引ができるのがホイールリフト型と呼ばれるレッカー車だ。こちらはクルマの前輪(または後輪)をもち上げて運搬するスタイルとなる。
75トンまで対応可能な日本最大のモンスターレッカー車
大型レッカー車について解説していこう。よく目にするレッカー車はそれほど巨大な車両は牽引できないことは先述したが、大型レッカー車の場合、10トン以上の車両を牽引できるのが一般的でだが、なかには75トンまで牽引できるというバケモノ級のレッカー車も存在する。それがこちら。

※画像出典:https://yamaguchi-wrecker.co.jp/
株式会社ヤマグチレッカー公式ホームページより
画像のレッカー車は株式会社ヤマグチレッカーが開発・製造した、その名も「センチュリー1075/ニーブーム型 75トンレッカー車 スペック」だ。この車両は、これまで最大だった70トンを超えた日本最大の75トンレッカー車で、初のお披露目は「ジャパントラックショー2022」への出展だった。
さすが75トンを牽引できるだけあって、その姿も重厚感あふれるシルエットになっている。同社の公式ホームページには、このほかにも大型レッカー車の数々が紹介されているので、一度は覗いてみてほしい。

では最後にトラックの牽引ならではの「シャフト抜き」について触れておこう。
トラックを牽引するときシャフトを抜くのは、駆動系の保護とトランスミッションへの負担軽減が目的だ。
エンジンが停止している状態かつ、シャフトを抜かずに牽引してしまうと、本来は駆動している状態で力が伝達されている部分に無理な力がかかり、回転駆動系の部品に摩耗や過熱のリスクが生じるのだ。また、ミッションも同様に、本来の力伝達とは異なる方法で動かされることにより破損につながるため、シャフト抜きは非常に重要な作業といえる。

このシャフト抜きの必要がないケースとしては、後輪が駆動しない前輪駆動車の前輪だけをもち上げて牽引する場合は、後輪がフリーのためシャフト抜きは必要ない。

