フレンチ好きも大満足な格安ビストロなど、注目の12店〈大木淳夫の3月の新店アドレス〉
グルメ本編集長として数々の名店を訪れる大木淳夫さん。毎月たくさんの飲食店がオープンする中で、大木さんが「これは!」と思った新店をずらりと紹介します。
活用したくなる格安の本格ビストロと居心地が抜群のピッツェリアが誕生!
フレンチ好きも納得の格安ビストロ
まずワインの値段で驚いたのが3月21日、高田馬場にオープンしたビストロ「Ambre(アンブル)」です。グラスシャンパンが990円で白赤ともに880円から。ラックから選べるボトルも5,000円台が中心で、しかも余ったら持ち帰れます。食後酒だけで1ページのメニューがあるのも驚きでした。
西麻布などで20年以上の調理経験を持つというシェフの料理はカスレ、野菜のエチュベ、アッシパルマンティエなど、フレンチ好きにはたまらないメニューばかり。矢野オーナーソムリエは、目黒の人気店「ラ・メゾン・ダミ」の元店長だけに、内装に至るまでビストロのツボを心得ています。この地の名店「ラミティエ」に続き、健啖家を喜ばせるお店が誕生しました。

<店舗情報>
◆Ambre
住所 : 東京都新宿区高田馬場1-29-21 みかどビル 1F
TEL : 050-5595-9186
覚えておきたい中目黒のピッツェリア
3月1日、中目黒には「PIZZERIA IL VICOLO(ピッツェリア イル ヴィコロ)」がオープンしました。外食大手の株式会社HUGEが「RIGOLETTO SHORT HILLS(リゴレット ショート ヒルズ)」を業態変更。
薪窯で焼かれたピッツァは、加水率を高くしているので、食感が軽やか。定番の「マルゲリータ・ブッファラ」と4種のチーズをのせた「クレイジー・チーズ」をオーダーしましたが、1人で1枚は余裕で食べられます。ボトルワインは3,800円からで、2階建て一軒屋の広々とした空間。そしてHUGEの特徴であるサービスの良さも健在なので、覚えておいたほうがいいお店です。

<店舗情報>
◆PIZZERIA IL VICOLO
住所 : 東京都目黒区中目黒1-2-13
TEL : 03-6736-4330
人気エリアに誕生した注目の焼鳥店と懐かしさ満載の町中華
代々木上原に注目の焼鳥店が誕生
2月5日 、代々木上原に「焼鳥 弥栄(いやさか)」がオープンしました。一生懸命で感じのいい店主は神田「鳥のかけ橋」出身の平田洋介さん。修業先に近い東エリアで独立を考えていたものの、こちらの物件と出会い、グルメな人が多いエリアで勝負してみたいと出店を決意したそうです。
おまかせコースは6,200円ですが、さらに3,300円で焼き物4本のショートコースも。もちろん、後からアラカルトで好きな串を追加することができます。最初に頼んだ生ビールがおいしくて、これはいい店だと確信しましたが、焼鳥も高レベルでした。串によっては、炭火だけでなく薪火で香りづけも。骨を抜いた手羽先はジューシーだし、みそ漬けカマンベールの串はお酒にぴったり。
実は代々木上原には有名な焼鳥店があまり無く、値段もお手頃なので、気づかれると人気が出そうです。

<店舗情報>
◆焼鳥 弥栄
住所 : 東京都渋谷区上原1-34-10 志賀屋ビル 1F
TEL : 03-6407-9750
まるで昭和の町中華
元祖スターシェフであり、稀代の食いしん坊としても知られる「インフィニート ヒロ」山田宏巳シェフの「うまみの入った昔のラーメンが食えますよ〜」というSNSでの投稿に激しく引かれ。店名は書いていなかったものの、シェフのお店の近くということですぐにわかったのが1月25日、赤坂にオープンした中華「赤坂ランラン」です。
のれんからしてザ・町中華。カウンターとテーブルで、背もたれ無しの丸い椅子というのもいかにもな雰囲気。ラーメンは焼いたチャーシューを醤油で煮て、それをタレ、いわゆるかえしに使っているそうで、まさしく子どものころに食べていた味。野菜たっぷりの餃子、パラパラではない、しっとりとしたラード多めの炒飯など、昭和の味にこだわっていて、クセになりそうです。

<店舗情報>
◆赤坂ランラン
住所 : 東京都港区赤坂5-1-1 赤坂肥後のれんビル 1F
TEL : 不明の為情報お待ちしております
「味坊」が大手町に進出! 新宿には香港発のカジュアル点心がオープン
味坊集団の勢いは止まらない
3月3日、東西線大手町駅直結の丸の内永楽ビル内にオープンしたのは「味坊之家」です。中華とナチュラルワインという組み合わせで大ブレイクした、あの味坊集団の13店舗目。最初の店である神田「味坊」の開店から25年。総帥である梁宝璋さんの勢いは止まりません。
味坊の代名詞であるラムや干し豆腐、そして自社農場で採れた瑞々しい無農薬野菜を使ったおなじみのメニューはやはり魅力的。ビジネス街ということで、お酒と共に楽しめるようにと小皿で提供しているので、ぜひいろいろチャレンジしてみてください。ちなみに「茄子、ピーマンとじゃがいも炒め」は最高でした。

<店舗情報>
◆味坊之家
住所 : 東京都千代田区丸の内1-4-1 B1F
TEL : 不明の為情報お待ちしております
香港発の大人気点心
1月7日、新宿マルイ本館8階にオープンしたのは「DimDimSum(ディムディムサム)新宿マルイ本館店」です。香港発で韓国、台湾でも大人気だというカジュアルな点心を中心にしたお店で、日本では梅田に続いて2店目。
余裕のあるテーブル配置で、各種点心はもちろんローストダックなどの肉料理もあるので、昼、夜、さらに小腹の空いた午後や0次会などにもいいでしょう。麺類にはすっかり日本でも人気が定着した「海老雲吞麺」もあり、ワンタンには海老が2〜3尾入っています。そのプリプリ感と極細で独特な弾力のある香港麺の食感がたまりません。ちなみにお店の一押し名物は、豚の形の饅頭の鼻からクリームがトロッと出てくる「カスタード豚饅頭」です。

<店舗情報>
◆DimDimSum 新宿マルイ本館店
住所 : 東京都新宿区新宿3-30-13 新宿マルイ本館 8F
TEL : 03-6380-0728
思わずはしごしたくなる阿佐谷のバルとそば
和牛やジビエをカジュアルに
中央線沿線の中でも、昔からおいしいお店が揃う阿佐谷。そのスターロード商店街に面白いお店が2軒できました。
まずは2月1日オープンの「六燗(ろっかん)」。思わず引き込まれる木枠とガラス窓の外観の、和牛やジビエ、おばんざいとお酒をカジュアルに楽しめるバルです。
店主は長年、焼き肉店で修業してきたというだけあり、ハツのコンフィ、タンのグリル、ハラミのたたきなど肉メニューが充実。仕入れは方南町の有名な精肉店、川島食品から。さらに自店の真空パック器で鮮度を保っています。エゾ鹿の醤油麹焼きをいただきましたが、納得のおいしさでした。ワインも日本酒も120mlでグラス690円〜といううれしい値段。天井が高く、気持ちのいい店内で間違いなくお酒が進みます。

<店舗情報>
◆六燗
住所 : 東京都杉並区阿佐谷北2-3-5
TEL : 050-5595-6498
通いたくなる小粋なそば店
そしてすぐ近所に2月3日にオープンしたのが「SOBA」。老舗おでん屋「米久」があった場所の近くで月〜金の営業です。ちなみに土日は近所の「バル和」が「三代目 米久」として営業しています。
SOBAの店主は、戸越銀座で「炭火ホルモン焼のネバーランド」を経営していた澤田泰広さん。京都の進化系立ち食いそばとして有名な「suba」、明治神宮前の名店「玉笑」でも学んでいるだけに、メニューは極めて魅力的。前店の焼肉のタレで焼き、出汁で煮込んだ「牛焼き煮」はこちらならではで、抜群の酒肴です。「もりそば」にはそば本来の味も楽しんでほしいと、つけ汁だけでなく、オリジナルの「水塩」も。冷たいそばは玉笑、温そばはsubaのエッセンスが盛り込まれていて、しかも季節のそばはほぼ2週間で変わるとのこと。これは通わねばなりません。
「六燗」と「SOBA」、2軒はしごもぜひ。

<店舗情報>
◆SOBA
住所 : 東京都杉並区阿佐谷北2-11-17
TEL : 03-4400-5344
豪華な時間を楽しめる個室炉端焼きと、オールインクルーシブのジビエ日本料理店
コースは4時間、その価値がある
2月25日、いかにも西麻布な、贅沢な空間が誕生しました。炉端焼き「徒然」です。1日2組2室の紹介制レストラン。高級感が漂うシンプルな部屋に入ると、囲炉裏を中心にした円卓とソファーが。そして「リストランテASO」のスーシェフなどを務めた亀田智広シェフが、炭火を操りながら目の前で料理を仕上げてくれる、ザ・シェフズテーブルです。
おいしい小鉢とお酒をいただきながら、但馬牛の最高峰である但馬玄(たじまぐろ)の塊が目の前でゆっくりと焼きあがるのを見るのは至福。目鯛の串焼きや野菜の蒸籠ももちろん囲炉裏で。コースは締めの釜焚きご飯まで約4時間かかりますが、それもまた贅沢で、東京の真ん中でガストロノミーツーリズムを体験したかのような満足感に浸れます。

<店舗情報>
◆徒然
住所 : 東京都港区西麻布1-4-22 アートスクエア西麻布 2F
TEL : 03-6910-5433
人気銘柄の日本酒が飲み放題
日本酒好きにはたまらないのが、2月5日にオープンした「鎹(カスガイ)四谷三丁目」です。カウンター8席のみの日本料理店なのですが、コースは7,700円と12,000円。どちらも今年で創業175年という、四谷の酒店「鈴傳」から仕入れた「紀土」「菊姫」「伯楽星」などの人気銘柄が飲み放題。前職はそれぞれ「荒木町 きんつぎ」と虎ノ門横丁の「エレゾゲート」という、1995年生まれの若い男性2人がカウンターに立っています。
料理はうれしくなるような酒肴が並ぶ前菜盛り合わせや、ジビエのステーキを堪能でき、12,000円のコースならジビエの握りも。ゆっくりと杯を傾けたくなる一軒です。

<店舗情報>
◆鎹 四谷三丁目
住所 : 東京都新宿区舟町7-36 第2清水ビル 103
TEL : 03-6384-2035
コメダならではのおにぎり店と野菜たっぷりの味噌汁専門店
あのコメダがおにぎりに進出
ブームの元祖ともいえる大塚「おにぎりぼんご」がファミリーマートとコラボするなど、おにぎり業態は拡大を続けています。そして2月22日、なんとあのコメダ珈琲店でおなじみの株式会社コメダホールディングスが、新宿センタービル地下1階に「おむすび米屋の太郎 新宿センタービル店」をオープンさせました。
名古屋発祥のお店なので、ひつまぶしの「うなぎむすび」、名古屋コーチンを使った「とり天むす」、さらには赤みその「味噌ヒレカツむすび」など特徴ある具が並びます。うなぎむすびはおにぎり全体にタレの味が染み込み、ヒレカツは330円とは思えない具の巨大さ。注文が入ってから握るので少し時間はかかりますが、後発だけに研究し尽くしたおいしさがありました。続けざまに埼玉県の川口と大宮にもオープンしており、早くも多店舗展開が進んでいるようです。

<店舗情報>
◆おむすび米屋の太郎 新宿センタービル店
住所 : 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル B1F
TEL : 03-6258-1841
味噌汁の専門店も
おにぎりといえばお味噌汁。2月3日、恵比寿には「恵比寿みそ汁(仮)」がオープンしています。大ぶりなお椀には巨大なつみれをセンターに、季節の野菜がたっぷり。みそ汁自体は控えめな味ですが、素材ごとに丁寧に仕込まれた野菜がおいしく、まさに食べる味噌汁。ご飯やおかずとのセットもありますが、単体でも満腹感は得られます。
ちなみに店名の(仮)は、今後よりいいものを公募予定だからとのこと。

<店舗情報>
◆恵比寿みそ汁(仮)
住所 : 東京都渋谷区恵比寿1-22-3 シルバープラザ恵比寿 1F
TEL : 03-5860-2665
文・撮影/大木淳夫
※価格は税込です
教えてくれた人

大木淳夫
「東京最高のレストラン」編集長
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由」(堀江貴文)、「新時代の江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「にっぽん氷の図鑑」(原田泉)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。最新刊「東京最高のレストラン2025」が発売中。
食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/
