とちぎテレビ

客が従業員に暴言や悪質なクレームなどの迷惑行為を行う、カスタマーハラスメント、いわゆる“カスハラ”。このカスハラを巡り国が従業員を守る対策を企業に義務付ける方向で検討に入るなか、那須塩原市の温泉旅館ではカスハラ対策を明確にしたうえで客の受け入れを行っています。

温泉旅館の防犯カメラの映像にはチェックインができる30分前に2人の客が入ってきた様子が映されています。

男性「変だよお宅の旅館は」

女性「謝ってきたって、私たちが悪いんだったら」

男性「ちょっと社長呼んでくれる!」

那須塩原市にあるこちらの温泉旅館「湯守田中屋」では感染症対策で館内の消毒を行うため、チェックインできる午後3時までは車で待つよう案内しているといいます。湯守田中屋田の中佑治専務は、「車の中でお待ちくださいという掲示を掲げさせていただいている。あくまで目安でして午後1時ごろ越られる方もいらっしゃるのでもう少しお待ちいただくことをご案内させていただいている。」と話します。

この映像は、2023年5月、従業員がチェックインの30分前に訪れた2人の客から「なぜ車で待つのか」「こんな処に泊まれない」などと言い寄られたときのものだといいます。その後、田中専務が対応しますが客の気持ちは収まらず30分以上にわたり暴言を浴びせられたため土下座をしてその場を収めると客はキャンセル料を支払わずに帰ってしまったということです。

湯守田中屋の田中佑治専務は「大声で怒鳴り付けるような言葉遣いで非常に委縮してしまうくらい。恐怖を感じてしまうくらい言動が強かった。」と振り返ります。

客が従業員に暴言や悪質なクレームなどの迷惑行為を行う、カスタマーハラスメント、いわゆる“カスハラ”。5月17日に発表された厚生労働省の調査によりますと、過去3年間で「従業員から“カスハラ”に関する相談を受けた」企業の割合が、およそ27%に上ったといいます。

「湯守田中屋」ではその後、「新たな対策」を始めました。見せてくれたのは旅館のホームページ。湯守田中屋田中佑治専務によりますと、カスハラ対応として、『宿泊契約の解除』。ひどい場合は『警察に通報』する場合がある。『顧問弁護士を通じて然るべき対応』をとらせていただくなどの項目を掲載したといいます。

従業員の名札も外し設置する防犯カメラの数も増やしました。「宿泊拒否できるケース」としては、“土下座による謝罪や長時間にわたる不当な要求を繰り返した場合”など、6つの具体例が挙げられています。旅館業法が改正され、2023年12月から迷惑客の宿泊を拒否できるようになったのを機に、明記しました。

湯守田中屋の田中佑治専務は「従業員も安心して働ける環境は経営者が作り上げなければいけない。土下座はすべきではない。今後は適切に対応しながら大切な従業員をしっかりと守っていきたい。」と決意を語りました。