OpenAIのチャットAI「ChatGPT」をはじめとする多くの生成AIは、データからパターンを学習して推論するためにクラウドサービスを使用しています。そのため、既存の生成AIは常にデータの漏えいやハッキングなどの危険にさらされています。2024年5月2日にMicrosoftはアメリカの諜報機関向けにインターネットから完全に切り離された生成AIをリリースしました。

Microsoft Creates Top Secret Generative AI Service for US Spies - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-05-07/microsoft-creates-top-secret-generative-ai-service-for-us-spies



Microsoft launches AI chatbot for spies | Ars Technica

https://arstechnica.com/information-technology/2024/05/microsoft-launches-ai-chatbot-for-spies/

Microsoftはこれまで18カ月にわたり、アイオワ州の既存のAIスーパーコンピューターを改造してシステムの開発に取り組んできました。

Microsoftが諜報機関向けに展開した生成AIモデルはユーザーから提供されたファイルを読み取ることができる一方で、オープンなインターネットには接続できません。また、ChatGPTやMicrosoft Copilotのようなチャット形式での対話を行いつつ極秘情報の分析を実行することなどが可能です。

インターネットに接続しないことで、機密データの侵害やハッキングに関するリスクを軽減することが可能です。



Microsoftの戦略的ミッションおよびテクノロジー担当最高技術責任者であるウィリアム・チャペル氏はこの生成AIについて「GPT-4ベースの生成AIをサポートする重要な要素を、インターネットから隔離した『エアギャップ』環境を備えたクラウドに展開しました」と述べています。チャペル氏によると、今回の生成AIはアメリカ政府のみがアクセスできる特別なネットワーク上に構築されており、保存された情報を読み取ることはできてもAIの学習に利用することはできません。

チャペル氏は「政府は生成AIモデルをクリーンに保ちつつ、機密情報が別のAIプラットフォームに学習されることを防ぐことができます」「あなたが尋ねた質問をAIが学習し、学習した情報を何らかの形で明らかにすることは望ましくありません」と語りました。また、理論的には約1万人が今回の生成AIにアクセスすることが可能です。



記事作成時点でこの生成AIは、アメリカ中央情報局(CIA)を含む複数の諜報機関によるテストと認定が進められています。チャペル氏は「すでに一部の諜報機関に配備され、稼働中です」と報告しています。