@AUTOCAR

写真拡大 (全4枚)

「わたし達のユニークな信念」

アストン マーティンが、創立110周年を記念し、V12エンジンをマニュアル・ミッションで操る限定車を発表した。

【画像】V12+3本出しエグゾースト「アストン マーティン・ヴァラー」【細部まで見る】 全23枚

110台のみ生産されるこのモデルは、「アストン マーティン・ヴァラー(Valour)」と名乗る。


アストン マーティン・ヴァラー(グッドウッド・フェスティバル2023)    AUTOCAR

パワートレインは、5.2L V12ツインターボ(715ps/76.8kg-m)を、専用設計の6速マニュアル・トランスミッションと初めて組みわせた。

いずれの回転域でも、どのギアに入っていてもパワーを発揮できる専用のキャリブレーションが施されているという。

またエレクトロニック・トラクション&スタビリティコントロール・システムのサポートを受けながら、機械式LSDの働きが車両との一体感を高め、“アナログ的なドライビングの楽しさ”が味わえるのもヴァラーの魅力となっている。

同社のビークルパフォーマンスを担当するサイモン・ニュートン取締役は、その走りを「過去の象徴的なマッスルカーにインスピレーションを得て、わたし達はヴァラーに圧倒的なパワーとトルクを与えると同時に、最新のテクノロジーとエンジニアリングを採用することで、最高のパフォーマンスを引き出しながら楽しく走ることができるクルマを開発しました」

「ドライバー重視のキャラクターを実現する上で重要な役割を果たしたのが、V12エンジンとマニュアル・トランスミッションの組み合わせでした。これはわたし達のユニークな信念であり、結果として完成したクルマは極めて印象深いものとなりました。限界までプッシュできる究極のドライバーズカーとして、アナログかつクラシックであると同時にタイムレスでもある、本物のソウルを備えたスポーツカーがここに完成したのです」と表現している。

こだわりのエクゾーストパイプ

フル・カーボンファイバー製のボディワークは、アストン マーティンの現代的なデザイン言語と、1970年代の象徴的なV8ヴァンテージのデザインからヒントを得たもの。

その結果、どの角度から見ても大胆でユニークなデザインが完成した。


アストン マーティン・ヴァラー(グッドウッド・フェスティバル2023)    AUTOCAR

クラムシェル・ボンネットには、大きな「U字形」ベントと2つのNACAダクトが設けられており、その下に潜むV12ツインターボに十分な冷気を届ける。

フロントグリルは、中央がアルミニウム製ストレーキで、両サイドにはカーボン製の大型エアインテークを設置。

丸型のLEDヘッドライトは、アイブローを連想させるグリルの下に配置されている。

リア・ディフューザーの奥深くには、ヴァラーのハイライトの1つである3本出しの軽量ステンレス・スチール製テールパイプが顔を覗かせる。

その板厚はじつに1mm未満で、従来のシステムと比較して7kgも軽くなっているという。

4つの選べるシフトノブ

2人乗りコクピットは、中心にシフトレバーが設置され、シフトノブは機械加工されたアルミニウム/チタニウム/カーボン/ウォールナットから選択できる。

メカニカルな機能を強調するためにシフト・メカニズムを露出させており、テクノロジーの進化によって失われつつある、ドライバーがクルマと一体になって運転する楽しみを形にしたアイデアだ。


アストン マーティン・ヴァラー    アストン マーティン

そんなヴァラーには、ドライブモードが「スポーツ」「スポーツ+」「トラック」と3種類用意され、スロットルレスポンス/トルク特性/サウンド・キャラクターを変更できる。

サスペンションは、専用設計のアダプティブダンパー、スプリング、アンチロールバーを備え、ホイールアライメントのジオメトリーは専用のキャンバー/キャスター/トーに改められた。

カーボンセラミック・ブレーキディスクは、制動力を向上させるだけでなく、スチール製と比較してバネ下重量を23kgも軽減。最大800℃でもフェードが起きないように設計されている。

それでもロードカーであることを第1に開発され、スポーティで引き締まったバランスを手に入れながら、ロール剛性や正確なボディの動き、そして快適性も追求したという。

なお、ヴァラーの生産は、2023年第3四半期にゲイドン本社で開始され、最初の納車は第4四半期に始まる見込みだ。