1/6NASAは2015年、われらが銀河の隣で渦を巻くアンドロメダ銀河のこの画像を公開した。この写真は、露光回数7,398回ぶんのハッブル宇宙望遠鏡のデータを組み合わせて合成されたものだ。アンドロメダ銀河は200万光年以上離れたところにあるが、解像度がきわめて高いおかげで、科学者たちはひとつひとつの星を識別できる。砂浜の写真を撮って、砂の一粒一粒を解像するようなものだとNASAは説明している。PHOTOGRAPH BY NASA/ESA/UNIVERSITY OF WASHINGTON 2/6この幾重にもかさなる青い層は、水のつくる波ではなく、火星の「ガレ(Galle)・クレーター」(探査車「キュリオシティ」がいる「ゲール(Gale)・クレーター」と混同してはいけない)と呼ばれる領域に堆積した砂と塵だ。この領域についてはあまり多くのことはわかっていないが、この構造は侵食か、かつて存在していた氷河が生んだ可能性があると科学者たちは考えている。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/UNIVERSITY OF ARIZONA 3/6木星を回る軌道にいるNASAの探査機「ジュノー」は、52日ごとに木星の極地に接近する。木星の磁場はきわめて強力で危険なので、どんな探査機でも、あまり長く近くにいることはできない。そのため、ジュノーはフライバイが終わると大急ぎで木星を離れる。そして、「またあとでね」の挨拶がわりに、こうした美しい写真を撮影する。2018年、ジュノーは木星の南半球を写真にとらえた。この写真では、色が補正されて強調されているので、この巨大惑星の嵐の複雑さを存分に堪能できる。PHOTOGRAPH BY KEVIN M. GILL/NASA/JPL-CALTECH/SWRI/MSSS 4/6NASAの土星探査機「カッシーニ」は、13年にわたって土星の軌道上で過ごし、土星とその衛星を詳しく観測した。カッシーニのミッションは2017年に終わったが、その遺産はいまも生きている。とりわけ、こうした写真は大きな遺産だ。この写真では、土星と環がフレームのほぼ全体を占めているが、ひとつだけ、写真上方に小さな侵入者が写り込んでいる。これは、82ある土星の衛星のひとつ、テティスだ。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE 5/6ペンギンが見える? 卵が見える? ペンギンと卵が見える? この銀河のペアはまとめて「Arp(アープ)142」と呼ばれ、 ゆっくりと互いに近づいている。「ペンギン」のほうの銀河は、かつては普通の渦巻銀河だったと見られているが、このペアの間に働く重力に引っぱられて曲がり、ペンギンのような歪んだ形になった。PHOTOGRAPH BY NASA-ESA/STSCI/AURA/JPL-CALTECH 6/6この幽霊のような天体は、「はくちょう座ループ星雲」と呼ばれている。巻きひげのようなものは超新星の名残で、高温のガスと塵でできている。ちなみに、この幽霊はご近所にいる。地球から1,500光年しか離れていないのだ。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH

ニュースを見ているとストレスがたまるが、宇宙は違う。そこで今週の宇宙ギャラリーでは、いま切望されている広い視野と美を求めて、宇宙空間をあてもなく飛びまわることにしたい。

「美しい惑星と、ゴージャスな銀河の姿:今週の宇宙ギャラリー」の写真・リンク付きの記事はこちら

まずは、地球より小さな隣人の火星を訪ねて、驚くほど美しい地形を眺めよう。お次は、太陽系屈指の美しさを誇る木星に立ち寄ってから、特徴的な環が印象的な土星へと向かう。そのあとは、深宇宙へ出ていこう。アンドロメダよ、こんにちは! 

アンドロメダ銀河は、よく晴れた夜には肉眼で見えることもある。とはいえ、望遠鏡は役に立つ。われらが天の川銀河とアンドロメダ銀河は、重力で互いを引き寄せあっている。このため、いずれは衝突して合体し、ひとつの新しい天体になるだろう。この「破壊的抱擁」が起きるのは、45億年以上も先のことになる。

45億年以上先というのは、太陽が赤色巨星になるはずの時期より少しだけ早い。ニュースからしばし離れて手を洗ったら、一緒に宇宙へと出かけよう。

その旅が終わったら、こちらから、ほかの宇宙写真もどうだろうか。