悲願のGI初制覇を達成した上村洋行騎手と、63歳の誕生日を迎えた橋口調教師

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5日に行なわれたGI・スプリンターズSでスリープレスナイトに騎乗、40回目のGI挑戦にして初の1番人気馬に騎乗し見事に初制覇を達成した上村洋行騎手。

1992年に後藤騎手らと共にデビューを果たした上村騎手は、初年度に40勝を挙げ新人賞に輝き、2年目も53勝と順調に勝ち星を重ねた。デビュー3年目の春先には早くも通算100勝を達成し、ナムラコクオーで日本ダービー出場も果たした(2番人気6着。勝ち馬はナリタブライアン)。

順調に進んでいた騎手人生かに見えたが、90年代後半に「黄斑上ぶどう膜炎」という目の病を発症。視力の低下と共に成績は下降線をたどる。それでも年間十数勝は挙げていたものの、2004年の年明けにとうとう手術を決意。結果的に4度の手術が行なわれた。

「一時は騎手引退も考えた」という上村騎手だったが、なんとか視力は回復。2004年の9月に騎手として復帰を果たすも、一度長い休養をしてしまうと一気に騎乗馬を失うのが騎手の世界。上村騎手も例外なくその苦しみを経験したという。そんな上村騎手に声をかけたのが、トップトレーナーの橋口調教師。上村騎手は精力的に調教を手伝い、レースでもチャンスをもらった。そして時は流れ、その橋口厩舎のスリープレスナイトでGI制覇。しかもレース当日は橋口調教師の63回目の誕生日でもあった。

ドラマのようなストーリーに、検量室前で熱い抱擁を交わした同期の後藤騎手も「彼とは殴り合いはよくしたけど、抱き合ったのは初めてだなあ…」と感激の様子。スプリンターズSで敗れた他の騎手たちも、一様に上村騎手を祝福。そして検量室のまわりでは家族、報道関係者まで、上村騎手の苦労を知る者はみなファンと共に涙した。

そんな劇的なスプリンターズSにファンは敏感に反応し、上村騎手公式ブログ「うえちんのひとりごと」は、レース直後からアクセスが急上昇。普段騎手が直接コメントを書き込むことのない日曜日にも関わらず、普段の20倍近いアクセスが殺到。お祝いのコメントは数百件に上り「競馬を見て初めて泣いた」「感動をありがとう」などという感激のコメントが多かったが、中には「私も同じ病気なのですが、手術することを決意しました」「これからがんばって生きていこうという気持ちになりました」などという熱いコメントも多数見られた。

上村洋行公式ブログ「うえちんのひとりごと」上村騎手をはじめとした、騎手、調教師、厩務員など競馬関係者が多数集結
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