天皇・皇后両陛下「W杯・皇室サッカー外交」は2戦とも「2対2」の引き分けだった オランダ国王との観戦から読み解く「サッカーだから友好親善につながる」可能性
FIFAワールドカップ2026北中米大会が6月12日に開幕。日本は15日に初戦を迎え、強豪オランダと対戦して2対2の引き分けとなった。スポーツ紙記者はこう言う。
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「日本代表は過去、国際大会でオランダと3度対戦していますが、1分け2敗と勝ったことはありませんでした。試合中、日本は2回にわたってリードを許したものの、驚異的な粘りを見せ、引き分けに。過去にW杯で3度の準優勝を経験している強豪国を相手に引き分け、勝ち点を獲得したのは見事でした」
6月13日からオランダを訪問している天皇・皇后両陛下もオランダ国王夫妻とともにこの試合を観戦した。テレビ東京系『皇室の窓』で放送作家を務めるつげのり子氏はこう語る。
「両陛下は滞在中のオランダ王室別邸『ヘット・アウデ・ロー』城内でテレビ中継をご覧になっています。オランダ王室が公開した写真から、荘厳なお城の中とは思えないほどアットホームで和やかな雰囲気が伝わりました。両陛下は日本代表のサムライブルーのタオルを、国王夫妻はオランダ代表のオレンジ色のタオルを首に掛け、お隣には国王夫妻の飼い犬も写っていました。
試合は終盤まで2対1でオランダがリードしていたので、アレキサンダー国王は『勝った』と思っていたのではないでしょうか。そして終了直前に日本がゴールを決めて同点に。これに両陛下も安堵し、喜ばれたのではないかと拝察いたします」
両陛下観戦のW杯は引き分けのジンクス?
両陛下のW杯観戦の様子が公になって注目されるのは2002年の日韓W杯以来24年ぶり。その時も今回の試合と重なる展開だった。皇室担当記者は言う。
「2002年の日韓W杯では当時皇太子夫妻だった両陛下がベルギー王室のフィリップ皇太子夫妻と日本対ベルギー戦をスタジアムでご覧になっています。この試合も日本の初戦で、格上の国との対戦でした。しかし、日本代表は格上相手に一歩も引かず、最後まで気力で粘り、試合は2対2の引き分けで幕を閉じたのです」
つまり、両陛下が観戦した姿が公になったW杯の試合は2連続引き分けとなっている。このことについて前出のつげ氏はこう話す。
「皇室や王室の方々が自国の勝った負けたで一喜一憂されることはないと思いますが、両国が互いに健闘を称え合える引き分けという結果は、和やかな思い出として心に残るのではないでしょうか。
いずれも2対2の引き分けだったというのは不思議な巡り合わせですし、展開のある見応えのあるゲームでありながら、外交的には平和な素晴らしい結末のように思います。両陛下は20日からオランダからベルギーへと移られ、2002年の日韓W杯をともに観戦したフィリップ国王夫妻ともお会いになります。きっと24年前の試合を懐かしく振り返られるのではないでしょうか」
両陛下だけでなく、在位中の上皇ご夫妻も2002年の日韓W杯を韓国の金大中・大統領夫妻(当時)と観戦するなど、各国首脳・王室とのサッカーを通じた皇室外交の歴史は決して浅くない。こうした皇室外交にはどのような意味や役割があるのか。
「皇室や王室の方々がご一緒に、自国選手の活躍を見ることで『いい試合を見た』という経験を共有することができます。国境を越えて感動を共有することで、さらに両国の友好をさらに深めるきっかけになるのではと考えます。
野球は日本で人気の高いスポーツですが、世界的に見ると、サッカーのほうがはるかに競技人口が多く、国際大会には多くの人々が熱狂します。特にヨーロッパでは根強い人気があるので、外交という場でも観戦を楽しむことができるのだと思います」(同前)
24年の時を超えて再び「2対2」という奇跡的な一致を見せた両陛下のW杯観戦は、サッカーが国境や立場を超えて人々を結びつける力を改めて印象づける一幕となった。
