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普段は立ち入り禁止になっているエリアの中は、一体どうなっているのか? その秘密に迫ることができる、ファンや愛好家にはたまらない人気ツアーに密着しました。隅田川にかかる有名な橋や、現代舞台芸術に触れられる劇場で取材しました。

■1970年を最後に開閉を中止

東京・中央区にある、隅田川にかかる勝鬨(かちどき)橋。ここでは、立ち入り禁止の場所を巡るツアーが行われています。

東京都建設防災ボランティア協会の西村行正理事
「外から見ることのできない地下の機械室ですね。技術的に興味のある方もたくさんいらっしゃいますので、そういう人たちに見てもらいたい」

かつて船を通すため中央部分が開いていた、可動橋の勝鬨橋。車の交通量の増加もあり、1970年を最後に開閉は中止したものの、今も残るかつての橋の仕組みが見られる橋脚内見学ツアーが毎週木曜日(除外日あり)、無料で開催されています。

一度に最大10人ほどが参加でき、夏休みには子どもたちにも人気というこのツアー。巡るのは、普段は入れない橋脚の内部。橋にある4つの塔の1つから入り、地下にある機械室へと向かいます。

親子で参加していた人は、「橋はけっこう好き。下へ行って、どんな感じか(知りたい)」と話しました。

■テニスコート1面分ほどのスペースが

「頭をぶつけないように気をつけて」。いよいよ扉の先の立ち入り禁止エリアへ。塔の中には地下へと続く、高さ3.5メートルほどのはしごがあります。

落下防止の安全ベルトを着けて、1人ずつ下りていきます。「ゆっくりでいい、一段ずつ」。はしごを下りたところには、さらに下へと続く階段が。その先に広がっていたのは、テニスコート1面分ほどのスペースです。

この場所には、開閉する橋桁の付け根にあたる、重りの部分が収まっていたのだそう。ツアー参加者は「ずいぶん広い。思った以上に広いし、涼しいし」と言います。

ツアーでは、約1000トンの橋桁を動かしていたモーターや歯車を間近に見られ、当時の操作室にも入ることができます。親子で参加した人は「限られた人しか入れないところに入れたのが面白い。来てよかったなと思います」と話しました。

■バレエ終演後にバックステージへ

続いては東京・渋谷区の新国立劇場。バレエやオペラなど現代舞台芸術に触れられるこの施設でも、普段立ち入れない場所へ行けるツアーがあります。終演後のバックステージツアーです。

1つの作品の公演期間中、1〜2回しか行われないそうです。舞台を見たお客さんの中から希望者が抽選で選ばれ、料金はチケット代プラス300円。倍率が10倍になることもあるという、人気のツアーです。「楽しいね」「スゴイね」と参加者の心も弾みます。

取材した日の公演はバレエ「白鳥の湖」。この舞台後、関係者用の通路を通り、いよいよそのバックステージへ向かいます。

公演事業課の佐藤和人課長
「皆さんが今いるのは、客席から舞台を見て右側ですね。これだけ広いわけです」

そこには劇中で使う小道具や大道具、出演者が着替えを行うスペースもあり、舞台で使われていた衣装まで。「バックステージツアーで衣装が出ているのは極めて珍しいので、今日のお客様はラッキー」と佐藤課長。

ツアーにはバレエ経験者の参加も多く、その1人は「プロの舞台袖に入れるのはなかなかない機会なので、すごくうれしいです」と笑顔を見せました。

■出演者の目線でスケールを体感

その最大の目玉が、ステージからしか見られない景色です。「うわ!すごい!」と声が上がります。舞台に立ち、出演者の目線で劇場のスケール感を体感することができるんです。ツアー参加者は「全然違う。自分が見ている景色と。壮観ですね」と話しました。

写真撮影もOKで、客席をバックに貴重なショットが撮れるのもこのツアーならではです。

佐藤課長
「ダンサーが自分の位置をどう確認するか。(2階席の辺りの)真ん中に赤いポッチが。(舞台の)真ん中を示しています。公演中は光って、今どの辺にいるか分かるようになっています」

舞台側からしか気づけないことは他にもあり、客席からはあまり見られないオーケストラのスペースも見ることができます。

さらに佐藤課長は「小さいファンが舞台の一番前にあります」。よく見ると、舞台の縁にはたくさんの小さなファンが並んでいます。演出のスモークがオーケストラのところまで流れ落ち、譜面などを隠さぬよう本番中作動しているのだそう。

■参加者「ツアーで見方が変わる」

こうした細かい工夫や迫力の空間をツアーで目にした参加者たちは「たくさんの人の支えで華やかな舞台ができていると思った」「バックステージツアーで(舞台の)見方が変わると思います」と感想を語りました。

ツアーごとに回る場所は違い、時には舞台床下の「奈落」と言われる空間を巡ることも。7月のバックステージツアーは、5日のオペラ『エレクトラ』と、25日・26日のこどものためのバレエ劇場2026『人魚姫〜ある少女の物語〜』の2作品で開催されます。

(6月16日『news every.』より)