ASUSは6月17日、東京・渋谷で「ASUS Summit 2026」と題したイベントを開催し、日本市場への継続的なコミットメントを表明。新製品「ExpertBook Ultra」の発表などを行いました。特別ゲストとして台湾本社から会長のJonney Shih氏などが登壇され、メディア以外にも流通や販売パートナーも参加した大規模な開催となりました。

忙しい方向けにまとめておくと、今回の発表会では“ASUSが、日本の法人向けPC市場を本気で取りに行く”という強烈なメッセージが発出されていました。従来アクセスしにくかった営業システムを刷新して導入支援を本格化させ、販売やサポートの体制がなんだかよくわからない外資系メーカーから、信頼できるパートナーへと長足の進歩を遂げようとしています。

ASUSが日本法人向け市場に本格参入。営業システム刷新で導入支援、最新ノートPC「ExpertBook Ultra」発売

基調講演には冒頭、台湾本社から7年ぶりの来日になったというJonney Shih会長が登壇。ASUSによる使う人を中心に置いた製品作りがグローバルで認められ、さらに日本という特に顧客の要求基準が高いリージョンで好評を得ていることについて喜びを表明し、消費者向け市場の複数の領域で何十年にもわたって1位として君臨してきたことをアピールしました。

Jonney Shih会長。日本市場へのコミットメント継続を強調した

続いてASUS JAPANで代表取締役社長を務めるAlvin Chen氏が登壇。コロナ禍が一服した2024年以降、ASUSの消費者向けノートPCの売上高がHPやDellを超えるほどになったと発表し、次なる成長機会としてビジネス向けPC市場へと参入していくと明らかにしました。安定供給や長期運用、継続的なサポートに加えて、高い品質や豊富なラインナップでビジネス向け市場への構成を強めていくと述べました。

ただ新製品を発表して述べただけではなく、ASUS側の営業システムを大刷新して顧客からの問い合わせに素早く対応できるように大きく改修された点もポイント。メールよりも高レスポンスなシステム側での初期応対を実現し、資料の請求や概算での金額感が調査可能に。さらに踏み込んだ提案資料の要求からセールスキットの準備に加え、納品済み後の製品をフォローアップしていくこともできるようになったそう。デバイスの展開サービスに加えて運用中の保守サポート、利用期間終了後のリサイクルまで、製品ライフサイクルの全体をトータルで支援できるようになったと強調しました。

Alvin Chen氏

ASUS JAPANから営業担当者が登壇して説明する一幕も。製品だけの発表ではないことが伝わった

この法人向け展開の強化に合わせて、今回最新ノートPCとして「ExpertBook Ultra」を日本国内へと導入予定。かねてからASUSがビジネス向けに展開してきたシリーズで、今回発表されたモデルでは極めて高い耐久性がアピールポイントになっている模様です。製品については別途掲載中のレビュー『ASUS「ExpertBook Ultra」レビュー。Panther Lake搭載で19時間駆動のビジネス向け最上位ノートPC』もぜひご覧ください。

イベントには展示スペースとしてExpertBook Ultraにさまざまな“責め苦”を与える刺激的なブースが多数展開されており、しかも販売員だけではなく参加者が実際にノートPCへの“テスト”を試すことができるようになっていた点が目新しかったです。

会場ではノートPCが120cmの高さから地面に投げ落とされる「ダン!!!」という落下音や、キーボードとディスプレイの間にペンを激しく挟み込む「パン!!!!」という衝撃音が始終聞こえており、普段大事にパソコンを使う筆者を心胆寒からしめる内容でした。キーボードに水をぶっかけ、ディスプレイを踏み、LANケーブルに8kgの重りを吊り下げる拷問があちこちで行われ、決して安価ではない製品サンプルを多数用意した甲斐のある印象的なブース展示になっていたと感じます。









テストの様子は参加者の投稿からSNSで広く共有され、注目を集めることに成功していた

よくある新製品の発表会かと思いきや、「消費者向け製品の市場制圧が好調に推移しているため、法人向け市場への参入を開始する!」という宣戦布告だった「ASUS Summit 2026」。現地の展示でもExpertBook Ultraの素晴らしい品質・性能・耐久性はよくわかったのですが、個人的にはキーボードの日本語レイアウトには依然として問題が残っているように思いました。法人向けの本格的な導入を目論んでいるなら、その国にあわせたローカライズの品質を他社と同様のレベルにまで高める必要があるのでは感じます。

Enterキーの分割仕様、自分の社給PCだったら少しつらいような。画像は掲載済みのレビューから