不良外国人が注目する「失業手当の不正受給」…裏社会に詳しい作家が明かす「12カ月計画」で資金を膨らませて「カレー店」をオープンさせた不届き者
第1回【路上での“客引き行為”が不良外国人にとって極めて重要な意味を持つ理由…「仲間たちと路上で色々な犯罪の計画をしたよ。日本は自由だね」】からの続き──。不良外国人による犯罪の代表例として、違法薬物、密輸、偽造、暴力、強盗、と思いつくだけでも悪質な事案が多い。近年では、特殊詐欺、不正受給、マネーロンダリングなども急増している。【藤原良/作家・ノンフィクションライター】(全2回の第2回)
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この記事では今後、さらに増加すると予測される失業手当の不正受給の問題について取り上げたい。

そもそも不正受給とは虚偽申請などにより、本来は受給できる資格がない給付金、補助金、生活保護費、雇用保険などを行政から騙し獲ることをいう。
外国人労働者の増加により、さまざまな職場で彼らを目にする機会が増えた。彼らの人間性や性格は、まさに千差万別であるのは言うまでもない。
中には素行不良で詐欺師的思考を持つ者もいる。ほぼ不良外国人に等しい彼らを中心に「雇用保険の不正受給はおいしい」という情報が飛び交っている。
雇用保険に加入している会社に6〜12カ月勤務して退職、失業するとハローワークから一定額の給付金を受け取ることが可能で、これは外国人労働者も同じだ。ただし、就労ビザを取得して日本で働いている外国人の場合は、失業すると在留資格に影響しかねない面がある。
この給付金は失業手当と呼ばれ、受け取るためにはいくつかの条件がある。よく知られているものは「待機期間内にアルバイトをしてはならない。待機期間後に働くなら週20時間未満でなければならない」という条件だろう。
コードネームは「12カ月計画」
例えば会社の都合で退職させられた場合を見てみよう。ハローワークで求職の申し込みを行い、雇用保険の受給が決定してから7日間は完全に無職・無収入である必要がある。
これは深く考えなくても分かる話だ。アルバイトであっても就労が可能なら、失業しているとは言えない。
アルバイトで働ける人間に失業手当を給付することは雇用保険そのものの意義を損なうことになってしまう。
そして昨今、不良外国人たちは「就労を続けながら失業手当の給付を騙し獲る」ことに注目している。
すでに日本に8年住み、定住者ビザを保有しているアラン(仮名、以下同)は、仲間のアリ、ナヴィドと組んで失業手当を騙し取る計画を立てた。
まず3人は雇用保険に加入するため、アランとアリは工場に勤務し、ナヴィドはホテルに就職した。
工場とホテルは慢性的な人手不足に悩んでおり、外国人にも広く求人をかけている。3人は簡単に雇用保険に加入することに成功したのと同時に、それぞれ25万円前後の給料を手にすることになった。
12カ月勤務すれば、念願である失業手当の給付資格を手に入れられる。彼らは不正受給の“コードネーム”を「12カ月計画」と呼んだ。
不正受給で資金が倍
3人は昼間の仕事だけでなく、夜は、歓楽街の外国人クラブや違法マッサージ店などの『客引き』のアルバイトを行った。
東京都で客引きは迷惑防止条例違反として禁止されている。だが実際のところは当局による注意や摘発が追いついていない感が否めない。不良外国人の客引きたちが堂々と路上を占領している絵面も珍しくない。
客引き行為で働く外国人の報酬は、日払い制の場合が殆どで、終電までの半日勤務だと日当は最低でも5000円。連れ込んだ客のノルマを大きく達成し、テーブルでの売上なども加算されると、一晩で2万円以上を楽に稼げる日もある。
アラン、アリ、ナヴィドの3人は昼も夜も働き、順調にカネを貯めていった。彼らの目標は失業手当を不正受給し、そのカネを元手にカレー料理店をオープンすることだった。
1年後、3人は150万円を貯め込んだ。そして12カ月後には勤務先を退職し、失業手当の受給を開始した。約3カ月間で4回の給付を得て、総額は約200万円だった。
もちろん失業手当を受け取っている間もアランとアリは、客引きとして週20時間以上働き、日当を稼ぎ続けた。ナヴィドは知り合いのアジアンキッチンで毎日働いた。
カレー料理店は大繁盛
こうして失業手当の不正受給が満了を迎えた頃には、3人は約400万円のカネを持っていた。繰り返しになるが、半分の200万円は彼らが働いて貯めたカネだ。しかし、もう半分の200万円は失業手当の不正受給で得たカネだ。
彼らは雇用保険の制度を悪用し、「実際に働いて手にした」金額と同じ額のカネを手に入れた。違法行為で資金を倍にしたとも言える。
彼らは1年と少しの期間で開業資金を調達した。そして翌月、彼らはカレー料理店をオープンした。何も知らない日本人は味を評価し、多くの常連客が押し寄せて店は繁盛した。
別の不良外国人は不正受給した失業手当を高級車の購入代金の一部に充てたり、旅行費に回したりしている。筋金入りの悪人になると違法薬物を仕入れ、さらに悪銭を稼ぐ。
こういった不良外国人が全国に点在している。その総人数が仮に1000人だったとしても、不正受給した失業手当は相当な額になることは間違いない。当然ながら、その“原資”は税金に他ならない。不良外国人の手口について何も知らずに納税し続けている、私たち日本人の損害も大きいと言わざるを得ない。
インターネットやAIの進化により、外国人犯罪もネットを駆使した特殊詐欺や、マネーロンダリングに注目が集まってしまう。
客引き行為の重要性
だが日本に住む不良外国人は、もっと様々な犯罪行為に手を染めている。彼らは日本の税金をどう盗みとるか研究を積み重ねており、ずる賢く立ち回り、したたかに成功させている。失業手当の不正受給は、その一例に過ぎない。その実態を私たちはもっと知っておくべきだろう。
3人の外国人は客引きのアルバイトに励んだが、実は不良外国人が客引きのアルバイトに励むのは、カネだけが目的ではない。彼らには重要なメリットがあるのだ。
第1回【路上での“客引き行為”が不良外国人にとって極めて重要な意味を持つ理由…「仲間たちと路上で色々な犯罪の計画をしたよ。日本は自由だね」】では、ショバ代を要求してきた暴力団員の耳を切り取ってでも、客引きの“テリトリー”を死守しようとした不良外国人の思惑について詳細に報じている──。
藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌等で、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。著書に『山口組対山口組』、『M資金 欲望の地下資産』、『山口組東京進出第一号 「西」からひとりで来た男』、『闇バイトの歴史 「名前のない犯罪」の系譜』(以上、太田出版)など。
デイリー新潮編集部
