和久田麻由子アナ

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 元NHKのトップキャスター・和久田麻由子アナ(37)を迎えて鳴り物入りでスタートした日本テレビの報道番組「追跡取材 news LOG」(土曜22:00〜22:54)。4月25日の初回放送からひと月が過ぎたが、あまり評判を聞かないのはなぜなのか。

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 ちなみに、日テレが新たに報道番組を制作するのは「真相報道 バンキシャ!」以来24年ぶり。土曜22時台で生放送するのは「テレビ三面記事 ウィークエンダー」以来42年ぶりという。「ウィークエンダー」は全国に報じられることがないB級事件をフリップや再現フィルムを使ってリポーターが面白おかしく解説する番組で、ここで名を挙げたのが当時まだ芸人だった泉ピン子だった。

和久田麻由子アナ

 この枠では今年3月まで同じく元NHKの有働由美子アナ(57)がMCを務める音楽番組「with MUSIC」が放送されていた。有働アナは2018年3月末にNHKを退局し、同年10月に日テレの「news zero」のMCに就任、24年3月末まで務めた。その後、土曜20時台で始まったのが「with MUSIC」だったが、翌年には放送時間が22時台に移動し、わずか1年で終了した。日テレ関係者は言う。

「視聴率が悪かったからですよ。3月14日の最終回は3・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯:以下同)、その前週は2・2%でしたからね」

 そして始まったのが「news LOG」だ。4月25日の初回視聴率は3・8%だった。

「安定感はさすが」だが

「個人視聴率は2・1%でした。民放では、世帯10%、個人7%なら優秀、世帯7%、個人5%でまあまあ、世帯5%、個人3%で番組存続の水際と言われます。ライバルと目される裏番組、TBSのエース・安住紳一郎アナ(52)がMCを務める『情報7daysニュースキャスター』はこの日、10・4%でした。まったく歯が立たないどころの数字でではありません」

 2日後の27日、日テレの福田博之社長は定例会見でこう語った。

「和久田さんを日本テレビの番組で見るのはとても新鮮でしたし、信頼感、安定感はさすがだった」

 ただし、視聴率については「決して満足な数字ではなかった」とした上で、

「初回ということで緊張もあったと思いますが、『news LOG』の個性、らしさを伝えることができるようにしてほしい。1回だけの数字では判断したくないですし、見ていただいた方が繰り返し視聴していただけるようにしたい」

 2回目以降の数字を見てみよう。

●5月2日【世帯3・7%】
●5月9日【世帯4・2%】
●5月16日【世帯3・7%】

 一進一退しているが、番組存続の水際である5%にも達していない。

和久田アナが出ない

「その間、『Nキャス』は10%前後を続けているわけですから、牙城は揺るぎません。となると、日テレ内部でも『news LOG』を見る目が冷ややかになってきます」

 NHKではエースでも、民放では通用しない?

「和久田アナを悪く言う人はいませんよ。NHKでは『ニュース7』や『ニュースウオッチ9』といった旗艦ニュース番組のキャスターを務め、『紅白歌合戦』の総合司会も担当した正真正銘のエースアナですから。一方、日テレでは岩田絵里奈アナ(30)が退社し、石川みなみアナ(29)や黒田みゆアナ(27)は成長途中、有働アナはテレビ朝日で始まった『有働Times』に行ってしまいました。『ZIP!』の水卜麻美アナ(39)、『news every.』の鈴江奈々アナ(45)を除けば、人材が払底している状態です。番組への冷たい目は、制作スタッフと上層部に向けられています」

 何がまずいのだろう。

「番組のコンセプトは“プロセスを伝えること”で、ニュースの結論だけではなく記者たちがどのような問題意識で取材を始め、何に悩み、どんな壁にぶつかり、どう葛藤して真相にたどり着いたのか。その取材の記録、プロセスを公開していくという。その上で“虎の子”である和久田アナを大事にしすぎています。初回はVTRを長くしたためスタジオ部分が10分もありませんでした。和久田アナが見たいのに出てこなかったのです」

 それでは見ない。さらに……。

VTRネタのチョイスに問題

「2回目はスタジオを増やし、和久田アナによる生放送の進行が楽しめましたが、言っていることはありきたりでした。3回目はVTRにワイプで和久田アナの表情をふんだんに入れました。しかし、ワイプに慣れていない和久田アナが張り切りすぎて、表情を大げさに作りすぎていました」

 まあ、NHKではあまり使われないから慣れていなかったのかもしれない。視聴者は普通の和久田アナが見たいのだ。問題は他にもあるという。

「その長尺VTRのネタのチョイスです。初回はスピードスケートの高木美帆・菜那姉妹でしたが、ミラノコルティナ五輪からすでに2カ月以上が経っていますから、もう古い。2回目はボクシング世紀の一戦、井上尚弥vs中谷潤人でしたが、ご存じの通り、地上波には放映権がなく、見たい人は最初から配信サイトのLeminoで見たでしょう。3回目は京都の義父による男児殺害事件、4回目は大谷翔平に8年間密着した報知新聞の記者でしたが、大谷はバッティングが絶不調中。番組コンセプトとはいえ、プロセスを伝えることにこだわりすぎです」

 テレビ番組に限らず、プロセスにこだわるのは当事者だけということはままある。特に今の時代は、プロセスになど興味は持たれないのかもしれない。

和久田アナを壊してしまえ

「場合によっては、番組コンセプトの『記者の記録log』も有名無実化していいと思います。旬を過ぎた長尺VTRよりニュースなんですから、片っ端から新しいものを流したほうがいい」

 そして、人気番組との大きな差があるという。

「『news LOG』は無味無臭で、クセや匂いといった視聴者が見たくなるような中毒性がありません。テレ朝『ニュースステーション』の久米宏、『報道ステーション』の古舘伊知郎、『朝ズバッ!』(TBS)のみのもんた……クセがなければ人気が出ません。もちろん和久田アナにそれを求めるわけではありません。横にいる人で解決するのです。テレ朝『羽鳥慎一モーニングショー』のコメンテーター・玉川徹さんや長嶋一茂さん、『Nキャス』で安住アナの隣にいる三谷幸喜さん……何を言い出すかわからない危険性を伴いますが、それが生放送の醍醐味であり、プロレスでもあるわけです。『news LOG』では和久田アナの隣に森圭介アナや竹内真解説委員がいますが、無難すぎます。デーブ・スペクターや霜降り明星の粗品、ひろゆきこと西村博之さんでもいい、優等生の和久田アナを壊すくらいの人を横に並べないと親近感は生まれません」

 そんな和久田アナを見たいという人も……。

デイリー新潮編集部