映画『名無し』完成披露試写会の様子

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 俳優の佐藤二朗が27日、都内で行われた映画『名無し』完成披露試写会に、共演の丸山隆平、佐々木蔵之介、城定秀夫監督と共に出席。本作について「賛否は覚悟しております」と明かした。

【写真】佐藤二朗の原寸大右手のオブジェがお披露目

 本作は、佐藤が初の漫画原作を手掛け、脚本・主演を務める作品。佐藤が映画にすべく執筆するが、その過激なテーマと特殊な世界観ゆえにお蔵入り寸前となっていたオリジナル脚本が編集者の目にとまり、永田諒の作画によって漫画化した。数奇な運命を背負い“名前のない怪物”と化した男の希望と絶望、そして狂気を描破するこのサイコバイオレンスは好評を博し、“映像化不可能”の烙印(らくいん)を覆して昨年10月、映画化が決定した。

 原作、脚本、そして名前のない怪物・名無しこと“山田太郎”を怪演した佐藤は「5年前に一人でウジウジと考えた物語がこうして一般の皆さんに初めて観ていただけるという事で」と喜びを嚙みしめながら「賛否が分かれる作品だと思いますが、試写では絶賛してくれる人が多いです。人もたくさん死にますから賛否があってもいいですが、観終わった感想をSNSにどんどん書いてください。はい、以上で舞台あいさつを終わります!」と笑わせつつあいさつ。

 また佐藤は過激なテーマ故に特殊な世界観のある作品だと認めながら「お蔵入り寸前になって僕も諦めたやつが、ようやく皆さんにこうして観ていただけるわけなので、賛否は覚悟しております。僕は完成作を観て本当に素晴らしいと思ったので、城定監督には本編では決して出来ない右手を使っての握手を求めました」と作品完成に胸を張った。

 身寄りも名前もなかった少年期の“山田”の名付け親となる巡査・照夫役の丸山は「ここまで刺激的で念のこもった台本に出演させていただくことが、30年くらいの活動の中で初めての事だったので戸惑いもありつつ。プレシャーと覚悟の中で演じさせて頂きました」とコメント。佐藤同様に賛否ある問題作だと認めながら「でも賛否ある方が、それぞれの考え方で本作に向き合えるという事なので、問題作でもいい。そう言われようが何だろうが、世に届いて沢山の人に観ていただくことに意味がある作品だと思う」と持論を述べた。

 バイオレンス映画好きという丸山は本作を「大好物」としながら「血がいっぱい出てきたりするけれど、それだけではない色々な奥行きのある人間ドラマがある。作者が血反吐を吐きながら作ったものが人の心を打ったりするけれど、この映画はまさにそれ」と深い余韻のある作品だと解説していた。

 “山田”を止めるべく奔走する刑事・国枝役の佐々木は「明らかにフィクションで己自身も出ているのに、観終わった後に現実味を帯びた生暖かい感覚があった。それくらい刺さるような殴られるような衝撃、根源的なものがあったのだろうと思う。それくらい僕自身、あまり観たことのないような映画を観たという感じ。虚構なのにリアリティを感じる。これぞエンタメ」と太鼓判を押していた。

 また、作品の内容にちなんで「消し去ってしまいたいこと・もの」をそれぞれ発表する場面も。佐藤は「舞台あいさつってなんでも“ちなみ”がち!」と笑いつつ「僕は自分の五十肩を消し去りたい」と切実な回答をした。丸山は「自分の弱さを消し去りたい」、酒好きの佐々木は「飲んだ次の日の朝の血中アルコール濃度を消し去りたい」と自虐で笑わせた。

 イベントでは「触れた瞬間に相手は消えて死が訪れる」という山田の右手をリアルに再現した、原寸大右手のオブジェもお披露目された。

 映画『名無し』は、5月22日より全国公開。