U-17日本代表は日本時間5月6日開幕の「AFC U17アジアカップ サウジアラビア2026」に出場し、「FIFA U-17ワールドカップカタール2026」出場権獲得と2大会ぶりのアジア制覇を目指す。チームは23日から千葉県内で3日間の国内合宿を実施。その後、エジプトでの直前合宿を経て決戦の地であるサウジアラビア入りする。

 活動初日を翌日に控えた22日、U-17日本代表GK高橋恒輝(大成高/3年)が東京都三鷹市の大成高グラウンドで自チームのトレーニングに参加。トレーニング前の全体ミーティングで決意を口にし、豊島裕介監督らスタッフ、チームメイトから激励を受けていた。


 チーム、第7地区(三鷹市や八王子市、府中市など)、東京都に育ててもらった守護神がアジアの戦いに挑む。高橋は三鷹CF Jrユース(東京)に所属していた中学時代、「自分よりも良いGKがいたので。試合数で言ったらサブでしたね」という。

 だが、中学3年時の夏に大成へ練習参加した際に豊島監督の目に留まり、進学した大成で飛躍。第7地区トレセンメンバーに選ばれると、高校1年時の2025年3月には東京都高体連選抜U16メンバー入りを果たす。すると、すぐにU-16東京都選抜へステップアップ。同年の国スポ少年男子の部では毎試合のようにビッグセーブをしてのけ、日本一に大きく貢献した。


 そして2025年12月、U-16日本代表エジプト遠征メンバーに初招集。豊島監督は「最初はこの地区を代表して戦うよから始まり、東京を代表して戦うよっていう国スポのところでほんとに色々な方に育ててもらったなっていうことを、本人も自分だけの努力じゃなれなかったっていうところも分かってくれている。もちろん、彼の努力の結果だと思いますけど」と目を細める。

 大成でのトレーニングに加え、現在も三鷹CF Jrユース時代のコーチとともにジムで上半身の身体作り。大成のスタッフをはじめ、三鷹CF Jrユースや地区トレセン、東京都選抜を含めて「ほんとスタッフに恵まれてここまで来れたと思うんで、ほんとそこは感謝の気持ちでやっていきたいと思います」と高橋は力を込めた。

 高橋はエジプト遠征後の4か月間、現U-17日本代表の井出大志GKコーチから指摘されたことに対し、様々な準備を含めて意識高く取り組んできた。「この4か月ぐらいやってきて成長した部分があったからこそ選ばれたと思う」と高橋。技術的には自分よりも上のGKがいる。それでも、2009年早生まれのGKはリーダーシップに加え、求められていることを練習、試合で習慣化してきたことがU17アジアカップでのメンバー入りに繋がったと感じている。

「選ばれた時は率直に嬉しかったです」という高橋のU-17日本代表での背番号は23。「背番号見た感じ、自分が3番手なんで、ほんとそこは練習で表現するしかないんで。ほんといい準備して、自分にチャンスが巡ってきたらいいパフォーマンスしてチャンスを掴みたいなって思いますし、去年のワールドカップ見てても、1個止めるっていうのは大事だと思いますし、GKの使命なんで、試合に出たらそういう仕事をしたいと思います」と力を込めた。


 U-17日本代表のGKは国際試合の経験豊富なGK大下幸誠(鹿島ユース)と2月の「Balcom BMW CUP」(広島)で存在感を放ったGK木田蓮人(帝京長岡高)、そして高橋の3人の競争。全試合で先発する可能性もあれば、ピッチに立てない可能性もある。

 高橋は「出ない試合こそ、自分、1個上っていうのもあって、リーダーシップ取って声とかベンチから出すことはできますし、そういうところはやっぱ人間性も出ると思う。グラウンド内でもグラウンド外でも、人間性っていうのは大事になるかなって思います」。どんな状況でも自分のできることを全うする考え。その上で必ず、出番を勝ち取る意気込みだ。

「やっぱ(メンバーに)入ることがゴールじゃないんで、今、3番手であっても練習の期間はありますし、そういうところで人一倍藻掻かなきゃ試合に出れないと思いますし、ほんと1分1秒、ほんといい経験のできる場所なんで、入ったからいいやじゃなくて、試合に出ないと行っている意味はないんで、1分1秒無駄にしないでたくさん吸収して、帰ってきた後もチームに何か還元できるようにしていきたいなと思います」

 高橋は4月23日から最大で5月24日まで約1か月間チームを離れる。その間のリーグ戦に加え、U-17日本代表がU17アジアカップで決勝まで勝ち進んだ場合は5月23日、24日に開催される令和8年度関東記念大会も欠場(大成は東京2位で出場)。豊島監督は「上手くいかないこともある中で成長していかなきゃいけないっていうところは、ほんとに彼にとって、プラスしかない1か月になるのかなっていうのと、私たちも1か月、やっぱり成長しなきゃいけないので、そこは『お互い勝負ね』っていう話で彼には送り出しました」と明かす。

 高橋は「自分が成長して、1か月後こっちに帰ってきて、やっぱ仲間は成長してると思うんで、より一層、自分は成長して帰ってきたなって仲間に思ってもらえるように、ほんと成長していきたいなと思います。グループステージでほんと全勝して、アジア取って。やっぱ優勝して帰りたいなと思っています」。豊島監督が「(高橋から)3秒から4秒に1回必ず修正入る」というコーチングや22日のトレーニングでも見せていた抜群のシュートセーブ力、人間性、成長欲も持ってアジアへ。日本の同世代のため、自身の将来のためにも上位8チームが獲得するU-17ワールドカップ出場権を掴み、アジア王者になって大成に戻ってくる。


(取材・文 吉田太郎)