例えば、KDDIさんはJR東日本さんが再開発した「TAKANAWA GATEWAY CITY」に本社移転していますし、京浜急行電鉄さんはトヨタ自動車さんと品川駅前で再開発を行い、新たなビルにはトヨタさんが東京本社を移転する予定となっていますからね。

 企業が集まれば人も集まります。今後、それがより一層際立ってくると思います。そんなエリアで当社も加わって「品川駅西口地区(高輪三丁目)」の再開発を進めるわけですが、そういったニーズにも応えられるようにしていきたいと思っています。




西武グループの強み


 ─ もともと「グランドプリンスホテル新高輪」などの資産を持っているからこそですね。西山さんが西武グループの強さを1つ挙げるとしたら?

 西山 〝人財〟です。例えば、西武鉄道は固い地盤のもと、スキルの高い人財により、安全・安心を徹底してきた歴史があり、さらに沿線の皆様に感動を提供する活動も活発化しています。西武・プリンスホテルズワールドワイドもオペレーション(運営)を、100年を超える歴史の中で培ってきました。まさに、お客様の方向を向いたおもてなしを提供してきたわけです。

 もちろん、オペレーターとしてだけではなく、オーナーとして土地や建物を保有し、様々な宴会場などの運営機能も積み重ねてきました。そういった蓄積があるからこそ23年の「G7広島サミット」の会場に「グランドプリンスホテル広島」を選んでいただいたわけです。

 ─ 岸田文雄首相がホストを務めたときでしたね。

 西山 そうです。このときは驚きました。ウクライナのゼレンスキー大統領も出席されましたからね。それも当社が長年にわたって蓄積してきたMICE(会議、研修旅行、国際会議、展示会)の運営力が評価されたのだと受け止めています。これは日々のおもてなしだけではない組織力や機動力があるといったこともあると思います。

 都市交通・沿線事業も同じです。伊豆箱根鉄道や近江鉄道を含め、西武鉄道の100年以上の歴史の中で安全・安心を旨とし、沿線開発にも力を入れてきました。こういったノウハウが脈々と受け継がれているのです。ですから、これからも沿線開発には力を入れていきますし、不動産事業を核とし、ホテル・レジャー事業、都市交通・沿線事業とのシナジーにより、各事業の競争力を強化していくことを目指していく方針です。

 ─ 厳しい環境は西武グループ以前の第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)時代にも総会屋への利益供与事件ほか、いろいろあったと思いますが、当時をどう振り返りますか。

 西山 銀行員生活は22年ほどでした。45歳で退職して西武ホールディングスに転職してきましたが、銀行員時代に経験した様々な修羅場で鍛えられ、育ててもらったという感謝しかなく、転職してもやっていけるかもしれないと思いました。

 総会屋への利益供与事件で学んだことは、どんな困難に直面しても決して逃げないということ。当時、「四人組」と言われていましたが、そういう先輩の方々の生き様から教えられました。自分も幹部になったら、そんな人間になろうと意を強くしました。

テルモ社長CEO・鮫島 光「過去は変えられないが、未来は変えられる」