「トラックってトロいし邪魔」とか思うかもしれないがちょっと聞いて! トラックドライバーが乗用車に望む運転とは?

この記事をまとめると
■トラックドライバーが一般車両に求める「やさしい運転」を紹介
■制動距離と死角の大きさが弱点なので車間距離と早めの合図が事故回避につながる
■死角回避と譲り合いが安全運転の鍵となる
トラックドライバーから見た一般乗用車のやさしい運転
高速道路や一般道を走っているときに巨大なトラックが前を走っているとついつい邪魔だなと思ってしまったことはないだろうか。しかし、トラックのドライバーからすれば、逆に一般車両が業務に差し支えるような運転をしていることも少なくない。
長距離ドライバーや運送業のドライバーにとって、乗用車のちょっとした配慮は事故回避にもつながるため非常にありがたいという意見も多い。そこで今回はトラックドライバーから見た一般乗用車のやさしい運転について取り上げてみたい。
トラックドライバーは、荷主から預かった大切な荷物を運搬しているという使命をもっている。しかし、トラックにはボディの大きさから止まりにくく死角が多いというウィークポイントがある。それを踏まえた上で、重要なのが車間距離だ。重いトラックで一番怖いのは、目の前で急ブレーキを踏まれることなのだ。トラックの前を走るときは、後続車両はなかなか減速しないということを意識して、普段よりブレーキを早めに踏むことで、ブレーキランプで合図をしてほしい。

次は車線変更について考えてみよう。トラックの前に入るときはできるだけ余裕をもって車線変更してほしい。具体的には自車のミラー越しにトラックのフロント部分がしっかり見えるくらいの距離であればOKだ。減速時と車線変更時の2パターンに共通しているのは、どちらも車間距離。走行中のトラックが前車と車間距離を開けているのは、スピードが出ないからではなく、止まるための制動距離を確保しているからなのだ。
さらに別パターンも見ていこう。無意識にやってしまうことが多いのは、信号待ちでの車間の詰めすぎだ。上り坂では発進時に少し後退する可能性があるほか、後ろにピタッとつかれると、トラックの運転席からは下の乗用車がまったく見えなくなるからだ。
それほど大きくない2トンや4トンクラスのトラックでも運転席に座るとわかるが、軽自動車程度のサイズなら、その存在をまったく見ることができないほどの死角ができることを理解しておいてほしい。

死角というキーワードが出たが、基本的にはトラックの死角に入らない、もしくは死角に入ってもすぐ抜けるということが重要だ。そのため、トラックの直後だけでなく、並走を避けるのもトラックドライバーからしてみればありがたい運転のひとつだ。
トラックの真横(とくに左側)はミラーがあっても見えにくいエリアなので、並走せず、抜くときはスッと抜き、抜けないときは少し距離を置いて走ることで、無駄な接触事故を減らすことができる。
邪魔にならないだけでなく適度に存在をアピール
このように、死角はトラックにとって最大の敵ともいえるが、逆にトラックドライバーに自車の存在をアピールするのも大切なのだ。たとえばトラックのすぐ後ろを走る際は、走行車線範囲内で左右に少しずれて走ると、トラックのミラーに自車が映るため「ここにいるよ」というアピールになる。このアピールがあるとないとでは、トラックドライバーの安心感は段違いだといわれている。

そして、合流や交差点は最大限トラックに優しさを見せてほしい場面でもある。交差点でトラックが曲がってくるとき、こちら側に大きく膨らんできたことはないだろうか。これは巨大なボディゆえの大きな内輪差が理由だが、このとき停止線を越えて止まっていると、トラックが曲がりきれないという事態になってしまう。そこで停止線より少し手前で止まっておくと、トラックドライバーからすると感謝しかないということになる。
では、走行中の優しさにも触れておこう。トラックはリミッターで最高速度が制限されていることが多い。そのため、上り坂で減速し下り坂で急加速する乗用車に振りまわされると一番ストレスが大きくなる。トラック同士の団子状態から追い越そうとしているとき、後ろから煽らずに積極的に譲ってあげてほしい。

また、夜間信号待ちでライトを消さないでほしいという声もある。これは対向車のライトが消されていると、交差点での右左折時に距離感が狂うからだ。
なかなか止まらない、スピードは出ない、到着時間は守らなければならない、430で休憩は必須。こんな状態でもトラックドライバーは必死にスケジュールを守るために走り続けているのだ。



