【生中継】おもてなし日本一の老舗旅館「加賀屋」 地震損壊の建屋解体へ 再建が石川・和倉温泉の復興シンボルに
市川 栞 キャスター:
私は今、石川県七尾市の和倉温泉に来ています。そして正面に見えるのが、おもてなし日本一の旅館として、多くの温泉客から愛されてきた老舗旅館の加賀屋です。温泉街の中心に位置し、長年、和倉温泉のランドマークとして親しまれてきた建物は、4月から解体工事が始まります。解体前に、建物の内部に入らせていただきました。
中に入るとすぐに目に入ってきたのは、瓦礫とガラスの山です。
幸いにして、当時の宿泊客や従業員にけがなどはありませんでした。
また、宿泊客の目を楽しませてきた輪島塗などの装飾も、現在は撤去されていました。
4棟の建物からなる加賀屋全体が中規模半壊の認定を受け、4月から解体作業が始まります。
現在の本館は、2031年春ごろに解体工事を完了する予定ですが、その後の跡地の活用法は決まっていません。
加賀屋本体の新旅館は、現在の本館からほどちかい、別の土地に建設される計画となっています。
こちらが、和倉温泉の加賀屋グループの全体図です。
改めて整理しますと「加賀屋」本体は解体。そして「松乃碧」があった場所に、新しい加賀屋が建設されます。
「あえの風」と「虹と海」は現在の場所での再開を目指していて、4つあった旅館が、3つになって再スタートを切ります。
しかし、従業員の人手不足などにより、いずれの施設も規模は縮小する方向で、加賀屋本体も233室から、40室程度まで部屋数を減らす計画です。
当初は、2027年末の営業再開を目指していましたが、資材の高騰などにより、後ろ倒しとなる見込みだということです。
26日は、解体に向けた清祓の儀が行われました。
この日の式に集まったのは、約200人の関係者たち。
中には、加賀屋のOB・OGたちの他、現在は別の施設などに出向している従業員の姿もありました。
グループ全体の従業員713人のうち、110人が外部出向するなどして、再開までの間の雇用を維持しています。
また、4月3日からは、加賀屋内の飲食施設「とと楽」を食堂として独立させ、営業を開始します。
こうした雇用維持のための努力は、全て旅館の再開に向けてです。
従業員:
「建物がなくなっても加賀屋の心は生きている。あしたからでも営業できる」
この日を一つの節目として、今後、加賀屋はどのような復興の道を歩んでいくのか。その展望を渡辺崇嗣社長に伺いました。
加賀屋・渡辺 崇嗣 社長:
Q. いよいよ解体が始まるが率直な気持ちは?
「解体が始まる私たちとしては、悔しい思いとさみしい思いが正直。営業できないまま解体となることについて、悔しい思い、残念な思いが率直なところ」
Q. 新しい加賀屋はどんな姿に?
「今までの加賀屋と比べると部屋数も減って、ダウンサイジングせざるを得ないが、逆に加賀屋の魅力、おもてなしや料理を打ち出させていただいているが、それをしっかり凝縮して、皆さんに旅館の良さ、能登の魅力を感じていただけるようにしたい」
Q. 能登・和倉温泉にとってどんな新しい加賀屋に?
「和倉温泉街としても中心部なので、旅館としての営業再開もですし、旅館に限らず物販・食事処含めて、少しでも和倉温泉のにぎわいにお役に立てられれば」
市川:
集まった方々から「再出発」という力強い言葉を何度も耳にしました。そして、渡辺社長の言葉にもありましたが、加賀屋の再建は和倉温泉全体の復興へのつながりも期待されています。
現在、和倉温泉で、一般客の受け入れを再開している施設は、全体の半数以下、9施設に留まっています。和倉温泉の旅館協同組合では、2028年の全施設再開を目指して復旧工事を進めています。
現在は灯りの少なくなった和倉温泉ですが、加賀屋、そして和倉温泉の再建が能登の復興への道を照らすともしびとなることが期待されます。
私たちはこれからも和倉温泉の、そして能登の復興を見つめ続けていきたいと思います。
