20代の約7割が「残業月20時間」で“働きすぎ”と実感 「挨拶待ちの時間による残業が発生している」の声も

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人材会社のジェイックは3月10日、「“働きすぎ”の境界線」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2026年2月9日から2月14日にかけて、同社の就職支援サービスを利用して就職・入社した20代の正社員142人を対象にネット上で実施した。

20代正社員の約7割が月20時間以上の残業で「働きすぎ」と感じており、法定上限である月45時間との間に大きな認識のギャップがあることが明らかになった。

約8割が「月45時間」を下回る水準で働きすぎと実感

自身の働き方について、「働きすぎでワークライフバランスが保てていない」と感じることが「時々ある」「頻繁にある」と答えた若手社員は合わせて3割以上にのぼった。

具体的に「働きすぎ」と感じる1カ月あたりの残業時間を尋ねると、「20〜30時間未満」が24.6%、「30〜45時間未満」が23.2%、「45時間以上」が19.7%、「10〜20時間未満」が18.3%、「10時間未満」が14.1%という結果になった。全体の約7割にあたる67.5%が「20時間以上」の残業で働きすぎと感じていた。

また、法定の残業上限である原則月45時間を下回る水準で「働きすぎ」だと感じている回答者が約8割(80.3%)にのぼり、従来想定されてきた長時間労働の基準よりも若手社員の心理的な許容ラインは低い傾向にあるようだ。

「朝礼での企業理念の唱和」や「紙ベースの書類の回覧や対面での会議」にも不満

残業時間の長さ以外で精神的・肉体的に働きすぎだと感じる要因としては、「過度なマルチタスク」と「休みの少なさ」がそれぞれ51.4%で過半数を占めた。さらに「適切な教育やサポートがない状態で責任が重い仕事を行う」が47.2%と続いている。

職場で日々感じている不満の自由記述では、「朝礼での企業理念の唱和」や「紙ベースの書類の回覧や対面での会議」「挨拶待ちの時間による残業が発生している」といった、非効率な慣習やアナログな業務環境を指摘する声が多数寄せられている。

一方で、忙しくてもこれなら前向きに頑張れると思える状況について聞くと、「仕事量や成果に見合った昇格・給与が期待できる」といった対価を挙げた人が43.0%で最多となった。

次いで「将来のキャリアに役に立つスキルが磨けている」といった成長が18.3%、「上司や顧客から直接お礼を言われる」といった感謝が16.2%と続いた。「どのような状況でも過度な忙しさは避けたい」と答えた人は9.9%にとどまっており、ただ業務負荷を減らすだけでなく、適切な対価や成長実感があればモチベーションを維持できる若手社員が多いことがうかがえる。

なお、会社に求める業務負荷を減らすために有効だと思う取り組みとしては、「人員補充による一人あたりの業務量分散」が40.1%で最も多く、「ITツールやAIの積極導入による単純作業の削減」が26.8%で続いた。人員補充という根本的な解決策に加え、デジタルツールを活用した業務効率化への期待の高さが示されている。

同社取締役の近藤浩充氏は調査リリースの中で、「“働きすぎ”の基準は『労働時間の長さ』だけでは測れない実態が浮き彫りになりました」と指摘する。

デジタルツール等による業務効率化は前提とした上で、「重要なのは、若手社員が“成長している実感”を持てる環境をつくることです」と説く。こうした「“成長を起点としたマネジメント”へと転換できるかどうかが、組織全体の生産性と定着率の向上を左右する鍵になるでしょう」と分析している。

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