「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン2025」で行われた『スター・ウォーズ:アソーカ』のパネル

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 千葉・幕張メッセで開催中の「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン2025」。4月19日に行われた『スター・ウォーズ:アソーカ』のパネルに、アソーカ役のロザリオ・ドーソン、製作総指揮を務めるデイヴ・フィローニとジョン・ファヴローが登壇した。

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 アニメーション作品『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』で初登場したアソーカ・タノは、かつてアナキン・スカイウォーカーの唯一の弟子であった伝説の“元”ジェダイ。『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の5年後以降、帝国崩壊後の銀河を舞台に、そんなアソーカの物語が描かれる。

 冒頭、フィローニはアソーカというキャラクターのルーツについて言及。頬に描かれた2本の狼の牙の模様は、宮粼駿監督の『もののけ姫』に登場するサンへのオマージュであると明かした。「アニメーション出身の自分にとって、『もののけ姫』は指針のような作品でした。アソーカが狼に乗るイメージも、ずっと温めてきたアイデアだったんです」と話し、日本のファンから大きな拍手が送られた。

 実写版アソーカを演じたドーソンの起用は、彼女自身がSNSに投稿した「#AhsokaLives」という言葉がきっかけだった。ファヴローとフィローニはその熱意に応える形でZoomで接触。ドーソンは「アソーカのイラストが自分の顔になっていて驚きました。Wi-Fiの調子が悪くカメラをオフにしていたんですが、通話中は飛び跳ねていました」と振り返った。

 アソーカとアナキンの再会が描かれ、大きな反響を呼んだシーズン1。中盤、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』からアナキンを続投しているヘイデン・クリステンセンがステージに現れると、会場に集まったファンからは割れんばかりの大歓声が巻き起こった。

 クリステンセンは「クローン・ウォーズ時代のアナキンを実写で演じる機会が来るとは思いませんでした。アニメシリーズで描かれた彼がいかに英雄だったか、それを再現できたのは夢のようでした」と語る。フィローニも「アナキンはジョージ・ルーカスが最も大切にしたキャラクター。彼を再び登場させるには、絶対に道を間違えたくありませんでした」と語り、2人の深い信頼関係が作品の核となったことを明かした。そして、クリステンセン演じるアナキンがシーズン2にも登場することを明かした。

 またフィローニは、2023年に亡くなったベイラン・スコール役のレイ・スティーヴンソンについても言及。フィローニは「ベイランはアソーカのダークミラーとして物語にとって不可欠な存在でした」と述べ、キャラクターの旅路はシーズン2以降も続くと明言。後任をとなるロリー・マッキャンがベイラン・スコールに扮したスチールがスクリーンに写し出されると、会場からは大きな拍手が贈られた。フィローニは「ロリー・はレイの精神を理解し、演技に反映できる俳優。彼自身もレイに対する深い敬意を抱いています」と語った。ドーソンも「20年前に共演したことがありますが、本当に優しくて強さと優雅さを兼ね備えた人物」と述べ、マッキャンへの信頼を口にした。

 フィローニはアソーカの存在意義について「彼女は戦士でありながら導く者。旧ジェダイの教義に縛られず、自らの道を切り開く存在です」と語る。「希望と訓練、そして忍耐。それを体現するキャラクターがアソーカなんです」と断言した。ドーソンも「かつては教えることを恐れていたアソーカが、いまはサビーヌや次世代に知恵を託そうとしている。その変化が演じていて嬉しかった」と語った。

 フィローニはさらに、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』で反乱軍のリーダーだったアクバー提督が再登場することも明かした。フィローニはアクバー提督の代名詞となっている「It's a trap!(罠だ!)」の台詞は、我慢して書かなかったと言い、笑いを誘った。シーズン2ではアクバー提督とスローン大提督の対決が描かれるとのこと。

 パネルの最後には、これから撮影に入るためまだ一度もカメラを回していないという状態ながら、フィローニが用意した“レトロ調ティザー映像”が上映された。『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』が発表された当時のトレーラーを彷彿とさせる仕掛けで、観客は拍手と歓声に包まれた。「アソーカは、アナキンの教えを受け継ぎ、ジェダイの伝統を超えて未来に希望を託す存在」とフィローニは語る。アニメと実写をまたぎ、世代と世代をつなぐ『アソーカ』の物語は、シーズン2でさらに広がりを見せていく。

 なお、『スター・ウォーズ:アソーカ』シーズン2は、2026年にディズニープラスで独占配信されることも決定した。

(取材・文=宮川翔)