「全国制覇」していない意外な飲食チェーンとは(画像はイメージ)

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これから迎える新生活シーズン。見知らぬ地域で暮らすことになる人は、当たり前にあると思っていた飲食チェーンが出店しておらず、驚く機会があるかもしれない。

そこで「全国チェーン」ではあるものの、全47都道府県に店舗があるわけではない有名飲食チェーンを紹介する。

「牛丼御三家」で唯一全国制覇していないのは...

イタリアンレストランチェーンの「サイゼリヤ」は、安価な値段でパスタやピザなどのイタリア料理が楽しめることで知られる。しかし、23年1月25時点(以下同)で出店しているのは38都道府県。青森と香川以外の四国3県、長崎、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の9県には店舗が存在しない。ただ、21年には秋田、22年には岩手、鳥取、島根、香川へ進出。23年2月1日には青森への進出を発表するなど、近年は未進出エリアに出店する動きが相次いでいる。

牛丼チェーンの「松屋」は吉野家、すき家と並ぶ「牛丼御三家」の一角だ。しかし、吉野家、すき家はそれぞれ全都道府県に出店しているのに対し、松屋は42都道府県にとどまる。店舗がないのは鳥取、島根、高知、佐賀、長崎の西日本5県だ。佐賀と長崎にはかつて店舗があったものの、現在は閉店している。

回転すしチェーンの「かっぱ寿司」は、2000年代に業界トップの売上高を記録するなど、回転すしブームをけん引してきた。しかし、ライバルのスシロー、くら寿司、はま寿司といったチェーンに追い抜かれ、現在は業界4位に。出店エリアも、上位3チェーンがいずれも16年以降に全国制覇を果たしているが、かっぱ寿司は33都府県だ。

京都発祥の中華料理チェーン「餃子の王将」の進出エリアは全国38都道府県だ。未出店9県のうち、青森、秋田、岩手、山形、福島の東北5県が占めている。一方で、餃子の王将からのれん分けした大阪発祥の「大阪王将」は全国43都道府県に展開。こちらは餃子の王将とは対照的に、東北全県に進出している。

全国制覇まで「あと一歩」のチェーンも

あと一歩で「全国制覇」となるチェーンもある。

1998年創業のとんかつチェーン「かつや」は、長崎県と沖縄県を除く45都道府県に進出している。20年には鳥取県、22年には島根県と、長年空白地帯だった山陰2県に出店しており、全国制覇は目の前に迫っている。

香川発祥の讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」は佐賀県と宮崎県を除く45都道府県に出店。なお、ライバルである兵庫発祥の讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」は11年に全国制覇を達成している。

ハンバーグレストランの「びっくりドンキー」は鳥取と島根を除く45都道府県に進出。22年には未進出だった徳島県に「上陸」している。長崎ちゃんぽん専門店の「リンガーハット」は福井県と島根県を除く45都道府県に出店している。

過去に全都道府県進出を達成しながら、その後展開エリアを減らしてしまったチェーンもある。

中華レストランチェーンの「バーミヤン」は05年に青森県へ進出し、全47都道府県への進出を達成した。しかし、運営するすかいらーくグループの事業改革により、同社のファミレス「ガスト」などへの業態転換が進められ、現在は31都道府県で営業している。

ステーキチェーンの「いきなり!ステーキ」は13年12月に東京・銀座に1号店を出店後、破竹の勢いで全国へと展開。18年11月に秋田県へ進出し、5年足らずに全国制覇を達成した。しかし、19年には「お客様のご来店が減少しております」と書かれた社長自筆のメッセージが店舗に掲げられるほど客離れが進行。店舗の閉店も相次ぎ、展開エリアは41都道府県まで減少している。

カフェチェーンの「ドトール」は15年に島根県に進出し、全国制覇を達成した。しかし、その後滋賀県内にある店舗が閉店したため、同県のみ「ドトール空白地帯」となっている。

また、近年47都道府県進出を達成したチェーンとしては、ファミリーレストランの「ココス」(17年)やカフェチェーンの「コメダ珈琲店」(19年)などがある。