“キープされる女の特徴6選”に全部あてはまった女。逆転のため自分に課したルールとは?
「彼って…私のこと、どう思っているんだろう」
連絡は取り合うし、ときにはデートだってする。
自分が、相手にとっての特別な存在だと感じることさえあるのに、“付き合おう”のひと言が出てこないのはどうして?
これは、片想い中の女性にとっては、少し残酷な物語。
イマイチ煮え切らない男性の実態を、暴いていこう。
▶前回:「またDMで連絡するね」LINEを避け、DMでやりとりしたがる彼。その理由とは…?

キープされたままじゃ、終われない(ゆづる・28歳)の場合
― あー、ダメッ!眠れない…。
私は、なかなか寝つけずにいた。
ベッドの中から手を伸ばしたのは、枕もとで充電していたスマホ。
すると、ニュースサイトのトピックスにこんな記事を見つけた。
“キープされやすい女性の特徴6つ”―。
吸い寄せられるように、ピタリと指先が止まる。
食い入るようにタイトルを見つめてから、大見出しの1つ目をボソッとつぶやいた。
「LINEがきたら、即レスする女」
― 即レスするでしょ、好きな人からLINEがきたら!逆に、駆け引きするほうが嫌じゃない。
納得がいかず、強気で突っ込みを入れる。
だが、2つ目、3つ目と見出しを読み進めていくうちに、シュンと気持ちがしぼんでいった。
うまくいかない片想いに悩む女性にとって、あまりにも辛辣なことが書かれていたからだ。
“男性からキープされやすい女性には、ほかにもこんな特徴があります”―。
記事は、こう続ける。
「SNSの更新頻度が高い、構ってちゃん」
「1人でいたくない、寂しがりや」
「自分に自信がなくて、自己肯定感が低め」
「押しに弱くて、NOと言えない」
「相手のことが好きすぎて、好意があからさま」
ひと通り読み終えた私は、小さなため息を漏らした。
― これって全部、私のこと?ってことは、陸はやっぱり…。
片想い中の相手・陸の熱量が、ここのところ下降しているのには気づいていた。
LINEの間隔が少しずつ開くようになっていたし、デートの誘いもグッと減った。ストーリーズを投稿しても、足跡がつかない。
すっかり脈ナシなのかもしれない。ところが、諦めようとした途端に、向こうから連絡がきたりする。それで、諦めきれなくなる。
― やっぱり、この状況って…彼からキープされているってこと?
たしかに陸にしてみれば、私はただの都合のいい存在かもしれない。けれど、こちらからすれば、すでに片想いが始まっているのだ。
キープされるなんて、悲しすぎる―。
もやもやした私は、ある行動にでることにした。

陸との出会いは、2ヶ月半前。
ビアフェスの会場だった。
友達と2人で、クラフトビールを片手に、座れる場所を探していると―。
「相席でよかったら、ここへどうぞ!」
声をかけてきたのは、白い半そでシャツに、ベージュのハーフパンツを合わせたさわやかな男性。
先に陣取っていたテーブルに、相席させてくれたのが陸だった。
気づけば、彼の友達を含めた男女4人で談笑していた。ビアフェスに来ているということは、全員がビール好き。盛り上がるのは当然だ。
それぞれにInstagramをフォローし合うと、さっそく夜に、陸からダイレクトメッセージが送られてきたのだった。
ほどなくしてLINEのIDを交換。デートを重ねるような関係になった。
私より5歳上で金融関係の仕事をしている陸は、穏やかそうな雰囲気とは正反対で、アプローチが積極的。
連絡をマメにくれたし、食事にもよく誘ってくれた。
…ただ、熱が冷めていくのもまた、驚くほど早かった。

彼の好意が薄れてきている。
それをはっきりと感じ取ったのは、5回目のデートの直前だった。
陸:ごめん!約束してた週末なんだけど、ちょっと都合が悪くなりそうなんだ。
ゆづる:そっか、わかった!私なら大丈夫だから、気にしないでね。
こちらの気持ちは、今まさに盛り上がり始めてきているところだというのに、まさかのドタキャン。
不安と不満をひた隠しにして、続けてLINEを送る。
ゆづる:でも、来週には会えたら嬉しいな。予定がわかったら、教えてね?
だが、LINEは既読スルーされたまま、2週間が経ってしまったのだ。
◆
“キープされやすい女性の特徴”という記事にハッとした私は、決めた。
― 記事にある特徴とは、正反対の行動をとろう。
結果、陸の気持ちが、ふたたびこちらに向くのか。それとも、このまま距離が開いていって、何も始まらずに終わってしまうのか。
とりあえず3ヶ月を期限に、様子をみようと考えたのだ。
キープの状態から逆転するために、自分なりに考えた結論はこうだった。
― 1人の時間を充実させて、精神的にも自立した女になる!
そこで、詳しくマイルールを定めた。
常に気にしていたLINEの通知を、思い切ってオフ。友達との付き合いもあるが、1日1回しか、アプリを開かない。
Instagramは、ログアウト。投稿をパタリとやめると決めた。
はじめのうちは、手持ち無沙汰になって、スマホに手が伸びる回数も多かった。けれど、1ヶ月も経つと次第に慣れる。
空いている時間には、自炊かウォーキングをすることにした。通信講座で、栄養学の勉強も始めた。
実は私は、料理スタジオで受付の仕事をしている。スキルを高めれば、私だって講師を目指せるかもしれないと思ったのだ。
― なんだか、最近あまり落ち込まないんだよね。ちょっとしたことでも、楽しいって感じる!
運動をすると、気分が晴れる。体も絞れて、腹筋にはきれいな縦線が入った。生理前には必ずできていたニキビも、しばらく顔を見せない。
ここにきて、絶好調だ。
結局、よくない妄想をしたり、考え過ぎて不安になったりするのは、暇なときなのだ。
ふと気がつけば、とっくに3ヶ月が経っていた。

― そろそろ、SNSも解禁…っと。
私が2枚の写真をストーリーズに投稿した、そのすぐあと。
真っ先に反応してきたのは、なんと陸だった。
陸:ゆづるちゃん、久しぶり!元気だった?
LINEは、私の返事を待たずに、立て続けに送られてくる。
陸:よかったら、またご飯でも行こう。直近だと、いつが空いてる?
ゆづる:久しぶりだね。元気だよ!しばらくは予定があって忙しいから、また連絡するね。
― そういえば、誘いを断ったのって…初めてかも。
これまでは、恋愛をうまくいかせるために、好きな相手のことを最優先してきた。そのせいか、最終的にはいつも優先順位を下げられて終わってしまっていた。
今は、まるで違う。
もう陸のことを振り向かせたいとか、そんなことは考えていない。
タイミングが合ったときに、会いたい気持ちがあれば…くらいに思えるようになっていた。
もし自分のことを適当に扱ってくるなら、関わらなくていいとさえ思っている。
自分が好きな自分で、自分の人生を目いっぱい楽しむ。
まずは、それが大事。
今の私は、恋が中心ではない毎日に、清々しさを感じているのだ。

1度貼ったキープのレッテルは簡単には剥がせない、だけど…(陸・33歳の場合)
― そういえば最近、ゆづるちゃんから連絡がこないな。
ふと気づいた僕は、おもむろにLINEを開いた。
トーク履歴を見てみると、彼女と最後にやり取りをしたのは、3ヶ月近くも前だった。
しかも、僕がゆづるの誘いを無視するようなかたちで終わっている。
悪いことしてしまった―。
彼女を傷つけてしまったことを反省するのと同時に、ふと近況が気になった。そこで、ゆづるのInstagramを覗きにいったのだが、更新もピタッと止まっている。
― あれ?インスタも全然やってないんだ。
僕はなんだか急に、ゆづるのことで頭がいっぱいになり始めた。
その数日後。
“今日のご飯!”
焼き魚が主菜の和食の写真が、彼女のストーリーズに投稿された。
もう1枚の“トレーニング中”という写真には、引き締まった体で、トレーニングウェアを着こなすゆづるがいた。
― すごく…いい感じじゃないか。
出会ったころの彼女は、なんていうか可愛らしい子で、恋愛に一生懸命な印象だった。
だから、親しくなるにつれて、真剣に交際する相手として見ることができなくなっていた。いわゆるキープの状態にしていた理由は、顔が好みのタイプだったからだ。
たまに会えたらいいなというズルい気持ちがあった。
ところが今は、まったくの別人…とは言わないが、雰囲気がずいぶん変わったように思う。
料理スタジオの受付の仕事から、講師を目指していろいろ勉強もしているようだ。
本来なら、1度貼ったキープのレッテルは、簡単には剝がすことができない。だが、相手が外見も内面も、魅力的にアップデートしてきた場合は例外だ。
今のゆづるが、まさにそう。
思わずこちらからLINEをしてしまった。…が、誘いをあっさりと断られた。
何だか楽しそうで、僕のことなんてそっちのけだ。
― それくらいがいいんだよな。
一度身を引いておいて勝手なうえに、のん気かもしれないが、ふたたび彼女にアプローチをしようか、真剣に悩んでいる。
Fin.
▶前回:「またDMで連絡するね」LINEを避け、DMでやりとりしたがる彼。その理由とは…?
▶1話目はこちら:既読スルーばかりのカレ。「熱がでた」と送ってみると、予想外の反応で…

