「どう見ても下着…」スリップドレス、なぜ流行? 絶対着ないと思っても「実は他人事じゃない」ワケ
しかし、スリップドレスはもともとはインナーウェア。なぜこうも“下着ファッション”が流行るのでしょうか。そして、おしゃれに昇華できず、下着っぽく見えてしまっている人とそうでない人の違いは、どこに出てくるのか、解説していきたいと思います。
◆今年はスリップドレス。なぜ流行る?
爆発的に人気かというと、そうではありません。実際に街中で下着ファッションを取り入れている方は、都心の繁華街を中心に時々見かけるくらい。しかし、間違いなく10年前よりも露出ファッションは増えています。流行の理由は様々ですが、2026年現在は「隠すファッション」から「露出するファッション」への移行期まっただ中であることが影響しています。
◆若者には新鮮、大人には懐かしい、露出ファッション
今から10年前の2016年は、オーバーサイズな服、ロング丈のボトムスなど「隠すファッション」が中心でした。この「体を隠すスタイル」が定着すると、ファッション界では新風を巻き起こすべく、今度は反対の「見せるファッション」を提唱しはじめます。これが、流行はめぐると言われる所以(ゆえん)ですね。
そうしたトレンドの巡りによってやってきた「露出するファッション」のブームは、2000年代初期以来。隠すファッションで育ってきた若者にとってはシンプルに新鮮で興味深いものとなり、大人世代にとっては海外ドラマの『セックス・アンド・ザ・シティ』や『ゴシップガール』を観ていた、“あの時代”を懐かしむような気持ちになるのではないでしょうか。
◆下着見えしてる人、そうでない人の違いは?
とはいえ、下着要素の強いアイテムをファッションとして楽しむ……というのは、なかなか高度なテクニックを必要とします。かわいいからという理由で安易に取り入れてしまうと、知らず知らず恥ずかしい格好に仕上がってしまうかもしれません。
スリップドレスはとくに、インナーウェアの定番であるサテン素材やレースを使ったアイテムがほとんどですので、デザインそのものが直感的にナイトドレスを彷彿とさせます。そのため、一枚でスタイリングを完成させてしまうと、ランジェリーの生々しさが出やすいので注意ですね。そして、胸元の谷間も見えていると下着感がMAXに。
スリップドレスの下にパンツをはいたり、上からジャケットなどのきちんと感のあるアイテムを合わせたりすると、下着見えが薄まっていきます。とくにスリップドレスは、ボトムスにパンツを合わせるだけでもグッと見た目に変化が出るので取り入れてみましょう。
◆過熱する露出服は、アパレルの戦略
今回ご紹介したようなアイテムを、そもそも手に取ろうと思わない40代の女性も多いはず。しかし、自ら進んで買わずとも、何度も見かけると目が慣れるものです。すると露出の概念も、自分では気付かない間に甘くなりがちになります。
しかも、アパレルブランドは突飛なデザインを何食わぬ顔で店頭に置くことがあるので、ご自身の服装の露出に対するジャッジが緩くなった結果、周囲をギョッとさせてしまう……ということがないように気をつけたいものです。
数あるトレンドの中でも、ランジェリー風のファッションアイテムとは特に、適切な距離を持って付き合っていきましょう。
<文&イラスト/角佑宇子>
【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105


