世界最高峰のツアーが新たなシーズンを迎えた。畑岡奈紗、笹生優花に加え、今季は古江彩佳と渋野日向子が昨年末のQシリーズ(最終予選会)を突破し参戦。日本時間の今夜からシーズン2戦目が開幕する。そこで、米ツアーを放送するWOWOWでラウンド解説を務め、自身も米ツアーで戦った経験を持つ片平光紀に2戦目の展望を聞いてみた。
■笹生優花がショット力を武器に今季初Vへ
笹生は先週のシーズン開幕戦で上位争いを演じ6位で終えた。初日から好調をキープし、優勝こそ逃したが、今季を占う上でポジティブな要素が多かったと片平は語る。
「先週はドライバー、ユーティリティ、ウェッジ、ボールを替えてはじめての試合でしたが、特にドライバーが飛んでいて曲がらずに安定してしました。初戦から笹生選手らしい、パワフルなゲームをしていたのではないかと思います」(片平)
実はこの開幕戦のスタッツを見ると、ティショットのスコアへの貢献度は笹生が1位。ネリー・コルダ(米国)、ブルック・ヘンダーソン(カナダ)らを抑えて強さを誇示した。
今年からキャロウェイゴルフと用具契約を結んだ笹生。まだまだ調整している部分もありそうだが、結果としてはショット力をさらに引き上げる効果があったと見てよさそうだ。
「さらに、今週のコースと相性もよさそう」と片平の期待も膨らむ。「タイトな感じのコースではありません。グリーンは縦長が多く、アンジュレーションも多いので、ピンと同じ面に乗せることが重要です。そういう意味でセカンドショットがカギを握るコースといえますが、距離も長いワケではなく、笹生選手なら短いクラブを使って高い球でピンを狙えます。たとえピンに近いほうに外しても、アプローチもうまいので、攻めていけるコースです」(片平)
飛んで曲がらないドライバーに加え、正確なショットでピンを攻めるゴルフができれば好スコアが期待できそうだ。「先週は少しパッティングが決まりませんでしたが、初戦でしたし感覚も合ってくれば問題ないのかなと思います。ラウンド終了後はショットをせずにパッティング練習だけの日もありました。しっかりと慣れて、調整してくると思います」と今週はその成果も出そうだ。
■フルフィールドの試合で畑岡奈紗もギアアップ
今季初戦は思うような結果を出せなかったものの、開幕戦最終日には「ラウンド中にいろいろ試せた」と前向きな言葉を残した畑岡。今週の舞台であるボカ・リオGCは、20年大会が開催されたコースだ。そのときは最終日にチャージをかけて、17番終了時点で首位に並びながら、最終ホールで短いパーパットを外し1打及ばず2位。それでも、コースに対しては好印象を持っていると話した。
「終盤の17番、18番は池が絡むホールです。最後にプレッシャーがかかったときに、しっかりしたショットを打てるかどうかです」と片平が解説するように、17番のパー3は右サイドからグリーン奥まで池が待ち構え、18番のパー4も右に池が控える。2年前に悔しい思いをしたコースであると同時に、「マネジメントが大事なコースですが、畑岡選手はそれができる選手。上位争いに加われると思います」と期待を寄せる。
開幕戦は3日目の後半に失速したため、上位争いに加わることなく終わったが、「前週の課題をしっかりと次に生かせるのが畑岡選手」。力を出し切れなかった一戦から短い時間でどう調整してくるのか。「先週はプロアマ戦でしたが、今週は120人のプロが集まるので、畑岡選手らしい集中力も高まるのではないでしょうか」。2年前のリベンジに向けて“試合モード”の畑岡からも目が離せない。
■まるでインビー・パークのような古江彩佳
日本の両エースとともに、いよいよ古江が米ツアーメンバーとしての初戦を迎える。昨年末のQシリーズを難なく突破。2コースを4日間、2週にわたって8ラウンドをこなし、見事に出場権を獲得した。
「アラバマ(Qシリーズの会場)のコースは起伏も激しくて、平らなライから打たせてもらえないというなかで、長いクラブでもしっかりとピンに寄せていましたし、アンジュレーションがあるグリーンでも強めにヒットできていました」。長丁場の過酷な戦いで見せた古江のプレーには、片平も舌を巻いた。
昨年の国内ツアーでシーズン最優秀選手賞を獲得。穴のないプレースタイルが持ち味だが、「メンタル面も本当に強いと思います」と、Qシリーズを見た片平は“ある選手”に似ていると明かす。「インビー・パーク選手に似ていますよね」。
「古江選手はイライラすることがないように見えますし、常にメンタルをコントロールしていました。平常心で、ぜんぜん動揺しないんです」と心の持ちようもそうだが、「プレースタイルも似ていますよね。飛距離はそこまで出ませんが、正確なショットと強気なパット。いきなり活躍してもおかしくないと思います」(片平)
古江の出場優先順位からすれば、最初のリシャッフル(出場優先順位の入れ替え)が行われる5月まではほとんどの試合に出場が可能。「前半戦で早く慣れることができれば、常に上位でプレーする力はあるのではないでしょうか」。今回は出場権が下りてこなかった渋野日向子を含め、日本のトッププレーヤーが集まる米ツアー。「年間で2勝ずつくらいしてもらいたいですよね(笑)」と、日本のファンととともに、片平も22年の日本勢躍進を楽しみにしている。
解説:片平光紀(かたひら・みつき)
1989年9月4日生まれ、神奈川県出身。中学卒業後に渡米し大学まで米国で過ごす。米国女子ツアーの予選会に挑戦し、下部ツアーを含め2年間戦うが、ケガのためツアー参戦を断念し、リポーターの仕事に就く。世界女子アマチュアランキングの初代1位。

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