恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。

仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。

しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。

どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

今回既読スルーだったのに、半年後に突然女が連絡して来たのはナゼ?という宿題を出していた。

あなたはこの宿題が解けただろうか?




篤人と出会ったのは、半年前に友人が開催した食事会だった。その時の私は、彼氏と別れてまだ2ヶ月しか経っておらず、半分躍起になってかなりの頻度で食事会へ顔を出していた。

正直に言うと、篤人の印象は至って普通であり、私の中では“良い人”という印象で終わっていた。

そんな食事会の翌日に来た、篤人からの個別お誘いLINE。

-篤人:昨日はありがとう!よければ、また今度二人でご飯へ行かない(^^)?


大手商社勤めの31歳、独身でいい人なのは分かっている。けれども、心トキメクこともなく、二人でデートするほどでもなかった。

ハッキリと断るのも申し訳なく、なんと返信を打つべきか考えているうちに日は経っていき、結果として“既読スルー”になっていた。

しかしその半年後。

私は自分から篤人に連絡をし、そこからデートにまで漕ぎ着け、そして交際を始めようとしている。

半年前はダメだったのに、どうして今はいいのか?

その答えは、私の年齢と女の身勝手さにある。


一度は既読スルーだったのに、そこから復活したのはナゼ?


解説1:過去に出会った男性を、今一度再検討してみたから


それは先月のことだった。

食事会ラッシュも少し落ち着き、ふと周りを見渡した時。気がつけば、新たな出会いも段々と減っており、手持ちの食事会相手のカードは私も友人も、既に出し尽くしていたことに気がついたのだ。

「20代後半、特に30代に入ると出会いが一気に減るよ」。

まだ私が20代前半の時に先輩から言われたこの言葉を、不意に思い出す。

この東京にいる限り、出会いなんて毎日あるし、それはエンドレスに続いていくと信じて疑っていなかった。

しかし、今なら先輩の言葉が痛いほど良く分かる。

先月で29歳になったのだが、確実に食事会の開催頻度は落ちている。また周囲は続々と結婚が決まって既婚者になっていき、そもそも食事会へ誘う女友達さえ減っていたのだ。

「やばい、このままだと一生彼氏できないかも」

貴重な同世代の女友達・真由美に言うと、彼女は笑ってこう教えてくれたのだ。

「新規ばかり狙っていたら、そりゃ人数は減っていくよ。ベストなのは“昔会った男たち”の中から探すことらしいよ。意外な掘り起こし物件が出てくるかもしれないし」

真由美の言葉に、私は目から鱗だった。そうか、その手があったのか。

こうして、私は過去に出会った男性達の中から、今でも独身で、かつ良い人を掘り起こしていったのだ。

そしてそこに引っかかった一人が、篤人だ。

前回既読スルーにしたままだった篤人に、思い切ってLINEを送ってみた。“今度一緒に飲みませんか”と。

すると篤人は、前回の既読スルーに触れることもなく、すぐに承諾してくれた。そして私たちは、恵比寿にある『YAKITORI 田崎』で2対2の食事会をすることになったのだ。




「篤人くん、久しぶり!」

「朱莉ちゃん、久しぶりだね〜半年ぶりくらい?前回既読スルーだったから、完全に相手にされていないと思っていたよ(笑)」

篤人の言葉に、私は申し訳なくて下を向く。

あの時は彼氏と別れたばかりでまだ現実が見えておらず、男なんてすぐできると思っていた。実際に沢山連絡が来ていたので、篤人よりももっと条件の良い人を求めていたのも否めない。

「ひゃあ〜失礼なことしてごめんなさい!ちょっと半年前は忙しくて・・・」

本当の理由は、決して仕事ではない。だけど傷つけないように言葉を選んで答えた。

それにしても、自分の掌の返しようには笑ってしまう。本当に、申し訳ない限りだ。

「へ〜じゃあ半年前に二人は会っていたんだ」
「そうなんですよ。その時はあまり話していなかったんですが・・・ちょっと仕事が落ち着いたので、久しぶりに連絡させて頂きました」

実際は少し違うが、曖昧に言葉を濁すしかない。

「そっかぁじゃあ久しぶりの再会に乾杯だね!」

そんな女の本心とは裏腹に、篤人が連れてきてくれた友達の健太もノリが良く、食事会は楽しく進んでいく。

「じゃあ朱莉ちゃんも真由美ちゃんも、今は彼氏いないの?」
「そうなんですよ〜お二人は?」
「僕たちもいないよ。ちなみに、どれくらい前からいないの?」
「私は8ヶ月くらい前かなぁ。真由美はどれくらいだっけ?」

そんな会話をしつつ、篤人を改めて見つめてみる。総合商社勤務で爽やかな31歳。しかも独身、会話も面白い。

-あれ?篤人さんって、こんなにいい人だったっけ・・・?

一度会っただけでは気づかなかった。しかし二度会ってみると、様々なことが分かってくる。

初回では分からなかったが、篤人は優しくて良い人なだけでなく、意外に仕切り上手で頼り甲斐があった。前回は先輩といたせいかひたすら先輩に気を使っていたようだが、今回の食事では同期だからなのか、篤人の素が垣間見られる。

そして私は、更に篤人との仲を深めていったのだ。


そしてここから、更に朱莉が積極的になった理由とは?


解説2:昔出会った男性の中に、意外に良い人は隠れている。


-篤人:昨日はありがとう!よければ、また今度二人でご飯へ行かない(^^)?


そんな楽しい食事会の翌日に来た、お誘いLINE。前回は同じ内容なので既読スルーしていたが、今回は違う。

-朱莉:いいですね、行きましょう!いつ空いていますか?


私の方も、ノリノリで返した。純粋にもっと篤人のことを知りたいと思ったし、正直に言うと彼のような人はもう出会えるかどうかも分からない。

しかもこのデートで、私は篤人の良さを更に知ることになるのだった。



篤人が予約してくれたのは、西麻布の交差点近くにある、昨年オープンしたばかりの『常(とわ)』だった。話題になっていたので名前だけは知っていたが、行ったことがなく、行きたいお店リストの中に入っていた。




「篤人さんって、良いお店知っているんですね!」

申し訳ないが、正直意外だった。そんな話をしていなかったし、どちらかというと店選びも他人任せのような雰囲気だったから。

「食べることが好きなんだよね。朱莉ちゃんも、好きだったよね?」
「そうなんです〜♡食の好みが合うって、大事なことですよね」
「分かる!そこは凄く大事。結婚するにしても、相手と食の相性が合わなかったら大変だしね」

-ちょっと待って。やっぱり彼、いいじゃん・・・

「ちなみに、今篤人さんって彼女いらっしゃるんですか?」
「今はいないよ」
「えーこんな素敵なのに。なんででしょうね?」

もう、これはチャンスしかない。

“東京にいると出会いは無限にある♡”なんていうのは、ただの幻想である。

意外に良い男はいないし、いたとしてもその数はかなり少なく、競争率は非常に高い。

それを悟った今、篤人はこの東京ではかなり希少な存在だ。

半年前の、“出会いは無限にある”と思っていた自分に喝を入れたい。そして、こう言ってあげたくなる。良い人は意外と身近にいるし、一つ一つのの出会いを大事にしろ、と。

「朱莉ちゃんも、今本当に彼氏いないの?信じられないよ」
「今は本当にいませんよ。でも、付き合うなら篤人さんみたいな人がいいなぁ〜」

同じ人や物を見るのでも、タイミングによって見方が変わってくる。

好きという感情は、非客観的で基準がブレやすいからこそ、一度会っただけでナシだと決めつけ、既読スルーで終わらせてしまうのは勿体無い。

そして何よりも、“堀起こす”という行為の中に、実は素敵な出会いが潜んでいるのだ。私は食事に舌鼓を打ちながら、そう悟ったのだった。

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ダメ元で誘ったのに、向こうからOKだったのは何故?