14日告示の世田谷区長選と区議選のポスター掲示場。定数50の区議選は、87の枠が用意されている

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「子どもの昼寝中、選挙カーで叫ぶのはやめて!」

 統一地方選の後半戦が4月14日に告示されますが、選挙カーから拡声器で候補者名を連呼する行為について、「うるさい」「はた迷惑」「保育園ではお昼寝の時間なのに」などの声がSNS上で上がっています。後半戦は、市町村議選や東京23区の区議選など候補者数が多い選挙が多く、不満が大きくなりそうです。選挙カーでの連呼行為について、総務省と現職市議に聞きました。

学校や病院周辺では静音保持に努める

 まず、総務省選挙課の担当者に聞きました。

Q.選挙カーでの連呼行為について、規制はないのですか。

担当者「公職選挙法140条の2第1項に、連呼行為についての決まりが書かれています。連呼行為は原則禁止なのですが、例外の一つとして、午前8時から午後8時に限って選挙運動用の自動車(選挙カー)などで連呼行為をすることができます。ただし、140条の2第2項で、学校や病院、診療所、その他の療養施設の周辺では静穏を保持するよう努めなければならないとしています」

Q.保育所(保育園)は静穏を保つべき場所に含まれていますか。

担当者「幼稚園の機能も持つ『幼保連携型認定こども園』は含まれていますが、通常の保育所は含まれていません」

Q.拡声器の使用は、どのような法的根拠で認められているのでしょうか。

担当者「公選法141条1項で、拡声器の使用が認められています」

Q.拡声器の音量に規制はないのですか。

担当者「公選法上、音量の規制は設けられていませんが、先述の通り、学校などの周囲では静穏に努める義務があります」

Q.選挙カーの音について苦情を訴えるとしたら、市区町村の選挙管理委員会になるのでしょうか。

担当者「何とも言いかねます。選管も指導する権限を持っているわけではありません。指導するには法律的根拠が必要ですが、拡声器の使用は法律上認められていますので…」

「配慮はするが、名前を浸透させたい」

 選挙を戦う当事者は、母親たちの声をどう受け止めるのでしょうか。熊本県玉名市の内田靖信市議(70)に聞きました。2017年10月の市議選で4回目の当選を果たしています。

Q.なぜ、連呼行為をするのですか。

内田さん「政策で競うのが本来の選挙の姿とは思いますが、どうしても『名前を浸透させたい』という思いが強くなってしまいます。日本独特というか何十年と続く選挙スタイルで。選挙カーで回って名前を連呼すると、支持者が家から出てきてくれたり、手を振ってくれたりします。選挙前に『(選挙期間中)一回はうちの前を通ってくれ』とおっしゃる支持者もいて、『政策は選挙公報やリーフレットで見てください』となります」

Q.学校や病院の近くではどのようにしていますか。

内田さん「それは気を付けています。学校、病院、介護施設、保育園、幼稚園の前を通るときはボリュームを下げるよう、スタッフに話しています」

Q.連呼行為で苦情を受けたことは。

内田さん「ありません。私の地元は農業地域で、地域性もあると思います。都会で、集合住宅が多いところでは、非難の声が出るのかもしれませんね。(市議選の)選挙運動期間は、日曜日から土曜日までですが、初日の日曜日と最終日の土曜日は主に地元を回るためかもしれません」

Q.「子どもが昼寝しているので配慮を」という声をどう思いますか。

内田さん「お気持ちは分かります。配慮しているつもりですが、難しい問題ですね。今回の統一地方選でも、無投票が増えています。候補者や関係者からすると『選挙に関心を持ってほしい』という気持ちもあって選挙運動をしています。難しい問題です」

 統一地方選後半戦は、14日に政令市を除く市の市長選と市議選、東京23区の区長選、区議選、16日に町村長選と町村議選が告示され、21日が投票日です。