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もくじ

どんなクルマ?
ー 全長5m以上、全幅2mの大柄ボディ
どんな感じ?
ー ドラマチックといいたくなるインテリア
ー 体格の割に悪くない加速と身のこなし
「買い」か?
ー 思わず欲しくなるラグジュアリー空間
スペック
ー BMW X7のスペック

どんなクルマ?

全長5m以上、全幅2mの大柄ボディ

X7は、BMWが設計したクルマの中で、最も広範囲の地域に適合できるクルマだと思う。ひときわ大きくなったフロントグリルは、アメリカや中東の国々、中国を始めとするアジア圏の国々のひとへ、優れたアピール力を備えている。ドバイ出身の同僚の意見を聞いてみても、BMW X7は目標としているターゲットの心にしっかり響いているようだ。

この地域の人達には、欧州では手に入らない、V8ガソリンエンジン・モデルが提供される予定。左右に穿たれた四角いエグゾーストからは、アイドリング状態でも、砂漠を突進する準備が整っていることを表すような低音が響く。

欧州では今回の試乗車でもある、339psの直6ガソリンエンジンを搭載したxDrive 40iの他に、ディーゼルエンジン仕様となる、194psのxDrive30dと294psのM50dがラインナップされる。しかし仮に興味を持っても、この巨大な7シーターが自宅の駐車場にちゃんと収まり、かつ乗り降りできるのか、予めしっかり確認しておいた方が良いだろう。

X7は最近新しくなったX5とプラットフォームを共有しているが、ボディサイズは一回り大きい。全長は5151mmで、全高は1805mm、全幅はドアミラーを含まない状態でも丁度2000mmある。そもそもX5の全長は4922mmで、全高は1745mmとなっており、充分大きいのだが。X7に乗り込んでみると、このボディサイズもあって、巨大な野獣を運転している感覚を抱いてしまう。後ろを振り返れば、テールゲートは遥か彼方に付いているように見える。さあ、走り出してみよう。

どんな感じ?

ドラマチックといいたくなるインテリア

巨大なボディサイズは、このクルマのセリングポイントのひとつでもある。大人5名が間違いなく快適に過ごせる立派なシートを備えているだけでなく、3列目に座らされた2名も、想像以上に余裕のある空間が確保されていることを実感するだろう。しかし、乗り込むには柔軟な体が必要。リアのホイールアーチと2列目シートの隙間から乗り込むには、器用に体を動かす必要があるのだ。

ラゲッジスペースも、3列目を持つ7人乗りのクルマとしては充分大きい容量が備わるが、2列目と3列目を折りたためば、2121ℓという大容量が得られる。しかもフロアには、汚れた荷物がはばかれそうな、上質なカーペットが敷かれている。

ラゲッジスペースだけでなく、隅々まで上質に作り込まれた車内空間は、X7の嬉しい特徴。最新の7シリーズや8シリーズも含めた、BMWが新しく設定したラグジュアリー・モデルレンジに共通するもので、「Bayerische Motoren Werke」ブランドの証となる。シートの表皮素材や装飾、カラーなどの効果的な選択と、部分的に開くこともできる巨大なグラスルーフなどが、インテリアにドラマチックな雰囲気を生み出している。もしこのスケール感を持ったクルマを運転したことがなければ、X7のインテリアは、路上では他に比べるものがないとすら感じられるかもしれない。

運転席に座ると着座位置は高く、リアウインドウは遠くに小さく見える。全幅だけでなく、視覚的なボディの体積感が重なり、走り初めは運転が怖く感じられるほど。広いアメリカの道であっても、ドライバーが進行方向の車線に集中していない限り、レーンキープアシスト機能がせわしなく働くことになる。ワンダリングが酷いわけではなく、単に車線の幅に対してボディの幅が大きいためだ。

体格の割に悪くない加速と身のこなし

このクルマの場合、レーンキープアシストは非常に有用。レーダーによるクルーズコントロールによって、交通渋滞で停止するまで、半自律的に走行することができる。高速道路はX7にとって得意分野ではあるだろうが、BMW流のスポーティーさを感じることは難しい。だが、BMWのシャシーエンジニアはX5をルーツとしていることを理由に、ドライバーズカーとして設定したいようだ。

試乗したのがフロリダの広大な大地に伸びる道だから、ゆったりとしたコーナリングが中心だったが、空いたランナバウトでペースを上げてみると、コンフォートモードでも、適度に抑制されたボディロールを確認することができた。スポーツモードならさらに引き締まる。このボディサイズを持つクルマから期待する以上の、上品な身のこなしだといえる。

今回の試乗車、xDrive 40iは明確に速いわけではないが、この大きな体積を考えれば当然。しかし、2320kgと想像するほど車重は重くなく、フルスロットルでの0-100km/h加速は6.1秒でこなす。エアサスペンションは大きな凹凸ではやや硬く感じられる場面もあるが、力強い加速でなだめることもできる。後部座席でスターバックスのソイラテを楽しむベンチャー企業のリーダーは、不機嫌になるかもしれないけれど。

2998ccのV6は低回転域から中回転域まではスムーズできめ細かく回転するが、レッドゾーンをめがけて回転数を上げていくと、ややザラついた音が目立つようになる。8速ATもドライバーはほとんど意識しないほどスムーズに動作する。パドル操作やスロットルを深く踏み込めば、シフトダウンも積極的に受け入れてくれる。

「買い」か?

思わず欲しくなるラグジュアリー空間

多くのひとが不足のない豪華さの中で移動でき、綺羅びやかな自己主張を持たせる、という彼の地での市場ニーズで判断すれば、X7はそのミッションを達成しているといえる。

だが、豊かな創造性をもってエレガントにデザインされたBMWとはいい難いし、英国でも日本でも、明らかにそのボディサイズは大きすぎる。それでもこの車内は魅力的。贅を凝らした移動空間に惹かれるのなら、有力候補にあげてもいいだろう。

BMW X7 xDrive 40iのスペック

■価格 7万4155ポンド(1053万円) 
■全長×全幅×全高 5151×2000×1805mm 
■最高速度 244km/h 
■0-100km/h加速 6.1秒 
■燃費 − 
■CO2排出量 − 
■乾燥重量 2320kg 
■パワートレイン 直列6気筒2998ccターボ 
■使用燃料 ガソリン 
■最高出力 339ps/5500-6500rpm 
■最大トルク 45.8kg-m/1500-6500rpm 
■ギアボックス 8速オートマティック