ドジャーズの黒田博樹が、土曜日、トレード拒否権を放棄するつもりがないことを球団に伝え、残留が決まった(7月31日付ESPN)。

 黒田はトレード拒否権を放棄しないことを明らかにし「代理人を通して、今季終了までこのユニフォームを着続けるとネッド(コレッティGM)に伝えた。ぼくはどこにも行きません」と述べた。

 事情を知るMLB関係者によると、黒田はいったんはレッドソックス、ヤンキース、レンジャーズの3球団について、トレード拒否権を行使しないというシグナルを出していたという。これら3球団は、もっとも熱心に黒田獲得に動いていたといわれており、なかでもレンジャーズは一番よい条件を提示したという。

 黒田は、GMからは特定のチーム名や条件はなにもきかされていないという。「代理人からは複数の球団から打診があったという話はきいた。去年のオフ、考え抜いた末に、ドジャーズであと1年やろうと決めたので、その気持ちを貫くことにした」

 黒田は残留を決めた理由に、チームメートへの気持ちをあげた。「ここに残ることにした一番の理由は、同じチームメートとプレーすることがぼくにとってはとても大事なことだからだ」

 今季終了後にフリーエージェントとなるが、日本に帰るかどうかはまだ決めていないという。「来年のことはまだ考えていない。いつもいっているように、次の登板に向けて集中するだけだ」

 ドン・マッティングリー監督は「家族を連れての引っ越しはだれにとっても簡単ではない。ヒロの場合は、言葉の問題もあるし、新しい環境になじむまで(我々よりも)もっと時間がかかるだろうから、なおさらだ。残留を決めた気持ちは理解できる」と見解を述べた。