日光・中禅寺湖で記録的な低水位、島は湖岸と陸続きに…華厳の滝も「テレビではもっと水量あったのに」
栃木県日光市にある中禅寺湖で、記録的な低水位が続いている。
4月の水位は過去67年間で4番目に低く、5月も過去2番目に低かった。昨秋から続いた雨や雪不足が原因とみられ、浅瀬の湖底が露出し、島が湖岸と陸続きになっている。今後、観光客が増えるシーズンとなるだけに影響が懸念されている。(前川銀平)

「思ったより水少ないね」
5月上旬、日本三名瀑(めいばく)の一つ「華厳の滝」には多くの観光客が訪れていた。落差97メートルを誇り、中禅寺湖の水が勢いよく流れ落ちるのが本来の見所だが、この日は流れる水が少なく、観光客からは残念がる声が聞こえてきた。
「テレビで見た滝はもっと水量があったのに」。高松市から観光で来た会社役員の男性(79)は細くなった滝を前に肩を落とした。
華厳の滝の水量は中禅寺湖の端にある中禅寺ダムで調整されている。県砂防水資源課によると、昨年4月下旬の落水量は毎秒0・3トンだったが、今年3月以降、平日は毎秒0・1トン、休日は毎秒0・2トンにしぼっているという。水が豊富な夏季には毎秒2〜2・5トンを放出しており、写真などでみる滝の風景との落差が際立っている。
県日光土木事務所によると、今月1日現在の中禅寺湖における最低水位は基準となる水位を0・97メートル下回った。記録が残る1960年以降、5月の水位としては88年のマイナス1・02メートルに次いで2番目に低い。
中禅寺湖の水位は例年、この時期が最も低くなる。ただ、今シーズンは昨秋から今冬にかけて雨や雪が少なく、春に湖に流れ込む雪解け水が減少しており、これが記録的な低水位の要因となっているとみられる。
水位低下の影響は観光業に及んでいる。東武興業が運営する中禅寺湖遊覧船は今季、4か所中3か所の船着き場を臨時で通過するコースで運航している。湖面が下がり、桟橋に届かないためだ。
同社の山田和行副支配人は「本来船を使って立ち寄れる『英国大使館別荘記念公園』や『中禅寺立木観音』などの観光名所に行きにくくなってしまい、申し訳ない」と話し、「自然現象なのでしょうがないが、雨が降って早く水位が戻ってほしい」と望む。
水位が下がったことで、珍しい光景も出現している。日光山輪王寺の聖地で、湖南部に浮かぶ上野(こうずけ)島は、陸とつながった状態になった。輪王寺の担当者は「ここまではっきり陸続きになっているのは、近年まれに見る光景だ」と驚く。
