「息子が面会に来てくれない」施設入居中の80代女性の訴え。ベテラン介護支援専門員の仕事ぶりは【著者インタビュー】

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介護サービスに欠かせない職種のひとつが、ケアマネージャーと呼ばれる介護支援専門員です。介護サービスの窓口となり、利用者のニーズや状況にあわせたサポートプランを考え、専門職のスタッフと協同して利用者を支えています。
話題のコミックエッセイ『ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどる』の著者ケンさんは、介護業界に20年以上携わる現職のケアマネージャーです。過激なタイトルとは裏腹に、利用者との心温まるエピソードが満載の本作。ケンさんに、お仕事内容について話を聞いてみました。


介護施設を利用中の80代女性・武田さんが最近、不穏状態(※)だとスタッフから声があがります。「なんか対応してもらえますか?」その声にこたえるのは、ケアマネージャーのケンさんです。
※落ち着きがなく情緒が不安定な状態

武田さんに話を聞くと、息子が面会に来ないことを寂しがっている様子。ケンさんは「写真を添えた手紙を出す」ことを提案します。しかし、手紙になんと書けばいいかわからない、と武田さん。「昔飼っていた犬の名前でも…」とケンさんが提案したところ…。

武田さんの写真と、犬の名前だけが書かれた手紙ができました。


その後も、謎の手紙を送り続ける武田さん。その結果…

見事、息子さんが会いに来てくれたのでした。
■「全然楽じゃない!」介護支援専門員(ケアマネージャー)の仕事について

――漫画では、介護施設のスタッフの方から「何か対応してもらえますか?」と様々なことを振られています。こういった困りごとへの対応は、ケアマネさんにとってどういう意味合いを持つ仕事なのでしょうか。
ケンさん:施設ケアマネ時代に同僚からこういった要望は多かったですね。単純に現場は人手不足のため、利用者さんの対応に苦慮しています。ケアマネは比較的自由に時間調整ができますので、「何でも屋さん」的な感じで呼ばれていました。

――ケアマネージャーは資格が必要な専門職となりますが、経験を積んで、ケアマネを目指したきっかけや理由があれば教えてください。
ケンさん:最初デイケアで3年半働いて、引っ越しをきっかけに訪問入浴を1年半行いました。その頃は資格なんて全然考えていなかったんですが、会社から「介護福祉士(の資格を)取れば?」と勧められて、試験を受けて合格。そのまま「ケアマネの試験」も受けられると聞いて受けて合格。せっかく合格したからやってみるか…と、流れでケアマネを始めました。当時30歳くらいで、体力的にも不安が出てきていたので、ケアマネの方が楽かなという安易な考えもあったと思います。実際、ケアマネは全然楽じゃなかったんですけど…。


――ケアマネさんは介護サービスのチームリーダーのような立場だと思うのですが、スタッフの方々との関係づくりで心がけていることがあれば教えてください。
ケンさん:多職種連携がケアマネジメントの肝でもあります。いくらケアマネが良いプランを作っても、関係性がガタガタでは元も子もないです。ケアマネ側の主張は控えめに、専門職の意見や考えをたくさん聞き出して、上手くまとめられるように注力しています。
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多くの専門職の方が集まりチームとなって、知恵と力を出し合い、利用者を支える介護サービス。多くの方の尽力があって介護サービスが成り立っているんですね。
取材・文=K.Kunitake

