セックスレスに悩む夫婦(滎水/stock.adobe.com)

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「セックスレスの夫婦ってどれくらいいるの?」

【写真】子どもがいる既婚女性の約半数が「セックスレスの自覚アリ」

「解消方法はあるのかな?」

疑問に思う人もいるかもしれません。

実は、セックスレスをきっかけに夫婦関係が破綻するケースは少ないのです。この記事では、セックスレスの原因について解説し、夫婦関係を保つための5つの方法をご紹介します。

セックスレスの夫婦ってどれくらいいる?データで見る現状

セックスレスの問題は、現代の夫婦において非常に重要なテーマのひとつです。多くの人が「自分たちだけの問題ではないか」と悩む一方で、実際には同じような悩みを抱える夫婦が少なくありません。

この記事では、セックスレスの現状について、データを交えながら詳しく見ていきます。

・セックスレスの定義とは?どのような状態を指すのか

セックスレスとは、一般的に「夫婦間で一定期間以上性的な関係がない状態」を指します。

日本性科学会の定義(1994年)によると、1カ月以上性的接触がなく、なおかつその状況が夫婦の合意によるものではない場合にセックスレスとみなされます。これは単なる一時的な事情ではなく、夫婦間のコミュニケーション不足や心のすれ違いが背景にあることが多いです。

・日本におけるセックスレス夫婦の割合

日本におけるセックスレス問題は、非常に深刻な現状が浮き彫りになっています。

2023年10月にレゾンデートル株式会社が実施した夫婦のセックスレスに関する実態調査(20〜59歳の既婚男女4,000人)の調査の結果が、以下のような数値を出しています。

【年齢層/セックスレス傾向の割合/完全なセックスレス状態の割合】

・20〜50代既婚者/68.2%/43.9%

・20〜40代既婚者/64.5%/37.6%

注記:「セックスレス傾向」とは、「ややセックスレス」と「セックスレス」と回答した人を指す。
「完全なセックスレス状態」とは、「セックスレス傾向」のみ回答した人を指し、夫婦間で性的関係が完全に途絶えた状態を意味する。

調査によると、20〜50代既婚者のうち68.2%が「セックスレス傾向」にあると回答。その中でも、43.9%は完全にセックスレス状態であると答えています。さらに、夫婦間のセックスが一般的に少なくなる50代を除いて、20〜40代に限定しても64.5%がセックスレス傾向にあり、そのうち37.6%が完全なセックスレス状態であることが分かっています。

このように、比較的若い世代でもセックスレス問題が深刻化していることが特徴です。

セックスレスの原因とは?夫婦間でよくある理由を解説

セックスレスにはさまざまな原因がありますが、どれも夫婦の生活や気持ちに深く関係しています。「なぜセックスレスになるのか?」を知ることで、解決の第一歩を踏み出せます。

よくある理由についてまとめると以下の通りです。

・健康状態や体調の変化
・ストレスやコミュニケーション不足
・環境や生活リズムの違い

・健康状態や体調の変化

体調や健康が原因で、セックスレスになる夫婦は少なくありません。例えば、仕事や育児で疲れが溜まっていたり、病気や体調不良が続いていると、自然とそういった気持ちが薄れてしまうことがあります。

産後の女性はホルモンバランスが崩れたり、体に痛みを感じることがあり、性行為を避けることが多いです。男性の場合も、ストレスや年齢による体力の低下が原因で性的な問題が出てくることがあるでしょう。

・ストレスやコミュニケーション不足

毎日のストレスが原因で、夫婦の間に距離が生まれることもよくあります。例えば、仕事や家事、育児のプレッシャーで心に余裕がなくなり、相手を思いやる気持ちが薄れてしまうかもしれません。

また、夫婦でしっかり話し合う時間が取れないと、気持ちがすれ違っていき、結果的にセックスレスになることがあります。「相手にどう思われているか話すのが怖い」という気持ちも、問題を大きくする要因のひとつです。

・環境や生活リズムの違い

物理的な状況が原因で、セックスレスに陥ることもあります。例えば、子どもと同じ部屋で寝ていると、二人きりの時間を作るのが難しくなります。

また、夫婦の生活リズムが違う場合、寝る時間が合わないことで自然にスキンシップの機会が減ってしまうでしょう。家の中にリラックスできる空間や時間がないと、夫婦が一緒に過ごす時間が減り、関係が希薄になることもあるのです。

セックスレスが夫婦関係に与える影響

セックスレスは、夫婦関係にさまざまな問題を引き起こす可能性があります。「ただ夜の関係がないだけ」と思うかもしれませんが、その裏には愛情や信頼が関係しているため、無視できない影響を及ぼすことが少なくありません。

ここでは、セックスレスがどのように夫婦や家庭に影響するのか、わかりやすく解説します。

・セックスレスが夫婦不仲につながる理由

セックスレスが続くと、夫婦の間に心の距離ができることがあります。たとえば、「もう自分に興味がなくなったのでは?」と不安を感じたり、「愛されていないのかも」と孤独を抱えたりすることがあります。

また、お互いに触れ合う機会が減ると、自然と会話や笑顔も減り、夫婦としてのつながりが弱くなってしまいます。こうした状況が続くと、ちょっとしたことでもケンカになったり、無言の時間が増えたりして、不仲の原因となってしまうのです。

・離婚率との関連性は?セックスレスが引き金となるケース

セックスレスが原因で離婚を選ぶ夫婦も少なくありません。離婚理由のひとつに「愛情の冷め」や「性的な問題」が挙げられることが多いです。

セックスレスが続くと、夫婦間でお互いを理解しようとする気持ちが薄れ、関係を修復する意欲もなくなりがちです。結果的に「一緒にいる意味がない」と感じてしまい、離婚に至るケースもあります。こうした問題は放置せず、早めに解消することが大切です。

・夫婦関係の悪化が家庭に及ぼす影響

セックスレスによる夫婦のすれ違いは、家庭全体にも影響を及ぼします。たとえば、夫婦間の関係が冷たくなると、家の中がピリピリした雰囲気になり、子どもが不安を感じることがあります。

特に、子どもが「両親の仲が悪いのでは?」と心配するようになると、学校生活や精神面にも影響が出ることがあるのです。夫婦が仲良く過ごすことは、子どもの安心感や家庭の安定につながるため、セックスレス問題を解決することは家庭全体のためにも重要です。

〜 夫婦カウンセラー 大野まり子さんのコメント 〜

必ずしもセックスの有無が愛情表現だとは限りませんし、レスだから不仲だということでもありません。大切なのは夫婦間で共通して同じ認識であるか?ということ。セックスがなくてもハグやキスなどのスキンシップで満たされ合う夫婦、共通の趣味や会話で円満な関係を継続している夫婦もいます。一方でレスが深刻になると浮気や離婚問題に発展したり、何度も拒否されたことで自信喪失や自己肯定感が下がってしまうことも。セックスに対する温度差を夫婦間で確認し合うことは大切です。

セックスレス解消のために取り組むべき5つの方法

セックスレスを解消するためには、具体的な行動を起こすことが大切です。多くの夫婦が「どうしていいかわからない」と悩んでいますが、少しずつでも前向きなステップを踏むことで、状況を改善できる可能性があります。

取り組むべき5つの方法をまとめると以下の通りです。

1. 夫婦間での率直なコミュニケーションを大切にする
2. 定期的なデートやスキンシップの時間を設ける
3. 健康状態を見直し、体調管理を徹底する
4. お互いの価値観や気持ちを再確認する
5. 専門家のアドバイスを受ける

1.夫婦間での率直なコミュニケーションを大切にする

セックスレスを解決するには、まずお互いの気持ちをしっかりと話し合いましょう。「どうして今の状況になっているのか」「相手にどうしてほしいのか」といったことを、責めるのではなく冷静に伝え合うことで、問題の本質を見つけることができます。

特に、「相手がどう感じているか」を理解しようとする姿勢が重要です。話し合いが難しい場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。

2.定期的なデートやスキンシップの時間を設ける

忙しい日常の中で、夫婦が二人だけで過ごす時間を作ることはとても大切です。デートに出かけたり、リラックスできる時間を一緒に過ごしたりすることで、自然と距離が縮まります。

また、日常的なスキンシップも効果的です。手をつないだり、肩を触れ合ったりといった小さな行動が、夫婦の絆を深めるきっかけになるかもしれません。

3.健康状態を見直し、体調管理を徹底する

体調や健康面が原因でセックスレスになる場合、まずは生活習慣を見直すことが大切です。例えば、十分な睡眠をとる、バランスの良い食事を心がける、適度に運動をするなど、体を整える習慣を取り入れてみましょう。

こうした小さな積み重ねが、心身の健康を取り戻し、性的な関心を再び取り戻すきっかけになります。

4.お互いの価値観や気持ちを再確認する

結婚生活の中で、お互いの価値観や気持ちが変わっていくことはよくあります。「結婚当初と今で、どのように気持ちが変わったのか」を改めて確認することで、相手への理解が深まるかもしれません。

特に、日々の感謝や思いやりを伝えることが、セックスレス解消に向けた第一歩になるでしょう。

5.専門家のアドバイスを受ける

どうしても解決が難しい場合は、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。夫婦カウンセリングや医療機関での相談を通じて、セックスレスの原因を客観的に分析し、適切なアドバイスを受けることができます。

専門家に相談することで、今まで気づかなかった解決策が見つかることもあるでしょう。夫婦カウンセリングは一人でも夫婦二人でも受けることが可能です。

【Q&A】セックスレス夫婦関係でよくある質問

Q1. セックスレスになりやすい夫婦の特徴はありますか?

育児や仕事で忙しく、夫婦の時間を作れない夫婦や、コミュニケーション不足で気持ちがすれ違いがちな夫婦は特にセックスレスになりやすい傾向があります。また、産後の女性はホルモンバランスの変化により性欲が減退しやすく、セックスレスのきっかけとなることが多いです。生活リズムが大きく異なる夫婦も、自然とスキンシップの機会が減ってしまいます。

Q2. セックスレスは何年続くと危険な状態と言えますか?

一般的に1年以上セックスレスが続くと、夫婦関係に深刻な影響を与える可能性が高くなります。この期間を過ぎると、お互いへの関心が薄れ、関係修復がより困難になる傾向があります。ただし、夫婦が互いに納得している状態であれば、期間の長さよりも両者の気持ちが重要です。

Q3. セックスレスが原因で離婚する夫婦はどのくらいいますか?

正確な統計はありませんが、セックスレスが「愛情の冷め」につながり、離婚理由の一つとなるケースは少なくありません。セックスレスそのものよりも、それによって生じる心の距離や理解不足が離婚の引き金となることが多いです。早期の対処と話し合いで、多くの夫婦が関係を修復しています。

Q4. 子どもがいる家庭でセックスレスを解消するにはどうすればいいですか?

子どもがいる家庭では、まず夫婦だけの時間を意識的に作ることが重要です。子どもを実家や信頼できる人に預けて、定期的にデートの時間を設けましょう。また、日常的な小さなスキンシップ(手をつなぐ、肩に触れるなど)から始めることで、自然な関係を築き直すことができます。

Q5. セックスレスについて夫婦で話し合う時の注意点はありますか?

相手を責めるのではなく、自分の気持ちを素直に伝える姿勢が大切です。「どうして○○してくれないの?」ではなく、「私は○○と感じている」という伝え方を心がけましょう。話し合いが難しい場合は、カウンセラーに相談することも有効です。お互いの価値観や気持ちの変化を理解し合うことが、解決への第一歩となります。

セックスレス問題を前向きに解決しよう

いかがでしょうか。

夫婦関係は、日々の小さな努力の積み重ねが重要です。セックスレスの問題も、話し合いや行動を通じて改善していけるものです。

ぜひ今日から少しずつ取り組んでみてください。

◆監修者:夫婦カウンセラー 大野 まり子

離婚カウンセラーとして10年の実績を持ち、自身の離婚経験を活かした実践的なアドバイスが強み。ファイナンシャルプランナー(AFP)の資格も保持しているため、感情面と経済面の両方から包括的なサポートが可能。DV、依存症、浮気問題など幅広い夫婦問題に対応し、夫婦関係の修復から、やむを得ない場合の離婚に向けた準備まで、一人一人の状況に応じた具体的な解決策を提示。埼玉県の公的機関での講座開催など、信頼性の高い講師実績も多数。

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(まいどなニュース/リコ活)