4月28日、総務省がデロイトトーマツグループの子会社であるデロイトトーマツテレワークセンター株式会社に3カ月間の指名停止措置を行ったことを公表した。

【画像】「人件費の過剰計上を意図的に行う」驚きの文言も、総務省が4月28日に発表した指名停止措置

 指名停止となったのは「人件費の過剰計上を意図的に行う」(いわゆる“水増し請求”)など、不正又は不誠実な行為が認められたためだ。

 一体、どのような内容だったのか。2025年11月13日配信の「週刊文春」記事を再配信する。


 

少なくとも3100時間分の過剰計上が判明

 デロイトトーマツグループの一角をなしていた(当時)デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)社が総務省から受注した事業をめぐり、人件費を水増し請求していたことが「週刊文春」の取材で分かった。

 DTFA社は、デロイトグループの中でもM&Aや企業再編を担う中核企業。官公庁や地方自治体の案件に強く、2020年に経産省が実施した新型コロナ対策の持続化給付金事業では約427億円で事務を受託した実績もある。

 問題の水増し請求があったのは、DTFA社が2022年に総務省から委託された「デジタル活用支援推進事業」。舞台となったのは、DTFA社のBPO業務を担う福島県いわき市の子会社、デロイトトーマツテレワークセンター(DTTWC)社だ。

 DTTWC社の元社員、A氏が打ち明ける。

「別のプロジェクトに入っていた社員の業務時間をデジ活での稼働と見せかけるため、業務日報を改ざんする指示がなされていたのです」

 デジ活は総務省からの委託事業であり、人件費などの経費は総務省から支出される。つまりDTFA社は総務省に対し、子会社であるDTTWC社の人件費を過剰に請求していた疑いがあるのだ。一連の疑惑は今年8月、内部通報によりDTFA社に報告され、DTTWC社における社内調査を実施。2023年8月から2024年3月にかけて行われたデジ活の審査業務で、少なくとも3100時間分を過剰に計上する業務日報の改ざんが判明したという。

「報告に誤りがあったことを確認」

 日本トップのコンサルグループの一角で起こった大規模な人件費水増し疑惑。デジ活の委託元である総務省に質問状を送ると、こう回答があった。

「(デジ活の人件費について)DTFA社からの報告を受け、過請求の可能性がある旨について把握しています。(過請求分の)返還はまだされておりません。現在、事実関係を確認中であり、今後過請求が確認されればDTFA社との間で返還に向けた手続きを進めてまいります」

 DTFA社とDTTWC社にも質問状を送ったところ、「親会社であるDTFA社よりまとめてご返信します」として、概ね以下のように回答した。

「ご質問いただいた事案に関しまして、弊社はDTTWC社の管理上の不備に起因して業務時間の一部集計、報告に誤りがあったことを確認しており、総務省にも報告しております。現在、総務省と過請求時間に係る報酬の返還に向けた協議を行っており、事実確認がなされた後に、速やかに返還手続きを行う予定です。弊社は本件を真摯に受け止め、チェック体制を徹底するとともに子会社管理の強化などの再発防止に万全を尽くしていきます」

 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、DTTWC社の元社員が語った業務日報改ざんの手口に加え、別の元社員が明かす別の省庁案件での人件費水増し疑惑などについても詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)